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食育ってなに?食育基本法を解説!家庭や保育園での取り組み

食育ってなに?食育基本法を解説!家庭や保育園での取り組み maroke/Shutterstock.com
近年、保育園や学校、家庭などで重要視される「食育」という言葉。どのような意味があるのか気になる方もいるかもしれません。食育はを乳幼児期から取り組むことで、子どもたちの健やかな育成につながるといわれています。食育の概要や2005年に策定された食育基本法についても詳しく紹介します。家庭や保育園での実践ポイントもまとめました。

目次

    食育とは

    食育とは、人間が健全な食生活を送ることができるよう、さまざまな経験を通じて「食」への知識や興味を育むことを示します。

    国のさまざま機関においても、食育について以下のように説明しています。

    • 農林水産省:食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけられる
    • 文部科学省:成長期の子どもに対する食育は、子どもたちが一生涯にわたって健やかに生きていくことができるよう、その基礎をつくるために行われるもの
    • 厚生労働省:「食育」は、保育所保育指針を基本とし、食を営む力の基礎を培うこと

    出典:食育とは/農林水産省からの抜粋・出典:食育ってなに?/文部科学省からの抜粋

    出典:『楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~』/厚生労働省からの抜粋

    乳幼児期からあらゆる「食」に関する知識や理解を深め、食への関心を高めることが重要です。

    近年は保育園や幼稚園などで「食育」を学ぶ機会を取り入れ、食べ物を頂くことへの感謝の気持ちや食事のマナーなどを伝える取り組みも行われています。

    また、各地域の特産物や歴史にふれ、日本の食文化が受け継がれていくことも大切でしょう。

    出典:食育とは/農林水産省・出典:食育ってなに?/文部科学省

    出典:『楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~』/厚生労働省

    食育基本法とは

    食育基本法とは、2005年に農林水産省が食育に方針を定めた法律になります。7つの基本理念と施策を通して、食育の推進の重要性を明記しています。

    食育基本法の内容を詳しく見ていきましょう。

    目的

    「食育を推進し、健康な心身を培い豊かな人間性を育み、施策を計画的に進める」

    食育基本法は国民の健やかな健康を願って策定された法になります。国はもちろん、地方公共団体や教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者など幅広い業種の方に向けて食育の推進を促しています。

    7つの基本理念

    食育基本法における7つの基本理念は以下の通りです。

    • 第2条:国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成
    • 第3条:食に関する感謝
    • 第4条:食育推進運動の展開
    • 第5条:子どもの食育における保護者、教育関係者等の役割
    • 第6条:食に関する体験活動と食育推進活動の実践
    • 第7条:環境と調和した生産等への配慮及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献
    • 第8条:食品の安全性の確保等における食育の役割

    食を取り巻く環境が変化する中で、食の安全性の確保や食料自給率の向上なども重要視されています。未来を担う子どもたちの食生活を守ることも大切な取り組みのひとつとなるでしょう。

    7つの基本的な施策

    食育基本法の7つの基本的な施策は以下の通りです。

    • 第19条:家庭における食育の推進
    • 第20条:学校、保育所等における食育の推進
    • 第21条:地域における食生活の改善のための取組の推進
    • 第22条:食育推進運動の展開
    • 第23条:生産者と消費者の交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等
    • 第24条:食文化の継承のための活動への支援等
    • 第25条:食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、
    • 第33条:研究、情報の提供及び国際交流の推進

    このように食育基本法は家庭や学校など環境にあわせ、具体的な施策を計画的に進めることで、食育の推進を図っています。

    特に近年は自然災害も多いことから、農林漁業の活性化は重要な課題のひとつになります。食育を進めるうえで生産者を守り、消費者との交流の促進を図ることが必要になるでしょう。

    また、昨今はまだ食べることができる食材が捨てられる「食品ロス」が大きな問題となっています。対策をするためにも、乳幼児期から食育に取り組み、食べ物の大切さを伝えていきましょう。

