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認定こども園の「1号 ・2号 ・3号」認定とはなに?保育料や利用手続き

認定こども園の「1号 ・2号 ・3号」認定とはなに?保育料や利用手続き Shutterstock.com
近年、保育園・幼稚園からの移行や新設などで注目されている「認定こども園」。入園するために必要な「1号・2号・3号」とは、どのようなものなのでしょうか。認定区分、保育料、利用手続きなどについて詳しく解説します。「1号・2号の併願は可能?」「1号の場合、夏休みや冬休みは利用できる?」など疑問点についてもまとめました。

目次

    認定こども園の入所には「1号・2号・3号」認定が必要

    認定こども園とは、新しい保育の形として、教育と保育を一体化した施設のことです。

    2006年にスタートした認定こども園制度をもとに、幼稚園、保育園からの移行や新設が行われています。

    内閣府の「認定こども園に関する状況について」の資料によると、2021年4月には8,585カ所と、2020年度よりも569カ所増加しています。

    そもそも認定こども園は国の基準を満たした認可施設になります。幼保無償化制度を活用することができ、条件によっては保育料無料で通園することができます。※給食費やおむつ代などがかかる可能性あり

    認定子ども園を利用するには、どのような手続きが必要となるのでしょうか。

    1号・2号・3号の認定区分、保育料の決まり方、手続き時期について詳しくみていきましょう。

    認定区分とは

    認定こども園に入所する際は以下の3つの区分に分け、保育認定を受けてから利用します。

    • 1号認定
    • 2号認定
    • 3号認定

    このような認定の区分に分けられているのは、市町村が保護者の保育の必要性に応じて、保育や教育のサービスを提供するためです。

    認定区分によって利用できる施設は以下の通りです。

    利用施設

    ※2 幼稚園には新制度に移行しない幼稚園もあります。その園を利用する場合は、認定を受ける必要はありません。

    出典:よくわかる「子ども・子育て支援新制度」/内閣府からの抜粋

    認定こども園は1号・2号・3号と全ての認定区分の方を受け入れる施設のため、「子どもが入園してから働くか決めたい」「幼稚園と保育園をあわせた教育・保育を受けたい」などと考える保護者の方にとっても、利用しやすい施設となるでしょう。

    保育料の決まり方

    保育料の負担については1号、2号、3号の認定区分や保護者の所得を基準に国が定める水準を限度として、市町村が定めています。

    国が定める基準額は以下の通りです。

    保育料

    出典:幼児教育の無償化に係る参考資料p10/厚生労働省から抜粋

    4月~8月の保育料は前年度の所得割課税額、9月~3月分は当年度の所得割課税額で算出されます。

    新制度移行時点の保育料等の額が市町村が定める利用者負担よりも低い認定こども園については、経過措置によって、従前の水準を基に各施設で定める額とすることも認めらています。

    また、同一世帯の複数の子どもが認定こども園を利用する場合、利用者負担の軽減措置などもあるため、確認が必要でしょう。

    手続き時期

    認定こども園を利用する際には手続きが必要となります。

    主に4月入所に向けて、利用手続きを行う保護者が多いでしょう。認定を受けるためには、仕事している方は「就労証明書」の提出、出産する方は「母子手帳のコピー」などが必要になるため、書類を準備することも大切です。

    9月~12月頃に手続きの開始されますが、市町村によって日程が異なるため、いつ頃手続きを始めればよいのかお住まいの役所や、利用したい認定こども園に確認に行うとよいでしょう。

    このように認定こども園の利用する際は、まずは子どもの年齢や保護者の勤務状況などによって、「1号・2号・3号」認定が必要です。

    自治体によって手続き内容が異なる場合もありますが、「1号・2号・3号」認定とは主にどのようなものなのでしょうか。

    認定区分、保育料、利用手続きに分けて基本的な概要を詳しく解説します。

    出典:認定こども園に関する状況について/内閣府

    出典:よくわかる「子ども・子育て支援新制度」/認定こども園

    出典:幼児教育の無償化に係る参考資料p10/厚生労働省

    認定こども園:1号認定

    認定こども園に入所する際の1号認定について紹介します。

    1号の認定区分

    以下の3つの条件に当てはまる場合は1号認定となります。

    • 子どもの年齢が満3歳児以上
    • 保育に必要な事由(保護者の就労、妊娠、出産、疾病、障害など)に該当しない
    • 教育標準時間4時間程度で通園する

