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保育の課題・問題点8選!「保育士不足」「管理体制の強化」解決策は?

保育の課題・問題点8選!「保育士不足」「管理体制の強化」解決策は? tatsushi/stock.adobe.com
保育士不足や子どもの安全管理の徹底など、解決策が求められる「保育の問題点」。保育士の職場環境の改善や精神的ケアなどさまざまな課題に目を向けることが大切です。子育て世代を支援するためにはどのような取り組みが必要なのか、保育における問題点を明確化し、改善策について解説します。

目次

    保育業界の問題点とは

    「企業型保育施設の増加」や「保育施設へのICTシステムの導入」など、目まぐるしく変化している保育業界。

    多様化する保育ニーズにおいて問題点を洗い出し、解決策を明確化することが大切です。

    保育業界における課題や問題点には、

    • 待機児童の解消
    • 保育士の人材不足
    • 潜在保育士の復職
    • 保育士の職場環境の改善
    • 保育士の精神的ケアの充実
    • 子どもの安全管理体制の強化
    • ICTシステムの導入の推進
    • ICTシステムの現場活用

    などが挙げられます。現場では具体的にどのような問題が起きているのか、改善策とともに徹底解説します。

    保育業界の課題・問題点:待機児童の解消

    保育業界において待機児童の解消は大きな課題のひとつです。

    待機児童とは保育を必要とする子どもが入所できない状況のことを指します。

    厚生労働省の資料によると、2021年4月の待機児童数は5,634人と前年よりも6,805人と3年連続で減少傾向にあります。

    待機児童 状況

    引用:2021年4月の待機児童数調査のポイント/厚生労働省からの抜粋

    年々減少していますが、依然として大都市部(東京や神奈川など)を中心に待機児童問題の解決には至っておらず、特に1歳児~2歳児の受け皿の整備が間に合っていない状況です。

    また、女性の就業率は今後も上昇することが予想されるため、さらに子どもの受け入れ体制を整えることが求められるでしょう。

    改善策

    待機児童問題の解消に向けて国としては以下のような取り組みを実施しています。

    • 認可子ども園の増設・幼稚園からの移行
    • 0歳~2歳児の保育の受け皿として地域型保育園の増設
    • 各市町村に「保育コンシェルジュ」を配置(地域の保育ニーズに把握、受け皿の整備)

    子育て世代を支えるためにはこのような大きな枠組みの支援策だけでなく、各地域の実状にあわせた取り組みが求められるでしょう。

    認可・認可外関係なく、地域全体の保育施設数や定員数の動向の把握を行い、情報を提供できる相談機関施設が必要かもしれません。

    また、民間の企業では子育て支援に向けて、ベビーシッターの派遣サービスを展開しています。このようなサービスが充実すれば、待機児童問題の解消に役立つだけでなく、子育て世代の孤立化を防ぐことにもつながりそうです。

    出典:2021年4月の待機児童数調査のポイント/厚生労働省

    保育業界の課題・問題点:保育士の人材不足

    保育業界では依然として保育士が不足しており、2021年4月の保育士の有効求人倍率は2.92倍と人材確保に向けた競争が高まっています。

    待機児童の解消のために保育施設の増設に力を入れても、働く人材の確保ができなければ、保育の受け皿としての機能は成り立ちません。

    現場の状況把握し、保育士の人材不足を補う必要があるでしょう。

    改善策

    保育士の人材不足の解消に向けて国としては以下のような取り組みを実施しています。

    • 通常の保育士試験を年1回から2回に増加
    • 地域の保育士を育むため、「地域型限定保育士試験」の導入
    • ※地域型保育士となった場合、登録後の3年間は地域限定の保育士として働き、4年目以降は全国で働くことができる

