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幼稚園教育要領とは?5つの改定ポイント~「10の姿」「3つの柱」をわかりやすく解説~
目次
「幼稚園教育要領」とは、学校教育法に基づいて幼稚園の子どもたちの教育の基準を示したものです。文部科学省によって2017年3月に改訂、2018年4月に施行されました。おおむね10年に一度改訂しており、幼稚園の先生方の大切な指針となります。
保育所には「保育所保育指針」、認定こども園には「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」と子どもたちが通園している施設にはさまざまな指針があります。
幼稚園教諭の取得を目指している学生の方や現在幼稚園で勤務している先生はもちろん、保育業界で働く多くの職員が幼稚園教育要領の内容を把握し、子どもたちの教育を支えていく必要があるでしょう。
「幼稚園教育要領」は以下の3章から構成されています
今回の改定では、基本原則を示す「総則」の中で必要な事項をわかりやすく整理されています。「社会に開かれた教育課程」を目指し、小学校との連携に関しての記述も多く、入学後の子どもたちの生活基盤を形成するうえで役立つでしょう。
また、保育所や認定こども園などの教育水準を一定にすることを考え、他の指針との教育基準が統一化しました。保育所保育指針についても幼稚園教育要領同様、同じ時期に改定が行われていることから、その点もふくめて確認するとよいでしょう。
「幼稚園教育要領解説」は幼稚園教育要領の役割や内容について具体的な説明が記載されています。
解説の中では学習指導要領などについて触れ、学校や家庭、地域の関係者が幅広く共有するための「学びの地図」として活用する大切さにおいても言及しています。
幼稚園教育要領解説を読み、これからの幼児教育の中でどのような取り組みが必要なのか改めて考えてみましょう。
幼稚園教育要領の改定ポイントを5つ紹介します。
幼児に主体的な活動を促し、安定した情緒のもとで一人ひとりが自己発揮できるよう、必要な体験を積み重ねていくことが大切になります。教職員は、子どもたちの健全な育成を支えるために上記の項目を意識して取り組む必要があるでしょう。
新しい幼稚園教育要領の中で「幼稚園教育における育みたい資質や能力が明確化」しましたが、重要な要素として「資質・能力の3つの柱」が挙げられます。
幼児期に遊びを通して総合的な指導が必要な項目は以下の通りです。
①「知識及び技能の基礎」・・・多様な経験を通して感じたり、考えたりする中で自らが何ができるか知る
②「思考力、判断力、表現力などの基礎」・・・気づいたことやできたことを試したり、工夫したりしながら表現する
③「学びに向かう力、人間性など」・・・獲得した知識や技能、思考力や表現力などをどのように発揮するかを考え、よりよい生活を送るために必要な事柄を探求する
上記の3つの項目を柱として、小学校への接続を見据えて子どもたちと関わることが大切になります。
また、幼児期だけでなく、未来を考えて「生きる力」を養うことをねらいとしています。子どもたちが活き活きと生活できるよう、総合的に支えることが重要でしょう。
小学校入学前に育まれるべき資質や能力を「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」として示しました。小学校や他の保育施設との共通指針として策定され、意識的に取り組むことで子どもたちの健全な育成を支えます。
10の視点は以下の通りです。
【幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿】
これらを指標として幼児期に取り入れ、小学校生活に向けた基盤を作り上げることが大切になります。
「3つの柱」「10の姿」を意識して教育活動を展開すれば、子どもたちは小学校入学後も環境の変化に適応しつつ、主体的に活動することができるでしょう。
幼稚園教育要領は、子どもたちにどのような教育活動を展開するべきか考えるうえで重要な指針となるでしょう。
特に新しく示された「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」は小学校との接続をふまえた大切なものです。周囲の大人が共有することで、幼児教育と小学校教育の一層の強化が期待されています。
幼稚園教育要領を把握して、子どもたちの充実した園生活となるよう支えていきましょう。
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