    教育標準時間は、基本的に4時間ですが延長保育や一時預かりを利用することも可能です。

    1号の保育料

    国が定める利用者負担の上限額の基準(月額)は「0円~27500円」となっています。

    条件によって違いがあるものの、「幼保無償化」により、利用料が無償となる場合があります。兄弟の有無・年齢によっても保育料に違いがあるため、自治体のホームページなどを確認してみましょう。

    また、その他の通園送迎費、給食費、おむつ代などが加算される可能性があるでしょう。

    1号の利用手続き

    1号認定の基本的な手続き方法については以下の通りです。

    1. 認定こども園に直接、申し込みを行う
    2. 認定こども園から入園の内定を受ける
    3. 認定こども園を通じて市町村から認定証が交付される
    4. 認定こども園と契約する

    利用できる施設や手続きの詳細については、住んでいる地域の市町村等で異なる場合があります。

    認定こども園:2号認定

    認定こども園に入所する際の2号認定について紹介します。

    2号の認定区分

    以下の3つの条件に当てはまる場合は2号認定となります。

    • 子どもの年齢が満3歳児以上
    • 保育に必要な事由(保護者の就労、妊娠、出産、疾病、障害など)に該当する
    • 保育標準時間(原則11時間以内)や保育短時間(原則8時間以内)で通園する

    子どもの対象年齢は1号認定と同様ですが、保育時間に関して1号認定の場合は基本的に4時間、2号認定の場合は基本的に8時間~11時間と設定しており、この点に違いがあります。

    2号の保育料

    国が定める利用者負担の上限額の基準(月額)は、保育標準時間(11時間以内)の子どもの場合は「0円~101,000円」、保育短時間(8時間以内)の子どもは「0円~99,400円」としています。

    条件によって違いがあるものの、「幼保無償化」により、利用料が無償となる場合があります。また、その他の通園送迎費、給食費、おむつ代などが加算される可能性があるでしょう。

    2号の利用手続き

    2号認定の基本的な手続き方法は以下の通りです。

    1. 市町村に直接認定を申請する
    2. 市町村が「保育の必要性」を認めた場合に、認定証の交付を受ける
    3. 市町村に認定こども園の利用希望の申し込む
    4. 申請者の希望、保育所などの状況に応じ、保育の必要性の程度(優先順位などをつける)を調整する
    5. 利用先の認定こども園が決定後、契約する

    地域の認定こども園によっては、応募者が定員よりも多い場合があるため、各家庭の保育の必要性の程度を調整して、利用先の決定を行っています。

    認定こども園:3号認定

    認定こども園に入所する際の3号認定について詳しく紹介します。

    3号の認定区分

    以下の3つの条件に当てはまる場合は2号認定となります。

    • 子どもの年齢が0歳〜満3歳児未満
    • 保育に必要な事由(保護者の就労、妊娠、出産、疾病、障害など)に該当する
    • 保育標準時間(原則11時間以内)や保育短時間(原則8時間以内)で通園する

    1号認定、2号認定との違いは子どもの対象年齢です。また、保育時間については、2号認定と同様の内容となります。

    3号の保育料

    国が定める利用者負担の上限額の基準(月額)は、保育標準時間(11時間以内)の子どもの場合は「0円~104,000円」、保育短時間(8時間以内)の子どもは「0円~102,400円」としています。

    条件によっては「幼保無償化」制度によって、利用料が無償となる場合があります。

    その他の通園送迎費、給食費、おむつ代などが加算される可能性があるでしょう。

    3号の利用手続き

    1. 市町村に直接認定を申請する
    2. 市町村が「保育の必要性」を認めた場合に、認定証の交付を受ける
    3. 市町村に認定こども園の利用希望の申し込む
    4. 申請者の希望、保育所などの状況に応じ、保育の必要性の程度(優先順位などをつける)を調整する
    5. 利用先の認定こども園が決定後、契約する

    利用手続きの流れについては、2号認定と同様です。

    特に1歳〜2歳児は入園希望者が多く、希望の認定こども園に入所できないばあいもあるかもしれません。また、低年齢クラスは身の回りのサポートをする上で保育士の数も必要となり、各園の定員が少ない場合も考えられます。

    各家庭の保育の必要性の程度は異なるものの、手続きをいつ開始すればよいのかしっかりと確認する必要があるでしょう。

    出典:認定こども園概要/内閣府

    出典:子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)/厚生労働省

    出典:幼児教育・保育無償化がはじまります/内閣府


    【認定こども園Q&A】1号認定と2号認定の併願可能?

