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企業主導型保育園とは?企業主導型保育園の特徴と利用するメリット
目次
企業主導型保育園とはその名の通り、「会社がつくる保育園」のことをいいます。
保育施設には国の認定を受けた幼稚園、保育園、認定こども園などがありますが、国の認定を受けていない施設は「認可外保育園」と呼びます。
認可外保育園の中にはベビーホテルや一時預かり施設がありますが、企業主導型保育園もそのひとつです。
女性の社会進出が進む中、企業主導型保育園を設置することによって、子育てと育児の両立がしやすいような環境の整備が行われています。
企業主導型保育園は、2016年度に内閣府が開始した助成制度を利用した運営が行われいるのが特徴です。
その他にも企業主導型保育園には特徴がありますので、
と項目を分けて、企業主導型保育園の特徴について解説していきます。
企業主導型保育園は、自社の従業員の子どもだけでなく、他の事業社と連携して保育園の設置することも可能です。
また、従業員だけでなく、利用定員の50%以内であれば、地域の子どもたちが施設を利用することができます。
企業主導型保育園は、国からの補助金を受けて運営することが可能ですが、助成を受けるためにはさまざまな条件を満たす必要があります。
例えば、助成を受けるためには、一般事業主(子ども・子育て拠出金を負担している事業者)であること、2016年4月以降に新たに保育施設を設置する場合に助成を行うことなどが条件に含まれています。
その他の項目については、「企業主導型保育事業ポータル」の資料に記載されているため、助成を受けられるか確認するとよいかもしれません。
厚生労働省による「家庭的保育事業等の設備及び 運営に関する基準」や「認可外保育施設指導監督基準」を基準として企業保育園の設置を行います。
例えば、保育施設の面積については、1日に保育する乳幼児の数が6人以上の施設の場合は、乳幼児1人当たり1.65㎡以上が必要であるなどの基準が設けられています。
また、事故防止のために乳児と幼児の保育を行う場所を別々に設けることが望ましいなど、子どもの安全面を配慮して設定されているものなので、基準に沿った設置が求められるでしょう。
企業主導型主導型保育園について、子どもの人数によって職員の配置基準を以下のように設けています。
職員の半数以上は保育士の保有者である必要があります。
また、2019年までに助成を受けている企業主導型保育園については、2022年末までの経過措置として、保健師、看護師又は准看護師1人に限り、保育士とみなすことができるとしています。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
子どもの対象年齢の規定は特にないため、企業側が設定しています。
しかし、企業事業者が国からの財政支援である「施設型給付費」を受領するためには、0歳~5歳までの子どもの受け入れが必要となります。
企業主導型保育園を利用料金については、特に規定は設けていませんが、国からの助成金があることで、保育料を低額に設定している運営者もあるようです。
また、2019年に開始した「幼保無償化」によって、企業主導型保育園に通われている方もこれまでの利用料から年齢に応じた一定の金額が減額されます。
契約については、企業と利用者が直接契約を行うものとなっています。
出典:1. 企業主導型保育事業の制度の概要と企業のメリット/内閣府
出典:家庭的保育事業等の設備及び 運営に関する基準/厚生労働省
出典:仕事・子育て両立支援事業の概要 (企業主導型保育事業)//内閣府
企業主導型保育園について解説してきましたが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
企業側、保育士側、利用者側の3つの視点から詳しくみていきましょう。
企業側が企業主導型保育園を設置するメリットは以下の内容が考えられるでしょう。
従業員の働き方に配慮した保育園の運営を行えるということは大きなメリットでしょう。
保育士側が企業主導型保育園に勤務するメリットは以下の内容が考えられるでしょう。
従業員の負担を考えて、一般の保育園よりも行事が少ない園が多く、保育士の負担軽減につながっている場合もあるでしょう。
利用者側が企業主導型保育園に勤務するためのメリットは以下の内容が考えられるでしょう。
企業主導型保育園によっては行事が少ない場合があり、共働きでなかなか子どもと過ごす時間が少ない保護者にとっては、休日に家族で出かけることができ、予定が立てやすいというメリットもあるようです。
待機児童問題の解消や女性の社会進出の促進の後押しとなった企業主導型保育事業の助成制度ですが、実際の現場には課題もあるようです。
企業主導型保育園は、自社の従業員の子どもだけでなく、地域の子どもを預かることが可能です。
しかし、地域の枠内については、全体の子どもの人数の「50%」とする規定があるため、定員に空きがあったとしても、なかなか地域の子どもを受け入れる体制となっていない保育園もあるようです。
定員に空きが多いことで、保育施設の運営が立ち行かない状況となることも考えられるため、地域枠の「50%」のルールは見直しが求められるでしょう。
企業主導型保育園は、職員の半数が保育士であることが求められており、実際に保育士資格を保有しない職員が勤務していることもあるでしょう。
保育の質の維持を考えたときには、やはり子どもの保育活動についてしっかりと勉強した保育士を配置することは重要ではないでしょうか。
運営者はより良い環境の中で保育が行われるように、計画をしっかりと立てたうえで保育の質の向上に向けた取り組みに目を向けることが求められるでしょう。
企業主導型保育園だけでなく、子どもを取り巻く環境の中で保育士不足の問題の解消には至っていません。
働く保育士が少ないことは、保育士ひとりひとりの業務負担も増える場合もあり、離職につながってしまいます。
保育の質の維持のためにも、業務の効率化を目指したICTシステムの導入などを含める環境整備が求められています。
保育施設には幼稚園や保育園などさまざまな種類がある中で、企業主導型保育園と事業所内保育の違いが知りたいという方もいるかもしれません。
企業主導型保育園と事業所保育の大きな違いのひとつが「認可」の違いです。
企業主導型保育園を設置する場合は特に国や市区町村に認可を求める必要がありませんが、事業所内保育は、市区町村の認可が必須となります。
また、設置費や増設費などの助成金についても費用や申請場所が異なるだけでなく、企業主導型保育園は子どもの対象年齢の規定は特にありませんが、事業内保育は制度上0歳から2歳児を対象としています。
このようにさまざまな点で企業主導型保育園と事業内保育所には違いがあるので、細かな部分まで把握することが大切でしょう。
企業主導型保育園の設置によって、子育て環境が整うことで女性が妊娠・出産しやすい社会となり、少子化の改善に向かうのではないでしょうか。
しかし、企業主導型保育園を運営するうえで、保育の質の維持や人材不足の問題は、大きな課題となっています。
子どもをより良い環境で保育するためにも、保育士人材の育成や定着化に向けた取り組みが求められるでしょう。
保育士の業務の効率化を目指したICTシステムを導入や保育計画の見直し、利用者のニーズの把握などさまざまな視点に目を向けて、保育環境の向上を考えていきましょう。
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