    • 保育士マッチング強化プロジェクトの創設
    • ※ハローワークによる未紹介・未充足求人へのフォローアップの徹底など

    民間企業では保育施設と保育士をつなぐ人材紹介会社が設立され、需要も高まっているようです。

    保育士という仕事の魅力を発信し、人材不足解消に向けて取り組むことが求められるでしょう。

    出典:保育士の現状と主な取組/厚生労働省

    保育業界の課題・問題点:潜在保育士の復職

    潜在保育士とは、「保育士の資格を保有していても、就業をしていない人(資格を取得しても一度も保育士として働いていない方も含める)」をいいます。

    厚生労働省の資料によれば、2015年において潜在保育士は約76万人

    人材不足が懸念される中、保育業界における潜在保育士の復職の後押しは大きな課題のひとつでしょう。

    改善策

    潜在保育士の復職に向けて国としては以下のような取り組みを実施しています。

    • 復職フェアの開催
    • 復職に向けた実技研修の強化
    • 復職マッチングサービスの支援

    潜在保育士さんは結婚・出産を機に保育士を離職された方が多いようです。

    そのため、子育て中の方が復職できるようにサポートできるシステムが求められるでしょう。

    例えば、子育て世代が利用する地域のスーパーや児童館、保育園などの掲示板に求人情報やフェア開催の情報を掲示するとよいですね。

    また、保育施設においても園見学や説明会などを積極的に実施することで、復職を後押しする機会を増せるかもしれません。

    保育業界の課題・問題点:保育士の過酷な労働環境

    保育士は保育活動施設の衛生・安全管理や連絡帳などの文書作成、保護者対応などさまざまな業務をこなす必要があります。

    一人ひとりの業務負担が多く、過酷な労働環境の中で「持ち帰り残業が多い」「労働時間が長い」「休日が取れない」などさまざまな不満を抱える保育士も少なくありません。

    このような状況に疑問を感じて異業種に転職を考える方もいるようです。人材不足を改善するためにも、まずは保育士の環境整備に取り組むことが求められるでしょう。

    改善策

    保育士の労働環境の改善に向けて国としては以下のような取り組みを実施しています。

    • 保育士の待遇改善
    • ※2022年2月から収入を月額9,000円改善、技能や経験に応じて5000円~40000万円の給与改善

    • 労働環境を改善した実例を保育施設情報の共有
    • 保育施設でのICTシステム(情報通信技術)活用推進

    近年は保育士の給与改善が実施され、役職に就き、研修に参加することで昇給する体制も構築されています。ただ、業務が多忙で研修に参加できない方もいるため、参加に向けて職場環境を整えることも大切です。

    出典:ハロー未来の保育士/厚生労働省

    保育業界の課題・問題点:保育士の精神的ケアの充実

    保育士は人材がなかなか定着せず、職場からの離職率が高いといわれている職種です。

    「職場の人間関係が悪い」いう理由で離職する方もおり、精神的なストレスを抱えてしまう方がいるようです。

    保育現場はクラス担任制を導入している園が多く、連携が上手くいかない場合に職員同士のコミュ二ケーション不足となる可能性もあります。保育観や子どもの接し方に相違が生じた場合に、互いにぶつかることで隔たりができてしまうケースもあるかもしれません。

    現場で保育士一人ひとりが悩みを抱え込まないように、精神的にケアすることが求められるでしょう。

    改善策

    保育士の精神的ケアの充実に向けて国としては以下のような取り組みを実施しています。

    • 職員のストレスチェック制度の導入
    • 「保育士が働きやすい職場づくりのための手引き」を作成、配布

    保育士が働きやすい職場づくりのための手引き」では、保育士間の積極的なコミュ二ケーションの在り方や相談しやすい体制作りの大切さを実例で紹介しながら、記載しています。

