コラム

日々の保育業務に関するお役立ち情報を配信しています。

保育園の避難訓練のポイント!園児には「おかしもち」を伝えよう

保育園の避難訓練のポイント!園児には「おかしもち」を伝えよう maroke/Shutterstock.com
災害時に備えて、定期的に行う必要がある保育園の「避難訓練」。園児にお約束事を伝える際に、「おかしもち」という言葉を活用する園もあるでしょう。避難訓練を行う際の年間計画やマニュアルの作成、災害別の訓練ポイント、「おかしもち」の伝え方やICTシステムの活用方法なども含めて詳しく紹介します。

目次

    保育園の避難訓練とは?

    避難訓練とは、実際の災害にあった場合に、安全に避難できるように避難方法を把握するために行うものです。

    保育園で行う際も災害時に避難できるよう、定期的に訓練を行う必要があるでしょう。

    保育所保育指針の解説において、以下のように明記してあります。

    「避難訓練は、災害発生時に子どもの安全を確保するために、職員同士の役割分担や子どもの年齢及び集団規模に応じた避難誘導等について、全職員が実践的な対応能力を養うとともに、子ども自身が発達過程に応じて、災害発生時に取るべき行動や態度を身に付けていくことを目指して行われることが重要である」

    引用:保育所保育指針解説p338/厚生労働省

    上記の内容を意識しつつ、避難訓練における園児、保育士、保護者に向けて目的をきちんと把握したうえで訓練を行うことが重要です。

    避難訓練におけるそれぞれのねらいを詳しく見ていきましょう。

    園児に向けた目的

    • 保育士の指示をしっかり聞き、安全に避難できるようにする
    • 避難訓練に繰り返し参加することで、手順を把握し、落ち着いて行動する

    災害時は状況によって子どもたちがパニックになったり、泣き出してしまったりすることもあるでしょう。

    日頃から災害を想定して、どのように行動するか慣れておく必要があるため、訓練の大切さを伝えて取り組んでもらいましょう。

    保育士に向けた目的

    • 災害時に冷静な判断ができるように訓練を行う
    • 子どもたちを安全に避難させるために適切な指示を出す
    • 保護者への連絡方法、子どもの引渡し方法を確認する
    • 訓練の大切さを把握し、避難時の問題点なども確認する

    保育士は子どもの命を守るために、冷静な判断を行うことが重要です。

    あらかじめ、避難訓練を通してどのような指示を出せばよいのか、しっかり確認する必要があるでしょう。

    また、訓練を通じて経路や指示方法などに問題などがないかを確かめることも大切です。

    安全に避難できるように改善点を考え、実際の避難を想定してきちんと対応できるように話し合いましょう。

    保護者に向けた目的

    • 災害時の園との情報共有方法の明確化
    • 園とスムーズに連絡を取り合う方法を確認する
    • 家庭で災害にあった場合も避難に備える

    災害時は登園や降園途中、保育園での活動中、家庭にいる場合などさまざまなケースが考えられます。

    保育園での活動時に対応する場合は、保護者と情報を共有を行いながら引き渡し方法についてもしっかり確認する必要があるでしょう。

    また、避難訓練を参観日などで保護者と共に行う園もあるかもしれません。

    事前にどのような指示が必要なのか、職員間で話し合い、保護者と協力して対応できるように努めましょう。

    出典:保育所保育指針解説p338/厚生労働省

     

    避難訓練で「おかしもち」を伝える方法

    避難訓練時のお約束として子どもたちに大切なことを伝える際に「おかしもち」という言葉を用いる保育園は多いかもしれません。

    • お「押さない」
    • か「駆けない(走らない)」
    • し「しゃべらない」
    • も「戻らない」
    • ち「近づかない」

    「おかしもち」という言葉をもとに、実際の災害時に約束を確認できるように、イラストなどといっしょに説明する保育園もあるようです。

    子どもたちが「おかしもち」の意味や言葉を覚えられるように、以下のような声かけをするとよいかもしれません。

    「お」:押さない

    「じしんやかじがおこったときに、べつのばしょににげることがあります。そのときは、まわりのともだちやせんせいをおしたり、ぶつかったりしないようにきをつけようね。

    おしてしまうと、ころんでけがをすることもあるから、せんせいのおはなしをしっかりきいてうごこうね」

    「か」:駆けない(走らない)

    「じしんやかじがおこったときに、こわくなって、はしってにげたくなることもあるよね。でも、はしるとケガをしてしまったり、まいごになってしまったりすることがあります。せんせいのおはなしをよくきいて、みんなでいっしょにうごこうね」