    出典:食育基本法の体系/総務省

    食育を実践するポイント:家庭編

    食育は乳幼児期からの取り組みが重要なことから、家庭における実践ポイントを紹介します。

    乳児期

    乳児期は離乳食が始まる時期。子どもの月齢にあわせてお米や魚などさまざまな食材をすりつぶして、様子を見ながら離乳食を進めていきます。

    まずは食事をする楽しさを伝えられるよう、野菜を題材にした絵本を読んだり、おままごとで料理を楽しんだりと遊びから「食」に興味をもてるように工夫できるとよいですね。

    食事の時間は家族と過ごす大切なひとときであることも感じられるよう、笑顔あふれる食卓にしましょう。

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    幼児期

    幼児期は「食べ物の好き嫌いが多い」「少食が気になる」など子どもの食事に対して不安を抱く方も多いかもしれません。

    食生活を積み重ねる中で次第に食べられるものも増えていくことが考えられます。苦手な食べ物があれば、調理方法や食材の組み合わせなどを変えて工夫するとよさそうです。

    また、子どもとスーパーや青果店に訪れ、「ピーマンは赤や黄、緑いろいろな色があって面白いね!」「たくさん魚の種類があるんだね。」など、食材に関する会話をすることも大切でしょう。子どもが食に対して発見や関心を持つきっかけになりそうですね。

    児童期

    小学生になると食べたいものや好きなものを自分で選ぶ子どもも多いでしょう。家庭では栄養バランスが偏らないように、食事を用意することが大切になります。

    いっしょに料理をしたり、野菜や果物のクイズを楽しんだりと食育を通してコミュニケーションを図ることも重要ですね。

    また、お住まいの地域ならではの食文化を楽しみ、名産物を調べるなど美味しく食べる調理方法などもいっしょに考えられるとよいでしょう。

    食育を実践するポイント:保育園編

    子どもの食生活を支える保育園での食育の実践ポイントを紹介します。

    0歳児~1歳児

    0歳児~1歳児の時期は、離乳食が始まり、子ども一人ひとりの発育にそって進めることが大切になります。

    保育士は園児が規則正しく食事をとれるよう、生活リズムが整えることが重要でしょう。

    また、子どもにとって保育園ははじめて集団生活を送る場となります。野菜の手遊びをしたり、給食の歌を歌ったりして、友だちといっしょに食事をする楽しさも伝えられるとよいですね。

    2歳児~3歳児

    2歳児~3歳児の時期は言葉も増え、行動範囲も広がることでしょう。食欲にムラがあったり、食べ物の好き嫌いがあったりと食事に関して個人差を感じる場合もあるかもしれません。

    保育士さんは芋掘りといった自然体験や食に関する絵本の読み聞かせを積極的に行いましょう。食べ物を大切にする気持ちを育めるような活動を取り入れるとよさそうです。

    4歳児~5歳児

    4歳児~5歳児は、友だちとの関わりが広がり、自分の身の回りのことができるようになる時期でしょう。

    保育園では食に関するゲームやクイズを取り入れ、子どもたちの興味や関心を持つ機会を考えるとよさそうです。

    また、野菜や果物を使い、クッキングにチャレンジすると、友だちと料理する楽しさも感じることができそうですね。

    子どもたちの健やかな健康を「食育」で支えよう

    日頃から子どもたちの健全な育成に向けて食育に取り組むことが大切になります。

    子どもとコミュニケーションをとる中で遊びに取り入れたり、学ぶ機会を設けたりして食に関するさまざまな事柄を伝えていきましょう。

    また、食育を進めるうえで「食べ物はどうやって作っているの?」「魚はどこで捕っているの?」など子どもたちが疑問を抱くことも多いかもしれません。

    このような子どもたちの疑問に対して、ただ答えるだけでなく、「いっしょに考えてみよう。」「調べてみようね。」と話をして興味を抱く気持ちを大切にしながら、食への知識や興味を広げていきましょう。

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