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児童票の保育経過記録の書き方とは?年齢別4つの例文やNG表現も

児童票の保育経過記録の書き方とは?年齢別4つの例文やNG表現も maroke/Shutterstock.com
子どもの保育経過や在籍状況を把握するために大切な「児童票」。子どもたちの育ちを記録するうえで、一人ひとりの性格や特性をわかりやすく書くことが大切です。中には文章が上手くまとまらず、不安を抱く保育士さんもいるかもしれません。児童票の保育経過記録の4つ例文・0歳〜5歳までの書き方のポイントを詳しく解説します。

目次

    児童票とはどんなもの?

    児童票とは、子ども一人ひとりの在籍記録、成長過程や保育経過などを簡潔にまとめたものです。個人記録とも呼ばれ、保育をするうえで大切な書類のひとつになります。

    「家族構成」や「出席状況」「罹患状況」などの健康に関わる内容や運動、人間関係の構築など発達に関わる事柄を記載します。

    育ちに関する記録は「保育経過記録」「個人経過記録」と呼ばれ、子どもたちの成長をまとめる必要があります。

    児童票に保育経過を詳しく書けば、進級時の引継ぎに役立てたり、子どもの状況を振り返ったりと保育の質を保つための指標となるでしょう。

    厚生労働省の資料によれば、児童票に最低限記載すべき内容は以下の通りです。

    児童票の項目

    出典:2019年 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書/厚生労働省からの抜粋

    上記は基本的な項目となりますが、各保育施設で内容に違いがあるため、方針に沿って作成します。

    その際に「成長の記録を簡潔に書けない」「文章をまとめることが苦手」と不安に感じる保育士さんもいるでしょう。児童票の書き方のポイントを知り、子どもたちの成長をしっかり記録していきましょう。

    出典:2019年 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書/厚生労働省

    児童票の書き方のNG表現や注意点

    まずは児童票の保育経過記録の書き方のポイントを紹介します。

    ネガティブ表現はNG・誤字脱字チェック

    子どもたちの様子をネガティブな表現で表すことは避けましょう。

    例えば、「友だちとケンカをして仲が悪くなったが仲直りしていた。」という場合もそういった内容を記載するのではなく、「友だちと言い合いになる中で、自分の意思を伝えることができていた。自分たちで解決して仲よく遊ぶ姿が見られた」といった肯定的な文章を意識して記載するとよいですね。

    また、食べさせた、着替えさせたといった「~させた」という表現や「指示した」といった表現もNGです。

    読み返す際にそういった表現が使用されていないかも確認していきましょう。

    最後に誤字脱字チェックを行う際は「作成後に時間をおいて読み返す」「音読する」などやり方を工夫するとよいでしょう。

    子どもの「育ち」を簡潔にメモ

    保育活動中に子どもの様子を観察して気づいたことはできるだけメモを取りましょう。

    また、保育活動中は時間がないことを考慮して「時間」や「人」「できごと」を単語のみでメモすると、時間をかけずに要点をまとめた内容になります。

    例えば、

    「Aちゃんは自分で靴を履くために一生懸命頑張っていた。靴を履けたときはとてもよろこんでいた」

    という状況に気づいた場合、

    「時間:外遊び準備中 人:Aちゃん できごと:靴をはけてよろこぶ→成長を感じる」

    といったように簡潔にまとめるとよいでしょう。こういったスキルを身につけると、児童票を書く際も事柄をまとめる練習になりそうです。

    また、クラスの人数が多く、なかなか子ども一人ひとりの様子を把握しきれないという場合もあるようです。

    保育活動中に「この週は○○グループを中心に見てみよう」など計画をきちんと立てると、個別の様子を観察しやすいかもしれません。

    保育の5領域を意識する

    保育施設では、保育所保育指針の5領域である「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」に基づいて保育を行うことが大切になります。

    保育所保育指針解説などを読み、保育に必要な指標を把握していきましょう。

    園の中には「子どもたちの『人間関係』に特化して児童票を記載する」など独自の方針がある場合もあります。そのような決まりなどがないケースは、まずは5領域を意識して書く内容をまとめ、一人ひとりの特性を考えて記載内容を考えるとよさそうです。

    出典:保育所保育指針解説/厚生労働省

     

    具体的なエピソード記入する

    児童票にはその子の特性や個性などが把握しやすいように、具体的なエピソードを記入することが大切です。

    子どもが年長児になれば、「保育所児童保育要録」という保育所での育ちをまとめた記録を小学校に提出します。

    児童票や連絡帳などを振り返って作成するため、児童票には子どもそれぞれの特徴やエピソードを詳しく記録していきましょう。

    例は以下の通りです。

    • 「赤」や「黄色」といった色のついたおもちゃに興味を示し、じっと見たり、触ってみたりして感触遊びを楽しんでいた。
    • 跳び箱に挑戦し、少しずつできるようになると自信がついた様子だった
    • 友だちと言い合いになったときに自分の意思をきちんと伝えることができるようになった。