    「し」:しゃべらない

    「じしんやかじのときにこわくなって、「どうしよう!」ってしゃべりたくなることもあるかもしれません。でも、ともだちとしゃべってしまうと、せんせいのおはなしがきこえなくなることもあるでしょう。

    とくに、かじのときは、くちのなかにけむりがからだにはいって、くるしくなることもあるからきをつけようね」

    も:「もどらない」

    「じしんやかじのときに、にげるときにほいくえんのバックやともだちからもらったおてがみなどをわすれて、もどりたくなることもあるかもしれません。
    でも、もどってしまうとほんだながたおれてきたり、ドアがあかなくなったり、あぶないことがおこることもあります。

    おへやにもどるときは、せんせいやえんちょうせんせいがきちんとおはなしするから、そのときにもどろうね」

    ち:「ちかづかない」

    「じしんやかじがおこると、たながたおれてしまったり、火のけむりがおへやにひろがったりすることもあるでしょう。

    ちかづくと、とってもあぶないからきをつけようね」

    「おかしもち」について日頃から園内に約束ごとを掲示したり、月に一度約束を確認する場を設けたりと、避難時に必要な事柄をわかりやすく伝えられるように、工夫するとよいでしょう。

    避難訓練の年間計画とマニュアルの作成方法

    避難訓練を行う際に年間計画や避難経路などを明記したマニュアルの作成が必要でしょう。

    年間計画例

    年間計画を作成することで、避難訓練を実施について見通しが立てやすくなるでしょう。

    以下の内容などを参考にして、計画表を作成するとよいかもしれません。

    年間計画の作成後、さらに詳しい内容を指導案(月案、週案、日案)に明記して、スムーズに避難訓練が進むように努めましょう。

    あらゆる場面を想定して、避難訓練を行うことで実際の災害時に備えることが重要です。

    子どもたちにわかりやすく伝えられるように、避難訓練時は「おかしもち」のお約束を繰り返し伝えるとよいでしょう。

    避難訓練の年間計画例

    マニュアル作成

    避難訓練時に活用できるマニュアルを作成することが大切です。

    保育園は園の規模や施設の場所によって、避難経路や避難場所が異なるため、園独自のマニュアルが必要となります。

    地域の災害ハザードマップなどを確認し、訓練内容や用意するものなどをあらかじめ明記しておくとよいかもしれません。

    災害はいつ起こるかわからないため、新人の保育士さんも理解できるように、わかりやすいマニュアルを作成することが重要でしょう。

    出典:幼稚園における避難訓練・年間指導計画例/東京教育委員会

    災害別の避難訓練のポイント

    災害といっても、地震や火災などさまざまな種類があるため、状況に合わせた避難訓練が必要となるでしょう。

    5つの災害を想定し、重要なポイントを紹介します。

    地震訓練

    日本は地震が多い国として知られていることでしょう。

    今後も幾度となく、地震に遭遇するケースが考えられるため、「もしも」のときに備えて、日頃から訓練することが大切になります。

    地震訓練のポイントは以下の内容です。

    • 窓ガラスが割れることがあるため、窓際から離れる
    • 丈夫なテーブルの下や物が落ちてこない、倒れてこない空間に移動し、揺れがおさまるまで様子を見る
    • 慌てて外に飛び出さないように適切な指示を行う
    • エレベーターがある保育施設は使わないように注意する
    • 子どもたちにヘルメットや防災頭巾などをかぶせ、長袖の上着を着せたり、靴を履かせたりして安全に避難できるよう行動する
    • 人数を確認する

    ホールや廊下など大きな空間で地震に遭遇した場合は、中央に集まり、しゃがむとように指示するとよいでしょう。

    また、教室などは机の下など頑丈な物の下に隠れるとよいのですが、人数分の机が用意されていない事態もあるかもしれません。

    自由保育中、製作活動中などあらゆる場面を想定して、適切に避難できるように準備することが重要です。

    火災訓練

    火災訓練では、園の調理室や近隣で火事が起きた場合などを想定して、以下のポイントに気をつけるとよいでしょう。

    • 職員同士で火元の確認、共有を行う
    • 子どもたちを安全な場所に集め、園外に誘導する
    • ぬれたハンカチやタオルなどで鼻と口を覆い、低い姿勢で移動し、煙を吸わないように指示する
    • 火災の拡大を防ぐために、できるだけ、窓やドアを閉める
    • 可能な場合は消火器などで消化活動を行う
    • 火事の通報を行う

