日々の保育業務に関するお役立ち情報を配信しています。
保育事故を防ぐSHELLモデルの活用法!ヒヤリハットの分析・検証にも有効
目次
SHELLモデルとは事故の原因を探るための分析方法のひとつで、オランダ航空のフランク・ホーキンズ氏が提唱したものです。
航空業界の他、医療や製造、学校などさまざまな現場でSHELLモデルによる事故や事故予見の検証に取り入れられています。
頭文字には以下のような意味があります。
「S」Software(ソフトウェア):マニュアルや指示書、規則などの指針となるもの
「H」Hardware(ハードウェア):機械や設備、施設の構造などの要因
「E」Environment(環境):業務や行動に関する環境要因(温度、湿度、空調、状況など)
「L」Liveware(当事者):事故やヒヤリハットの現場に直接関わった本人による要因
「L」Liveware(当事者以外の人):当事者以外のチームや同僚による要因
保育の現場の中でも上記の5つの要因にわけて客観的に事故を分析すると「未然に事故を防ぐこと」「事故防止に向けて対策を立てること」に役立てられます。
保育現場においてSHELLモデルを当てはめた例は以下の通りです。
上記のように多様な視点から事故やヒヤリハットの内容を分析・検証を実践すれば、子どもたちの安全・安心な環境を守ることにつながるでしょう。
それではなぜ、SHELLモデルを活用が求められるのか、取り入れるメリットについて詳しく見ていきましょう。
保育現場ではさまざまな事故やヒヤっとする場面が報告されています。
以前から午睡中やプール遊び中の事故、食事中の誤嚥などの防止に向けて注記換気が行われています。
厚生労働省の資料によれば、2022年度の保育施設での事故報告件数は2,347件と前年度よりも332件増えており、事故報告の中でも骨折が1480件と最も多い事故となっています。
去年よりも事故件数が増えているという点をふまえても、その事故がなぜ起こったのか、また事故とならなくともヒヤッとした場面があった場合に、未然に防ぐことができなかったのか、分析・検証する必要があります。
SHELLモデルを用いて客観的な視点で事柄を分析すると、職員の安全意識の向上に役立ち、事故防止につながるでしょう。ヒヤリハット解消においても有効な手段と言われています。
出典:令和3年教育・保育施設等における事故報告集計/厚生労働省
SHELLモデルはさまざまな活用法があるため、自園が取り入れやすい方法を実践するとよさそうです。
以下は活用例です。
SHELLモデルは一度用いるだけでなく、定期的に実践することが大切になるでしょう。
その他にも以下のように一つの転倒事故についてSHELLモデルを用いて分析する方法もあります。
【事故の例】外遊び中のねんざ事故発生
事故の詳細:子ども同士が鬼ごっこ中にぶつかり、転倒。4歳児男児がねんざした。
子どもたちの安全を守るためには保育士同士の協力体制を整えることが大切です。SHELLモデルを活用し、互いに意見交換を行って風通しのよい職場を作り上げていきましょう。
保育事故の防止は園全体で取り組むことが大切です。SHELLモデルを活用し、定期的に職員同士の意見交換を実施しましょう。
また、子どもの安全を守るためにも人員配置が重要。
職員同士で共有できるよう、ICTシステムなどの導入を検討してみましょう。
労務管理に特化したICTシステムを活用すれば、シフト調整もしやすく、一覧で人員配置をチェックすることもできます。
保育士バンク!コネクトではそういった環境整備のお手伝いをさせていただきますので、ぜひご相談ください。
ご入力のメールアドレスに資料を
お送りいたします。
こちらの記事もおすすめ