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預かり保育とは?幼稚園が通常時間外に子どもたちを保育する制度

預かり保育とは?幼稚園が通常時間外に子どもたちを保育する制度 milatas/Shutterstock.com
幼稚園で通常時間外に子どもを預けることができる「預かり保育」。内閣府の2019年の調査によると幼稚園全体の87.8%が実施しており、需要が高いことがわかります。預かり保育のスケジュールや利用料金、一時保育との違いも含めて詳しく解説します。活用するメリットやデメリットなども紹介しているので、参考にしてみてくださいね。

目次

    預かり保育とは

    預かり保育とは、『幼稚園』が通常時間外に子どもたちを保育する制度です。14時~18時頃まで実施していることが多く、子育てサービスという役割と共に教育活動の一環として、子どもの大切な居場所となります。

    共働き家庭を支えるうえで重要な役割を果たす他、少子化の影響で年齢が異なる子どもたちの交流の機会が減少していることから、子どものコミュ二ケーションや遊びの場として利用している方も増えています。

    預かり保育の利用は園によって違いがあり、「保護者が働いている」など条件を設定している園もあるため、あらかじめ確認する必要があるでしょう。

    幼稚園は夏休みや冬休みなどの長期的な休みがあるため、「友だちと遊ぶことができる預かり保育を利用したい」「仕事中の預け先として活用したい」と考える方も多いかもしれません。

    2019年の調査によれば、預かり保育を実施している幼稚園は全体の87.8%と(公立:70.5%私立:96.9%)需要が高く、これからも利用者が増えることが予想されます。

    預かり保育のスケージュール

    まず、預かり保育を活用する場合のスケジュールを見てみましょう。

    通常のスケジュール

    預かり保育

    早朝保育を行っていない園もあるため、利用時に確認する必要があるでしょう。おやつタイムでは、くだものやビスケットなどのお菓子を用意することがあるようです。アレルギー対応が必要な場合は、必ず園に相談しましょう。

    長期休み(夏・冬休みなど)のスケジュール

    預かり保育長期休みスケジュール

    長期休み中の昼食は給食を頼める場合もあれば、保護者がお弁当を用意するケースもあるようです。各園で形式が異なるため、確かめてから利用しましょう。

    預かり保育の利用料金

    預かり保育の利用料金は、「保育の必要性」を認定された場合、無償化の対象となります。就労要件を満たした場合、3歳~5歳までの園児は月額1万3300円まで無料で利用することができるのです。