    このような手引きがあることを知らない保育士さんもいるため、積極的に各施設で活用することも大切でしょう。

    その他にも園長や主任に対して定期的に「職員の精神ケアのセミナー」などを開き、良好な職場環境となるような働きかけをすることも必要でしょう。

    また、各施設で良好な人間関係を構築するために交流会や面談を積極的に設けるとよいかもしれません。

    出典:労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル/厚生労働省

    出典:保育士が働きやすい職場づくりのための手引き/厚生労働省

    保育業界の課題・問題点:子どもの安全管理体制の強化

    子どもたちの健康管理や安全管理は保育士にとって重要な役目となります。

    ただ、検温や消毒、手洗い・うがいの指導などさまざまな業務に追われて、管理が行き届かないことに不安を感じる保育士さんもいるかもしれません。

    保育士の人数には限りがある中で子どもたちを見守る必要があります。安心して過ごせるよう、役割分担の明確化や管理の徹底を行うことが大切ですね。

    改善策

    保育の安全管理体制の整備に向けて国としては以下のような取り組みを実施しています。

    • 安全管理における留意事項の配布
    • 事故予防、感染症や食事提供などのガイドラインの策定

    子どもたちの安全を守るためにさまざまなガイドラインが設けられています。各保育施設はガイドラインの回覧はもちろん、園独自のマニュアルを作成することも大切です。

    各園で建物の構造や食事提供の方法などに違いがあるため、実状にあわせたマニュアルを策定しましょう。

    また、職員同士で役割や持ち場を再確認して何かあれば連絡や報告、相談の徹底を行い、事故防止に向けて取り組むことも重要ですね。

    保育業界の課題・問題点:ICTシステムの導入が進まない

    保育士の事務作業の負担軽減に向けて、ICTシステムの導入が始まっています。

    ICTシステムとはパソコンやタブレット、携帯電話で園児管理や職員管理、保護者のお知らせ配信などを行うことができる電子システムです。

    しかし、中にはICTシステムの活用に対して前向きになれない保育施設もあるようです。

    ICTシステムの導入に躊躇する点としては、

    • 保育現場が多忙なため、ICTシステムの導入を考える余裕がない
    • 事務作業を手作業で行うことを重視し、ICTシステムの導入が難しい
    • ICTシステムの導入のメリットがよくわからない

    などが挙げられます。

    ICTシステムの活用に関するメリットを具体的に示し、普及を目指していく必要があるでしょう。

    改善策

    ICTシステム導入の推進に向けて国としては以下のような取り組みを実施しています。

    • ICTシステムを導入した保育施設の業務負担軽減についての実例の紹介
    • 補助金制度の明確化

    補助金制度を確立しても、ICTシステムがどのようなメリットがあるのかを各保育施設に訴えなければ、なかなか導入は進まないかもしれません。

    保育業界全体で保育士の負担を軽減できるように、ICTシステムの取り扱いを行う企業との連携などを行い、活用の輪が広がる取り組みが求められるでしょう。

    出典:保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書/厚生労働省

    保育業界の課題・問題点:ICTシステムの現場活用

    保育業界でICTシステムを導入している施設はあるものの、上手く活用できていない場合もあるようです。

    導入後のフォロー体制が整備されておらず、「現場の業務への引継ぎが上手くいかない」「職員にシステムの説明ができていない」などさまざまな要因が考えられます。

    このような状況に陥らないためにも、各保育施設に合わせたICTシステムのフォロー体制の確立が大切となります。

    改善策

    国としてはICTシステムの導入フォローに向けて、補助金制度を設けています。

    ICTシステムの導入やクラウド利用などにかかる費用を国が負担することで、ICT活用へのハードルを下げることがねらいです。

    ICTシステムの導入は、今までの事務作業を電子システムに移行する必要があります。

    現場で有効活用するためにも、しっかりとしたフォロー体制が確立された民間企業を選び、システムを活用する必要があるでしょう。

    弊社の保育施設向けICTツール「保育士バンク!コネクト」は、導入後にしっかり職員の方に活用いただけるよう、丁寧なサポートを実施しています。「パソコンが苦手でICTツールの導入に不安を感じる」という方は一度ご相談ください。

    資料はこちら

    保育業界の課題や問題点の解決にICTシステムの活用を!

    保育の受け皿の拡大が求められる今だからこそ、保育業界でどのような課題や問題点を抱えているのか、把握することが大切でしょう。

    特に保育士の人材不足は深刻化しており、現場の職員が働きやすい環境を作り上げる必要があります。安全管理体制のマニュアルの作成やICTシステムの導入などに取り組んでいきましょう。

    また、ICTシステムの導入の際は信頼関係の築ける民間企業を選び、導入後のフォロー体制を企業とともに整備することが重要です。

    保育施設向けのICTシステム「保育士バンク!コネクト」は、シフト作成や勤怠情報の集計といった園の事務作業の負担をぐっと軽くできるツールです。

    パソコンが苦手な方でも使いやすいデザインや、サポート部門の充実度が強みです。

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