    上記のように子どもたちが「興味を示したこと」「できるようになったこと」などをエピソードとともに記載するとよいですね。

    書き方のポイントを抑えたところで、0歳~5歳別の児童票の保育経過記録の記入例を紹介します。

    【例文】児童票の書き方:0歳

    0歳児の保育経過記録の記入例を紹介します。

    0歳児はねんね時期やハイハイ時期など身体の発達段階によって気づく内容も異なるかもしれません。子どもたちの様子をよく観察して記載していきましょう。

    • 入園当初は保護者と離れるときは少し不安そうな様子があったが、担当保育士が声をかけたり、抱っこしたりするうちに笑顔で遊びを楽しむ時間が増えた。午睡中に何度か目を覚ますが背中をさすると落ち着いて寝ることができていた。
    • お座りができるようになってから指先を使った遊びを楽しむことが多く、紐を引っ張ったり、シールをはがしたりして遊んでいた。離乳食はなかなか進まない時期もあったが手づかみで少しずつ食べるようになった。
    • 袋遊びが好きで「カシャカシャ」という音の響きを楽しんで何度も繰り返し遊んでいた。保育士と手遊びすると「アー」「ウー」と喃語を話しながら、スキンシップを楽しんでいた。
    • 伝い歩きから歩くようになるまで転びそうになりながら何度もチャレンジしていた。保育士が声をかけるとうれしそうに後を追う姿が見られた。離乳食が順調に進み、好き嫌いなく完食することが多かった。

    【例文】児童票の書き方:1歳

    1歳児の保育経過記録の記入例を紹介します。

    1歳児クラスでは歩くことができるようになる子も増え、行動範囲が広がる時期でしょう。主に興味のある遊びや保育士との関わりについてまとめることが大切です。

    • 保育士と手遊びを繰り返し楽しみ、リズムにあわせて身体を揺らす姿があった。音に興味を持ち、太鼓やピアノのおもちゃを楽しんでいた。
    • 入園当初よりもひとりで集中して遊ぶことが増えた。散歩中には草花に興味を持ち、外遊びを楽しむ様子が見られた。
    • リトミックの時間に動物の真似をしてポーズをとることを楽しんでいた。スプーンやフォークを使えるようになると離乳食が進み、好き嫌いも減った。
    • 1歳3カ月にはおむつが濡れると指を指して教えてくれるようになった。午睡中は自宅から持ってきたタオルに触ると安心している様子でよく握りしめていた。3歳児クラスの兄がいる保育室によく遊びに行く姿見られた。

    【例文】児童票の書き方:2歳

    2歳児になると言葉が少しずつ増え、自分のやりたいことを主張する子も多いでしょう。保育経過記録では「園生活の中でできるようになったこと」や「友だちとの関わり」なども記入するとよいでしょう。

    • 4月の入園当初は泣いていたが、ブロックや車など好きなおもちゃを友だちと接しながら楽しく遊ぶことが増えた。ひとりでトイレに行けるようになり、着替えや食事を自分でしようと頑張っている。
    • 人形遊びやごっこ遊びを楽しむことがよく見られた。外遊びが好きでブランコやすべり台などの遊具で遊びながら身体を動かしていた。靴をひとりで履けたときは笑顔で報告していた。
    • 入園当初は少食だったが、少しずつ食べる量も増えていった。散歩中に草花を見つけることが好きでよく植物の絵本を見ていた。「これなあに?」とさまざまなものを指さす姿が見られ、保育士が「〇〇だよ。」というと真似をして話していた。
    • 進級時は環境が変わることに不安な様子で泣いている姿があったが、保育士が手をつなぐと安心して活動に参加していた。友だちとの意思疎通が難しい時期もあったものの、少しずつ自分の気持ちを言葉で表すようになり、関わる機会も増えた。

    【例文】児童票の書き方:3歳

    3歳児クラスではルールのある遊びができるようになったり、友だちとさまざまなことに挑戦したりとさまざまな成長が見られるでしょう。

    友だちとの関わりを中心にそれぞれの子どもの性格や興味のあることなどを記入するとよいかもしれません。

    • 動物が好きで友だちと動物の鳴きまねをしたり、歌を歌ったりして遊ぶ姿が見られた。服のボタンをしめることに興味を持ち、時間をかけてボタンをしめていた。着替えが上手にできないと泣いていたが、最後まで着ようと頑張っていた。
    • 折り紙に興味を持ち、自由遊びではいろいろな折り紙を折っていた。友だちとごっこ遊びをしているときは役が決まらずに言い合いになることもあったが、保育士が仲介に入ると謝って友だちと遊ぶ姿が見られた。
    • 野菜の好き嫌いを少しずつ克服しようと頑張る姿があった。フォークで小さく刻んで食べたり、好きな食材といっしょに食べたりと工夫していた。タンバリンやカスタネットといった楽器遊びに興味を持ち、友だちと歌を歌いながら楽しんでいた。
    • 身体を動かすことが好きで、なわとびやボール遊びなどを楽しむ姿が見られた。短距離走をして友だちに負けたときは悔しそうに泣いている姿もあった。なにごとも一生懸命に取り組み、最後まで頑張ろうという気持ちで臨んでいた。