    保育の必要性の認定は、通園している幼稚園経由で申請を行います。就労要件はお住まいの地域に確認するとよいでしょう。

    また、預かり保育の利用料金の一例は以下の通りです。

    • 1カ月(定額制):2500円~5000円
    • 1日:400円~1200円
    • 1時間:100円~300円

    長期休みには、通常時とは別に料金設定を用意している場合もあるようです。利用日数に応じて定額制を選ぶべきか迷う保護者の方もいるため、園と相談するとよいでしょう。

    出典:幼稚園における子育て支援活動及び預かり保育の事例集/文部科学省

    出典:幼稚園の預かり保育/内閣府

    幼稚園の預かり保育と保育園の一時保育の違い

    預かり保育という言葉を耳にする一方、「一時保育」という言葉を聞くことも多いでしょう。

    一時保育とは、保育園や託児所などで子どもを一時的に保育することを意味します。

    預かり保育と一時保育の違いを以下の表にまとめてました。

    預かり保育と一時保育の違い

    預かり保育は在園児のみ利用が可能ですが、一時保育は園を利用していない子どもも利用することができるため、この点に大きな違いがあります。

    一時保育は深夜などにも預けることができる施設もあり、ご家庭の事情に合わせて利用しやすいかもしれません。

    出典:一時預かり事業(幼稚園型)について/内閣府

    預かり保育の活動内容

    預かり保育の活動内容を紹介します。

    好きな遊びを楽しむ

    預かり保育はその日によって希望する人数が異なり、保護者のお迎えがくるまで好きな遊びを楽しむことが多いかもしれません。

    ごっこ遊びやお絵描きなど園児が選び、自主的に遊びを展開することで自主性や表現力を育むことにつながるでしょう。

    異年齢の子どもといっしょに楽しむことでいつもとは違った活動となり、遊びの幅も広がりそうですね。

    製作やゲームを行う

    担当職員が製作やゲームなどを促し、参加することもあるようです。ティッシュの箱や折り紙など身近な材料を用意して楽しむこともあれば、園庭で鬼ごっこやかくれんぼを一斉に行うこともあるでしょう。

    普段はたくさんの園児がいるホールも預かり保育を利用している数人で使用することもあり、いつもとは一味違った遊びを楽しめそうですね。

    イベントを開催する

    担当教諭がイベントを企画し、クッキングやカルタ大会などを開催することもあるかもしれません。ひとつのイベントにいっしょに参加することで、異年齢同士の助け合いや交流も多くなりそうです。

    子どもたちにとって特別な経験となり、幼稚園での楽しい思い出が増えそうですね。

    預かり保育のメリット・デメリット

    預かり保育を利用するべきか迷う保護者の方もいるかもしれません。ここで、メリットやデメリットについてお伝えします。

    メリット

    気軽に申し込みができる

    幼稚園での預かり保育は施設内で行うため、気軽に申し込むことができるでしょう。事前に担任の先生に参加を伝え、部屋を移動する際も子どもに先生が声をかけてくれることが多いようです。

    申請方法は、当日の受付を行っていない場合や当日の午前中までに申し出ればよいケースなど園によって違いがあります。

    ルールをしっかり把握して利用するとよいでしょう。

    慣れ親しんだ環境で保育を受けられる

    多くの園児が帰る中、保護者の方がなかなか迎えにこないことで、子どもは寂しさを感じることもあるかもしれません。

    保育活動は普段通っている幼稚園の中で行うため、担任の先生が顔を出したり、様子を見にきたりすることもあるようです。

    ホールや園庭、お部屋などでいつも通りに活動できることで次第に寂しさを忘れ、遊びに集中することができそうですね。

    子どもたちが慣れ親しんだ環境の中で落ち着いて過ごせることで、保護者の方も安心して預けられるでしょう。

    デメリット

    料金がかかる場合がある

    預かり保育の料金は園によって異なることはお伝えしましたが、中には想像していたよりも費用がかかってしまったという場合もあるようです。

    兄弟で利用する場合は、費用も2倍、3倍となることも考えられます。

    「保育の必要性」が認定された場合は無料で利用できるケースもあるため、費用面をきちんと確認することが大切です。

    幼稚園を選ぶ際に預かり保育の料金を重視して決める方もいるようです。

    子どもが預かり保育を楽しめない可能性がある

    子どもの中には早く保護者に会いたくなったり、気分がのらず遊びを楽しめなかったりすると、預かり保育を嫌がることもあるかもしれません。

    特に預かり保育を開始したばかりは、保護者といっしょに過ごしたいという想いから、泣いてしまう子どももいるでしょう。

    環境に慣れることで次第に楽しめるようになりますが、担当保育士が積極的にコミュニケーションを図ったり、楽しい遊びを用意したりと工夫することも必要になります。

    保護者の方は「今日はどんな遊びをしたのかな?」と預かり保育の話を笑顔で話し、子どもの寂しい気持ちを受け止めることも大切にしましょう。

    預かり保育で働くには

    預かり保育の担当職員として働きたいと考える方もいるかもしれません。

    園によって形態に違いがあり、担任や副担任が交代制で対応することもあれば、預かり専門の方が保育を行うケースもあるようです。

    預かり保育を行うことができる必要資格の要件は以下の通りです。

    1. 担当職員の3分の1以上は保育士または幼稚園教諭免許状所有者とする
    2. 教育や保育に関して一定の知識をもつ小学校教諭・養護教諭の配置を可能とする
    3. 幼稚園教諭教職課程および保育士養成課程を履修中の場合で、教育・保育に関して一定の知識をもつ学生を配置可能とする

