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KYTで保育園の事故を防止!ヒヤリハット解消への取り組み
目次
厚生労働省の資料によれば、2022年度の保育施設での事故報告件数は2,347件。
前年度よりも332件増えています。
事故報告の中でも骨折が1480件と最も多い事故となっています。
詳しい概要は以下の通りです。
出典:令和3年教育・保育施設等における事故報告集計/厚生労働省から抜粋
上記のような事故の再発防止を防ぐためにも保育園の安全管理の徹底が必要でしょう。
その上で重要なのが職員向けに実施する「事故防止への研修」。
定期的に園全体で事故防止の研修を行うことで子どもたちの安心・安全な園生活を守ることにつながるでしょう。
出典:令和3年教育・保育施設等における事故報告集計/厚生労働省
保育園事故防止に向けて必要な研修のひとつが「KYT」と呼ばれる危険予知訓練です。
K(危険)
Y(予知)
T(トレーニング)
保育現場にひそむさまざまな危険要因を発見して、解決への能力を高めるトレーニングとなります。「KYT」を実施することで、事前に子どもたちがどのような状況で危険が及ぶのかを考え、解決方法を話し合うことが大切です。
KYTはもともと住友金属工業で開発されたもので「KYT4ラウンド法」という方法を基に進められます。旧国鉄の安全確認手法である指差し呼称を組み合わせた手法です。
トレーニングはチーム制で行い、話し合いながら進めていきます。ここからはKYT4ラウンド法の詳細を解説します。
まず、日常を切り取ったイラストシーンをチーム全体で確認します。
イラスト内で危険要因と引き起こす現象を想定し、意見交換・共有を行います。
発見した危険の中で重要な内容に○印をつけ、チーム内で絞り込みを行い、◎印をつけて「危険のポイント」を決め、指差ししたのちみんなで唱和・確認を行います。
印をつけた危険ポイントの解決策をみんなで話し合います。具体的な対策案を出し、事故防止に必要な方法を考えます。
対策案を絞り込み、「重点実施項目」として※印をつけます。実践するためのチームの行動目標を設定したうえで、指差し・唱和を行い、確認します。
上記のような手順で保育現場においてKYTを取り入れ、職員の危険予知能力を高めていきましょう。建物の構造や園庭の大きさなどで危険がひそむポイントは異なります。
各園それぞれが園の現状を把握し、危険要因について話し合う場を設けることが大切ですね。
ここで保育園でのKYT実施例を紹介します。
年少・年中・年長の学年別に3グループ(担任・副担任 計6人参加)
子ども同士が園庭で鬼ごっこを楽しむシーン。
(周囲に砂場、すべり台、ブランコ、ロープがある)
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
①司会進行役がイラストを提示し、グループ内で危険要因について話し合ってもらう。
<考えられる危険要因>
「友だちとぶつかって頭をケガする」
「鬼ごっこしている子とすべり台から滑ってきた子がぶつかり転倒する」
「ブランコから靴飛ばしを行い、靴が子どもの頭にあたる」
「安全な範囲を決めるためにロープを設置していたがそのロープにぶつかって転倒した」
「砂埃がまって目の中に砂が入ってしまう」
などといったさまざまな意見が出た。
大きなケガにつながる事柄に〇印をつけ、さらに緊急な対策が必要なもの、重大事故につながるものについて◎をつけた。チーム内で話し合った結果、「園庭に張っていたロープ」に印をつけて危険のポイントとした。
印を指差したのち「園庭に張っていたロープに子どもがつまずき、骨折につながる」と唱和・確認を行った。
危険ポイントに対して解決に向けて意見を出し合った。
といった意見が出た。
危険ポイントの対策案を決定する。
「ロープを除去、カラーコーンの設置」決定したが、カラーコーンに指し込むバーがプラスチックのため、子どもがぶつかったときに危ないのではないかという意見が出た。
話し合いの結果、「カラーコーンの設置、コーンバーはスポンジ素材の柔らかいもので補強する」という意見で一致した。
「子どもたちが園庭で安全に遊ぶためにはロープの代わりにカラーコーンを設置する」ことで対策案がまとまった。
また、保育士全体の行動目標は
「各クラスで『鬼ごっこするときに気をつけること』について考える時間を設け、子ども自身が主体的に危険を回避する能力を育めるよう、努める」とした。
最後に、指差し・唱和・確認を行った。
上記は一例となりますが、この他にも午睡や給食などさまざまな場面でヒヤリハットの事例などもあるかもしれません。
職員の危険予知能力を高められるよう、定期的にKYTを行いましょう。
保育園でKYTを実施することで安全管理の徹底につながるでしょう。
ただ、「人手が足りない」「配置人数が少ない」などの理由から子どもたちの安全管理がなかなか行き届かないと不安を抱えている保育士さんもいるかもしれません。
保育士さん自身が安心して子どもたちを見守ることができるよう、環境の整備に取り組むことも大切です。
保育士バンク!コネクトでは、保育士さんが働きやすい環境を作り上げるお手伝いをさせていただきます。労務管理に特化したICTシステムの導入をサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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お送りいたします。
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