    【例文】児童票の書き方:4歳

    4歳児になると身の回りのことも少しずつできるようになるでしょう。自ら遊びを工夫して行うことも増え、周囲の人々と関わりながら社会性を身につけていく時期かもしれません。

    友だちとのエピソードや成長したことにふれながら保育経過記録を作成していきましょう。

    • ごっこ遊びで使うアイテムを工夫しながら手作りしていた。ときには強い口調で意志を伝える姿もあったが、友だちが上手に作れずに泣いていると頭をなでながら手伝っていた。降園時には忘れ物がないか自ら確認していた。
    • 友だちと鬼ごっこをする際は言い合いになることもあったが自ら解決して、遊ぶ姿があった。運動会の踊りを一生懸命練習して、本番は元気よく踊ることができて達成感を味わっている様子だった。
    • 1歳児の弟とよく遊んでいて積極的に抱っこしたり、お世話をしたりと仲睦まじい様子だった。公園遊びでは石を集めて友だちと見せ合い、積み重ねたり、遊びに使ったりと工夫して遊んでいた。
    • 運動会や生活発表会では友だちに声をかけて一生懸命練習する姿が見られた。虫に関する絵本や図鑑に興味を持ち、学んだ内容を保育士に教えてくれていた。作品展に向けて集中して取り組み、工作が好きな様子だった。

    【例文】児童票の書き方:5歳

    5歳児クラスでは複雑なルールの遊びができるようになったり、さまざまな事柄に挑戦したりと遊びの幅が広がる時期でしょう。

    仲のよい友だちとグループで遊ぶことも増えるかもしれません。小学校との接続を考えて1年間の成長を記入していきましょう。

    • 文字や数字の読み書きに興味を持ち、友だちと手紙のやりとりを楽しんでいた。交流遠足では2歳児と手をつないだり、頭をなでたりしてお世話をしていた。自分の気持ちを表現することが難しい場面もあったが、友だちに少しずつ意思を伝えながら遊ぶ様子が見られた。
    • 花や虫に興味を持ち、自然遊びを楽しむ姿が見られた。クレヨンや色鉛筆を使ってたくさんの絵を描いて友だちと見せ合っていた。大掃除のときは友だちと声をかけながら協力して行っていた。
    • 「おはよう」と元気よく挨拶して笑顔で登園していた。嫌いな食べ物にチャレンジする友達を応援する姿が見られた。生活発表会では友だちと大きな声を出す練習をしたり、セリフを確認したりと一生懸命取り組む姿が見られた。
    • 運動会で披露したダンスをアレンジして、お楽しみ会でも元気よく踊っていた。身体を動かすことが好きで友だちとアイデアを出し合いながら鬼ごっこやゲームのルールを変えて遊んでいた。絵本を読むことが好きで園の図書館ではたくさんの本を借りていた。

    ICTシステムを活用した児童票の作成のメリット

    児童票は子どもたちの成長を記録するうえで重要なものですが、書くことに時間がかかることもあるでしょう。

    そこで書類作成に活用できるICTシステムが注目されています。

    ICTシステムとはパソコンやタブレット、携帯電話を活用して保育士さんの事務作業を効率化できる電子システムです。

    児童票の作成において、ICTシステムを活用するメリットを紹介します。

    テンプレートを活用できる

    児童票の書き方は長文でまとめて記載する場合もあれば、保育の5領域に沿って「健康」「人間関係」「環境」「といった項目別に記入するなど違いがあるようです。

    保育のICTシステムの中には児童票のテンプレートがあり、児童票が簡単に作成できるものもあります。文字入力で作成するため、「消して書く」といった修正作業も不要となるでしょう。

    テンプレートを活用すれば、児童票の作成がスムーズに進みそうですね。

    業務を効率化できる

    児童票は日々の保育記録やメモ、連絡帳などを見ながらまとめる方が多いようですが、ICTシステムで一括管理すると業務の効率化に役立ちそうです。

    児童票を書く際に一つの画面でさまざまな情報を見ることができれば、資料を探す手間も省けて、情報の整理もしやすいでしょう。

    業務を効率的にこなすと、保育士さんの残業時間の短縮や業務負担の軽減に繋がることが考えられます。

    職員同士の共有が簡略化できる

    児童票は子どもたちの様子が詳しく記入しているものなので、進級時に次の担任に園児情報を引き継ぐ場合に役立つでしょう。

    ICTシステムを活用するとクリックするだけで、児童票を職員同士で簡単に共有することができるようです。

    ときには急に担任が辞めてしまい、後任の保育士さんが児童票の記載に困るケースもあるでしょう。あらかじめICTシステムを活用すると保育記録を一括管理することができるため、前担任が記録したものを確認しやすいというメリットもあります。

     

    子どもの性格や特徴を捉えて児童票の保育経過記録を作成しよう

    児童票の保育経過記録は子どもたちの大切な成長の記録です。

    子どもたち一人ひとりの性格や個性を表せるように普段からメモを取ったり、観察したりして簡潔にまとめられるとよいですね。

    また、ICTシステムなどを活用すれば、効率的に作成することができそうです。

    1年間の保育活動を振り返りながら児童票を作成して子どもたちの成長記録を残していきましょう。

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