    「子どもが保育施設に入園後、仕事をするか迷っている」「子どもの様子が落ち着いたら働きたい」などの理由から1号認定・2号認定の併願を検討している方もいるでしょう。

    1号認定・2号認定の併願は可能です。

    ただ、1号認定専願の場合と1号認定・2号認定併願の場合は認定・入園決定までに時間がかかることが予想されます。あらかじめ、認定スケジュールをお住まいの役所に確認するとよいかもしれません。

    また、2号に認定された方で求職中の場合は、自治体が決めた期限(基本的3カ月内)までに、就労証明書の提示を求められるため、その点に注意しましょう。

    【認定こども園Q&A】年度途中で1号認定から2号認定に変更できる?

    1号認定の方の中には年度途中で出産や就業を理由に、2号認定への変更を求める方もいるでしょう。

    年度途中の認定区分の変更は可能です。

    ただ、園によっては定員がいっぱいで保育士さん不足などから、受け入れ体制が整わない場合もあるかもしれません。変更希望の方は、園や役所に相談するとよさそうです。

    【認定こども園Q&A】申込に間に合わない場合はどうする?

    認定こども園を利用する場合は、自治体が決めた提出期限までに必要書類を提出する必要があります。

    もし、何らかの事情で申込が間に合わない場合は役所に相談するとよいでしょう。

    また、一般企業に勤められている方は就労証明書を会社の方が記入します。状況によっては書類の戻りが遅いケースもあるようです。共働きの場合は、父・母両方の就労証明書が必要となりますので、余裕をもって準備しましょう。

    【認定こども園Q&A】長期休み(夏休み・冬休み)は通園できる?

    基本的に1号認定の子どもは、夏休みや冬休みなど長期的な休みが設定されています。その間、2号・3号認定の子どもは保育所同様に通園することが考えられます。ただ、登園スケジュールについては、認定こども園によって設定方法に違いがあるようです。

    また、1号認定の子どもたちは月額の保育料とは別に料金を払って利用できるケースもあるようです。

    中には、長期の休みの間、2号認定・3号認定の子どもよりも登園日数が少ないことで、「友だちとの関係性に問題はない?」「子ども園に通っていた方がいろいろな体験ができるかも…」と不安を抱く保護者の方もいるでしょう。

    そういった悩みに対して、休みの間も保護者と連絡を取りあったり、特別な活動がある場合はお知らせしたりと配慮してくれる園が多いようです。

    心配事がある場合は、担任の保育士さんや園長先生に相談してみるとよいでしょう。

    こども園の認定における課題

    認定こども園を利用する際は、「1号・2号・3号」認定が必要となりますが、どのような課題があるのでしょうか。

    3号認定の増加

    厚生労働省の調査によれば、2021年度の待機児童数は全国に5,634人と、前年比6,805人と減少傾向にあります。ただ、3号認定の対象年齢である1、2歳児が待機児童全体の約80%を占めており、依然として問題の解消には至っていません。

    女性就業率が年々上昇する中で、これから3号認定(0歳~3歳以内)となる子どもの保育需要がさらに高まることも考えられるでしょう。

    その受け皿となるためにも、幅広い子どもの保育・教育が可能となる認定こども園の新設や移行がスムーズに行われるような取り組みが求められるでしょう。

    認定こども園の事務の負担増

    「1号・2号・3号」と認定区分を分けることで、各家庭において必要な保育サービスを受けられるようになるというメリットはあるでしょう。

    一方で認定区分があることにより、各家庭の実費負担や保育料の計算がより複雑になり、保育事務の負担が増加したことも考えられます。

    過度の業務負担にならないためにも、ICTシステムの導入などを通して業務の効率化に目を向けることも必要でしょう。

    出典:2021年4月待機児童数調査のポイント/厚生労働省

    認定こども園の「1号・2号・3号」について把握しよう

    認定こども園は認定区分によって、保育・教育時間の調整が行われます。年度途中の認定区分の変更も可能となることから、利用しやすいと感じる方も多いかもしれません。

    ただ、その一方で子どもたちの成長を支える保育士の人材不足も大きな課題となっています。

    保育現場を支えるためにも、業務の効率化を目指した「ICTシステム」の導入の必要性を考えるなどして、環境の整備について改めて考えていきましょう。

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