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児童票の保育経過記録の書き方とは?年齢別4つの例文やNG表現も
目次
児童票とは、子ども一人ひとりの在籍記録、成長過程や保育経過などを簡潔にまとめたものです。個人記録とも呼ばれ、保育をするうえで大切な書類のひとつになります。
「家族構成」や「出席状況」「罹患状況」などの健康に関わる内容や運動、人間関係の構築など発達に関わる事柄を記載します。
育ちに関する記録は「保育経過記録」「個人経過記録」と呼ばれ、子どもたちの成長をまとめる必要があります。
児童票に保育経過を詳しく書けば、進級時の引継ぎに役立てたり、子どもの状況を振り返ったりと保育の質を保つための指標となるでしょう。
厚生労働省の資料によれば、児童票に最低限記載すべき内容は以下の通りです。
出典:2019年 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書/厚生労働省からの抜粋
上記は基本的な項目となりますが、各保育施設で内容に違いがあるため、方針に沿って作成します。
その際に「成長の記録を簡潔に書けない」「文章をまとめることが苦手」と不安に感じる保育士さんもいるでしょう。児童票の書き方のポイントを知り、子どもたちの成長をしっかり記録していきましょう。
出典:2019年 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書/厚生労働省
まずは児童票の保育経過記録の書き方のポイントを紹介します。
子どもたちの様子をネガティブな表現で表すことは避けましょう。
例えば、「友だちとケンカをして仲が悪くなったが仲直りしていた。」という場合もそういった内容を記載するのではなく、「友だちと言い合いになる中で、自分の意思を伝えることができていた。自分たちで解決して仲よく遊ぶ姿が見られた」といった肯定的な文章を意識して記載するとよいですね。
また、食べさせた、着替えさせたといった「~させた」という表現や「指示した」といった表現もNGです。
読み返す際にそういった表現が使用されていないかも確認していきましょう。
最後に誤字脱字チェックを行う際は「作成後に時間をおいて読み返す」「音読する」などやり方を工夫するとよいでしょう。
保育活動中に子どもの様子を観察して気づいたことはできるだけメモを取りましょう。
また、保育活動中は時間がないことを考慮して「時間」や「人」「できごと」を単語のみでメモすると、時間をかけずに要点をまとめた内容になります。
例えば、
「Aちゃんは自分で靴を履くために一生懸命頑張っていた。靴を履けたときはとてもよろこんでいた」
という状況に気づいた場合、
「時間:外遊び準備中 人:Aちゃん できごと:靴をはけてよろこぶ→成長を感じる」
といったように簡潔にまとめるとよいでしょう。こういったスキルを身につけると、児童票を書く際も事柄をまとめる練習になりそうです。
また、クラスの人数が多く、なかなか子ども一人ひとりの様子を把握しきれないという場合もあるようです。
保育活動中に「この週は○○グループを中心に見てみよう」など計画をきちんと立てると、個別の様子を観察しやすいかもしれません。
保育施設では、保育所保育指針の5領域である「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」に基づいて保育を行うことが大切になります。
保育所保育指針解説などを読み、保育に必要な指標を把握していきましょう。
園の中には「子どもたちの『人間関係』に特化して児童票を記載する」など独自の方針がある場合もあります。そのような決まりなどがないケースは、まずは5領域を意識して書く内容をまとめ、一人ひとりの特性を考えて記載内容を考えるとよさそうです。
児童票にはその子の特性や個性などが把握しやすいように、具体的なエピソードを記入することが大切です。
子どもが年長児になれば、「保育所児童保育要録」という保育所での育ちをまとめた記録を小学校に提出します。
児童票や連絡帳などを振り返って作成するため、児童票には子どもそれぞれの特徴やエピソードを詳しく記録していきましょう。
例は以下の通りです。
上記のように子どもたちが「興味を示したこと」「できるようになったこと」などをエピソードとともに記載するとよいですね。
書き方のポイントを抑えたところで、0歳~5歳別の児童票の保育経過記録の記入例を紹介します。
0歳児の保育経過記録の記入例を紹介します。
0歳児はねんね時期やハイハイ時期など身体の発達段階によって気づく内容も異なるかもしれません。子どもたちの様子をよく観察して記載していきましょう。
1歳児の保育経過記録の記入例を紹介します。
1歳児クラスでは歩くことができるようになる子も増え、行動範囲が広がる時期でしょう。主に興味のある遊びや保育士との関わりについてまとめることが大切です。
2歳児になると言葉が少しずつ増え、自分のやりたいことを主張する子も多いでしょう。保育経過記録では「園生活の中でできるようになったこと」や「友だちとの関わり」なども記入するとよいでしょう。
3歳児クラスではルールのある遊びができるようになったり、友だちとさまざまなことに挑戦したりとさまざまな成長が見られるでしょう。
友だちとの関わりを中心にそれぞれの子どもの性格や興味のあることなどを記入するとよいかもしれません。
4歳児になると身の回りのことも少しずつできるようになるでしょう。自ら遊びを工夫して行うことも増え、周囲の人々と関わりながら社会性を身につけていく時期かもしれません。
友だちとのエピソードや成長したことにふれながら保育経過記録を作成していきましょう。
5歳児クラスでは複雑なルールの遊びができるようになったり、さまざまな事柄に挑戦したりと遊びの幅が広がる時期でしょう。
仲のよい友だちとグループで遊ぶことも増えるかもしれません。小学校との接続を考えて1年間の成長を記入していきましょう。
児童票は子どもたちの成長を記録するうえで重要なものですが、書くことに時間がかかることもあるでしょう。
そこで書類作成に活用できるICTシステムが注目されています。
ICTシステムとはパソコンやタブレット、携帯電話を活用して保育士さんの事務作業を効率化できる電子システムです。
児童票の作成において、ICTシステムを活用するメリットを紹介します。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
児童票の書き方は長文でまとめて記載する場合もあれば、保育の5領域に沿って「健康」「人間関係」「環境」「といった項目別に記入するなど違いがあるようです。
保育のICTシステムの中には児童票のテンプレートがあり、児童票が簡単に作成できるものもあります。文字入力で作成するため、「消して書く」といった修正作業も不要となるでしょう。
テンプレートを活用すれば、児童票の作成がスムーズに進みそうですね。
児童票は日々の保育記録やメモ、連絡帳などを見ながらまとめる方が多いようですが、ICTシステムで一括管理すると業務の効率化に役立ちそうです。
児童票を書く際に一つの画面でさまざまな情報を見ることができれば、資料を探す手間も省けて、情報の整理もしやすいでしょう。
業務を効率的にこなすと、保育士さんの残業時間の短縮や業務負担の軽減に繋がることが考えられます。
児童票は子どもたちの様子が詳しく記入しているものなので、進級時に次の担任に園児情報を引き継ぐ場合に役立つでしょう。
ICTシステムを活用するとクリックするだけで、児童票を職員同士で簡単に共有することができるようです。
ときには急に担任が辞めてしまい、後任の保育士さんが児童票の記載に困るケースもあるでしょう。あらかじめICTシステムを活用すると保育記録を一括管理することができるため、前担任が記録したものを確認しやすいというメリットもあります。
児童票の保育経過記録は子どもたちの大切な成長の記録です。
子どもたち一人ひとりの性格や個性を表せるように普段からメモを取ったり、観察したりして簡潔にまとめられるとよいですね。
また、ICTシステムなどを活用すれば、効率的に作成することができそうです。
1年間の保育活動を振り返りながら児童票を作成して子どもたちの成長記録を残していきましょう。
ご入力のメールアドレスに資料を
お送りいたします。
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