    上記の要件を園が守ることができれば、無資格の学生の方なども預かり保育の担当職員として働くことが可能となります。しかし、幼稚園の中には有資格者のみを募集しているケースもあるため、興味のある方はお住まいの地域の求人票などを確認するとよいでしょう。

    出典:一時預かり事業(幼稚園型)における担当職員の資格要件の緩和について/内閣府

    預かり保育専門で働くメリット・デメリット

    預かり保育専門で働くべきか迷っている方もいるかもしれません。勤務する際のメリット・デメリットを紹介します。

    メリット

    短時間勤務が可能である

    預かり保育専門で勤務する場合は、14:00~18:00までと就業時間が短くなることが考えられます。

    パート保育士として、短時間働きたい」「大学で勉強しながら子どもと関わる仕事に就きたい」など、希望条件と一致すれば、預かり保育の時間帯は働きやすいですよね。

    子どもと密に関わることができる

    通常の保育時よりも預かり保育を希望するご家庭は少ないことが考えられ、担当する方は子ども一人ひとりと密に関わることができるかもしれません。

    クラス担任の場合、園児全体を見て声かけしたり、指導したりすることも多いでしょう。

    預かり保育では日によって少人数を対象に保育を行うこともあり、精神的な余裕をもちながら、子どもとゆったり過ごすこともできそうですね。

    デメリット

    仕事に物足りなさを感じる可能性がある

    預かり保育では子どもたちが自主的に好きな遊びを見つけ、楽しむことも多いでしょう。一人ひとりと密に関わることができる反面、担任としてより多くの子どもたちと接したいと感じる方もいるかもしれません。

    その場合は預かり保育専門のパート職員などではなく、正社員として働くことも視野に、働いている園に相談したり、転職活動を行ったりするとよさそうです。

    待遇面で不満を抱く場合がある

    預かり保育専門で働く方は短時間勤務が多く、充分な収入が得られない可能性があります。給与設定は時給1000円以内など、園によって違いがあるようです。

    待遇面に不満を感じたまま就業すると、早期離職を考えるきっかけになるため、月額の給与の目安や交通費の支給などもきちんと確認したうえで、応募するとよいでしょう。

    預かり保育で「保育ICTシステム」の活用へ

    預かり保育を担当する保育士は、保育活動の他、園児の出欠確認やおやつ代の集計作業などさまざまな業務をこなすことが考えられます。

    利用する子どもが多い場合は、事務作業に追われ、残業が発生する場合もあるようです。

    担当者の業務負担の削減を目指すためにも、保育ITCシステムを活用するとよいかもしれません。

    保育ICTシステムは、ICカードを利用した出欠確認や担任との園児情報の共有、保護者へのお知らせ配信などさまざまな機能が備わって電子システムです。

    おやつ代や延長保育料の計算も自動で行うことができ、集計作業も簡略化されるでしょう。職員のシフト作成や配置調整などの労務管理にも役立つことから、業務の効率化も期待できそうです。

    導入の際の補助金制度も確立しており、条件を満たすことで費用面も抑えられることから、検討するとよいでしょう。

    預かり保育の活用を検討しよう

    慣れ親しんだ幼稚園で預かり保育を活用すると子どもたちも安心して過ごせるでしょう。園によって利用の時間帯、料金、活動内容に違いがあるため、詳細をきちんと確認することが大切です。

    また、預かり保育専門で働く場合に、無資格の方を募集している可能性もあるようです。子どもが好きな想いはもちろん重要ですが、命を預かる責任の重い仕事となります。業務内容をしっかり把握したうえで、応募するとよいかもしれません。

    預かり保育の概要を知り、地域の保育事情を確認してみましょう。

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