    避難経路を確保し、できるだけ早く子どもたちを園外に誘導するように努めるとよいでしょう。

    ガラスの破片などが飛び散っているケースもあるため、足元に気をつけてスムーズに移動できるように心掛けましょう。

    水害訓練

    台風や津波などで水害が起きる場合を想定して避難訓練を行うことは大切です。

    天気予報をチェックしたり、地域の水害ハザードマップなどを確認して、避難場所の確認などをきちんと行い、災害時に備えましょう。

    水害に向けた避難訓練のポイントは以下の通りです。

    • 状況によって保護者と連絡を取り、子どもの引き渡しをスムーズに行う
    • 洪水に備えた避難経路を確保する

    水害は地域の状況を適切に把握し、避難場所まで園児を誘導することが大切になるでしょう。

    スムーズに情報を共有できるように、情報伝達体制をきちんと確立しておくことも必要でしょう。

    不審者訓練

    地震や火災の災害以外に、園内に不審者が侵入するケースもあるかもしれません。

    被害を最小限に抑えるために以下の内容に気をつけて避難するとよいでしょう。

    • 子どもたちを安全な場所に誘導する
    • 警察に通報する
    • 保護者への情報共有、子どもの引渡しを行う

    不審者の侵入を防ぐために、施設のドアの開錠する際は、来客者の名前や用途などを尋ね、安全対策に努めましょう。

    また、地域の不審者情報などを随時確認し、現状を把握することも大切です。

    出典:消防庁 防災マニュアル/総務省消防庁

    出典:風水害対策 /総務省消防庁

    【子ども向け】避難訓練の大切さを伝える方法

    避難訓練の大切さをどのように伝えるべきか迷う保育士さんもいるでしょう。

    子どもたちの年齢に合わせて、わかりやすくお話しできるように心がけるとよさそうです。

    絵本やペープサートなどを活用する

    まずは、子どもたちに災害の備えがいかに大切なのかを伝える必要があるでしょう。

    興味や関心を持ってもらうために、絵本やペープサート、パネルシアターなどを用意するとよいかもしれません。

    子どもたちが慣れ親しんだ動物を登場させたり、避難場所を描いた絵本を手作りしたりして、工夫するとよいでしょう。

    また、命を守る大切さなどを伝えられるように、職員同士で話し合う場を設けると、さまざまなアイデアが出て、活用しやすいかもしれません。

    保育士が劇で伝える

    子どもたちが災害発生時のイメージがつきやすいように、保育士が園児役を担当するなど、劇を通して避難訓練を紹介するとよいでしょう。

    災害が起きた場面から避難の場面などを想定し、リアリティのある演技をすることで子どもたちもわかりやすいかもしれません。

    職員同士で協力して劇を行うことで、お互いの防災意識が高まることも期待できるでしょう。

    【保育士向け】避難訓練をスムーズ進める方法

    保育士さん向けに避難訓練をスムーズに進めるための方法を紹介します。

    防災グッズを用意する

    災害時に持ち出しの品をリュックに懐中電灯やおんぶ紐などの防災グッズをあらかじめまとめておくとよいでしょう。

    園児名簿や救急用品など必要なものを確認し、緊急時に対応する電話番号の一覧などを作成しておくことでスムーズに活用できるようです。

    ICTシステムを活用する

    災害時に保護者や職員と連携を取る場合にICTシステムを活用するとよいかもしれません。

    ICTシステムは、パソコンやタブレットを利用して園児情報の管理、職員の労務管理などを行うことができます。

    保護者や職員へのお知らせ機能なども備わっており、メールの一斉送信などを行うことができるから、災害時に備えて導入を検討するとよいでしょう。

    子どもたちの命を守るうえで、保護者との情報共有は必要不可欠です。

    電力が使用できない場合に備えて、緊急時のポータブル電源なども常備して、ICTシステムを有効活用しましょう。

    保育園の避難訓練に備えよう

    保育園で日頃から避難訓練を行い、災害時にスムーズに行動できるように備えることが大切です。

    子どもたちの年齢に合わせて、どのような避難経路で避難するべきか、どのような指示が必要なのかを明確にしましょう。

    また、防災意識を高めるために、職員に向けて研修を行ったり、保護者と防災について話し合ったりする機会を設けることも重要かもしれません。

    保護者向けのお便りなどで避難訓練の様子や重要事項などを発信し、情報の共有なども積極的に行っていきましょう。

    お電話でも無料相談受付中!

    0120-992-680

    受付時間:月〜金 10:00〜18:00(土日祝を除く)

    関連記事

    こちらの記事もおすすめ

    キズナコネクトは、保育業務の課題を解決するためのICT支援システムです。
    労務管理や保育料計算など保育経営に重点を置いた機能が特徴で、
    業務の効率化やサービスの向上を実現いたします。
    ICT支援システムの導入で働きやすい職場環境にしてみませんか?

    サービスを詳しく知りたい方はこちら