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【保育士の離職率の増加】離職に繋がる原因から保育士確保の対策を考える
目次
保育士の離職率は、増加し続けている傾向にあるといわれています。
平成25年時点での保育士の出入状況によると、
保育士養成施設卒業者とハローワーク求職者あわせて、 4.9万人が就職し、保育所保育士は41万人となっていました。
しかし、そこから3.3万人が離職しており、離職率は10.3%、
民間保育所については12%の離職率との発表がありました。
※他施設、保育所への転職を含みます。
平成25年度の厚生労働省の資料によると、都道府県別でみた新規求人倍率(求人数÷求職者数)において、
9割以上が有効求人倍率1倍を上回っており、
など、全国的に保育士の人材不足が広がりをみせている状況です。
保育士資格を保有しながら約半数は保育所に就職しておらず、
勤務年数においても、半数以上が5年未満となっています。
なぜ、保育士の離職は増えていく一方なのでしょうか。
厚生労働省の資料をもとに、保育士が離職となる原因について解説していきます。
2013年に厚生労働省が、
有資格者で保育士としての就業を希望しない求職者2033名に行った調査によると、
保育士として就業を希望しない上位の理由は以下となります。
最も多かったのは、「賃金が希望と合わない」という意見で、
半数近くの47.5%を占めていることがわかりました。
また、この意見は、「休暇が少ない・休暇が取りにくい(37.0%)」の意見をと合わせて挙げる方が多いという結果となりました。
実際、保育業務には、子どもを保育する以外に多くの事務作業が発生し、業務量が多いことが懸念されています。
そのため、残業が続いたり、休みが取りづらいなどの声が多く聞かれ、離職につながってしまうケースもあるようです。
続いて、「他業種への興味」が43.1 %、
「責任の重さ・事故への不安」が40.0%、「自身への健康・体力への不安」が39.1%となっています。
「責任の重さ・事故への不安」については、子どもが安全に過ごせるような保育環境を作ることが必要とされるため、
プレッシャーを感じる保育士や事故への不安を抱えるという意見があるようです。
また、「自身への健康・体力への不安」という回答については、自身の年齢と強く関係しているようです。
50代以上の6割の方が、健康や体力面に不安を抱えているという理由から、この結果になっています。
保育士の離職率が高い原因には、労働条件や職場環境などのさまざまな意見があり、各施設で保育士確保が懸念されている状況です。
職場環境が改善されず、離職率が高いままだと、保育士として就職・再就職を希望する方は減り続けて、保育士不足が続いていく一方です。
保育・幼児教育無償化などがスタートすると、
これまで以上に施設や家庭から保育士が必要とされ、保育士確保が必要となってくるでしょう。
保育士の離職率の高さの問題と、保育士不足の問題に多くの施設は悩んでいます。
また、保育士の離職率は利用する側にも大きな影響を与えている問題といえます。
保育士が離職してしまう原因がわかれば、保育士確保へ向けた対策の参考にすることができます。
離職の原因である部分の改善をしていけば、保育士確保や離職を防ぐことができるからです。
離職を防ぐ対策として、園や施設で出来る対策を紹介します。
保育士は、子どもを保育する以外にもさまざまな保育業務や事務作業があり、
保育士一人ひとりの業務量がとても多いことが懸念されています。
現場保育士であれば、日々の保育の記録として撮影した写真をまとめたり、
保護者への伝達事項を職員が電話で行っている場合もあるでしょう。
また、主任保育士などは、シフト作成の業務を担うなど、
この他にも、保育士の業務は多岐に渡ります。
実際、仕事量が多いという理由から離職につながるケースもあり、
賃金と業務量が見合っていないことも離職の原因で上位になっていました。
保育士の離職を防ぐためにも、まずは、保育現場の業務量を削減することからはじめてみましょう。
業務効率化に向けては、ICTシステムを使って保育業務を効率化する園が増えており、
業務を自動化し、保育士の負担を軽減させる対策が進められているようです。
業務量を削減することができれば、保育士の負担も減り、保育士確保にも繋げることができるでしょう。
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保育士を離職する理由の一つに「責任の重さ・事故への不安」という理由が挙げられていました。
保育士の業務への不安を解消し、保育士を確保する対策として、
などが、行われているようです。
このような取り組みは、保育の知識や理解を深め、
潜在保育士や職場復帰を考えるブランクのある保育士などが、
前向きに職場復帰を考えることができるきっかけになるでしょう。
また、新人保育士や現役保育士にも働き続けたいと感じてもらえる場にもなるかもしれません。
保育士の離職理由では「賃金が希望とあわない」という理由が最も多く挙げられました。
保育士確保へ向けた取り組みとして、職員の処遇改善を行うことが必要となるでしょう。
内閣府では、処遇改善について以下のような概要を発表しています。
- 副主任保育士・専門リーダー(仮称・月額4万円の処遇改善の対象(園長・主任保育士等を除いた職員の概ね1/3))
- 職務 分野別リーダー(仮称・月額5千円の処遇改善の対象(園長・主任保育士等を除いた職員の概ね1/5))
等を設けることにより、 キャリアパスの仕組みを構築し、保育士等の処遇改善に取り組む保育園等に対して、キャリアアップによる処遇改善に要する費用を公定価格に上乗せを行う。(公定価格上の加算の創設)
出典:技能・経験に応じた 保育士等の処遇改善等について(案)/内閣府
このように、処遇改善の施策として、経験年数や技能に応じた役職が明確化され、
処遇を改善するために補助金が支給されることとなりました。
役職に就くためには、経験年数に応じたキャリアアップ研修を受ける必要があります。
こうした政府の補助金を確実に職員に配分できるよう、職員のキャリアップ研修への参加を促す等、工夫していくことが大切です。
保育士を確保するためには、保育士の業務負担を減らし、働きやすい環境をつくることが大切になります。
国や自治体などの対策はもちろん、現場においても業務の効率化を進めたり、
職場の環境改善や処遇改善などを行うことが必要となるでしょう。
働きやすい職場環境になれば、保育士として働きたいと考える方も多くいます。
そのためにも、保育業界における離職の原因を各園でしっかり把握し、
人材確保に向けた取り組みを行っていくことで、保育士確保の実現につなげていきましょう。
ご入力のメールアドレスに資料を
お送りいたします。
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