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保育士の配置基準を徹底解説!国・自治体・施設ごとの基準、規制緩和の内容や計算方法

保育士の配置基準を徹底解説!国・自治体・施設ごとの基準、規制緩和の内容や計算方法 Shutterstock.com
保育施設を運営する際、保育士の配置基準はとても重要になります。国や自治体、施設によって配置基準が異なっている場合もあるため、計算方法について不安を抱いている方もいるかもしれません。国・自治体・施設ごとの配置基準や規制緩和内容、計算方法などを徹底解説します。配置基準に違反してしまった場合についてもまとめました。

目次

    保育士の配置基準とは

    保育士の配置基準とは、保育施設を運営する中で子ども一人に対して保育士の必要人数を表したものです。保育の質を守り、安全性を確保するために大切な基準となります。

    2016年4月から保育士配置基準への規制緩和措置により、条件つきで保育士の代わりに幼稚園教諭や子育て支援員の方を配置職員として、カウントすることができるようになりました。

    また、保育士の配置基準は、国・自治体・施設ごとの基準が定められていることから、計算方法に迷う場合もあるでしょう。

    基本的に国が定めた基準を最低ラインと考え、各自治体や施設ごとの規定を守り、健全な運営を行わなければなりません。

    国が定めた配置基準

    厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第(三十三条)」によって国が定めた基準は以下の通りです。

    国の基準

    上記の他、1人以上子どもを預かっている場合は、常時2人以上の保育士を配置することも義務づけられています。

    配置基準規制緩和措置

    保育士の配置基準は昭和23年に定められてから約70年間変わっていない状況にあります。しかし、近年、待機児童問題が深刻化し、保育士不足や保育の受け皿拡大など、現状の流れに応じた対策が必要となりました。

    2016年4月から保育士配置基準への規制緩和措置を以下のように実施しました。

    1. 朝夕など児童が少数となる時間帯は、保育士2人のうち1人は子育て支援員研修を修了した方が配置職員として代替えが可能
    2. 保育士の代わりに幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭を配置職員として代替えが可能
    3. 長時間開所する園の配置基準については、国が定めた保育士の人数が必要になる場合に、子育て支援員研修を修了した方を配置職員として代替え可能

    ※①、②については全体の2/3は保育士を配置することが必要

    このような代替え措置も考慮したうえで、配置基準の内容を把握していきましょう。

    出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第(三十三条)/厚生労働省

    出典:保育所における保育士配置の特例の実施状況調査について

    自治体独自の保育士の配置基準

    各自治体で地域の実情や保育の質の向上を考え、保育士の配置基準を設けている場合があります。

    例えば、横浜市の場合は、1歳児4人に対して保育士1人、2歳児5人に対して保育士1人など、子どもの人数に対しての保育士人数が国の基準を上回っています。このように、地域によって配置基準に違いがあるため、確認することが大切です。

    また、保育の受け皿が整備される中、認定こども園や地域型保育事業などさまざまな施設の増設が進められています。各施設ごとの配置基準について見ていきましょう。

    保育施設の配置基準:幼保連携型認定こども園

    幼保認定型こども園とは、0歳児〜5歳児を対象とした国の基準を満たした認可施設です。保育園と幼稚園から移行、増設が進められ、両方の良さを併せ持った保育・教育が行われています。

    配置基準については、国が定めた基準の同等の内容となります。

    <幼保連携型認定こども園の配置基準>

    認定こども園の配置基準

    満3歳児以上の子どもの教育時間は学級を編制し、専任の保育教諭を1人配置することとしています。

    保育教諭とは幼稚園教諭と保育士の両方の資格を取得した方のことを指します。資格の取得については、特例制度が設けられており、条件によって所定の研修を受けることで取得することができます。

    出典:幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例

    保育施設の配置基準:地域型保育事業

    認可保育施設の一つである地域型保育事業には、以下の4つの事業があります。預かる子どもの対象年齢は0歳児~2歳児となり、定員数や職員資格は事業によって異なります。

    • 小規模保育事業
    • 家庭的保育事業
    • 事業内保育事業
    • 居宅訪問型保育事業

    地域型保育事業のそれぞれの職員配置基準について見ていきましょう。

    小規模保育

    小規模保育事業については、A型・B型・C型の3種類あり、定員は9人〜16人になります。

    小規模保育園とも呼ばれ、種類別の職員の配置基準は以下の通りです。

    A型(保育所分園・ミニ保育所)

    A型

    A型は0歳児から2歳児を4人以上受け入れる場合は、保健師もしくは看護師1人に限って、保育士としてカウントすることも可能としています。

    B型(AとCの中間型)

    B型

    全体の保育士の半数以上が保育士の有資格者である必要があります。配置基準はA型と同様です。

    C型(グループ型小規模保育)

    C型

    ※家庭的保育者とは…市町村長が行う研修を修了した保育士同等以上の知識及び経験を有すると市長が認める者
    ※家庭的補助者とは..市町村長が行う研修を修了した者

    C型は必ずしも保育士の有資格者の配置が義務づけられていませんが、原則、家庭的保育者を配置することが必要です。

    事業所内保育事業

    事業所内保育事業とは、会社の事業所の保育施設などで、従業員の子どもと地域の子どもをいっしょに保育をする施設のことをいいます。子どもの定員によって配置基準が異なります。

    子どもの定員が19人以下の場合は、小規模保育A型B型の配置基準と同等になります。全体の半数以上は保育士を配置する必要がありますが、特例により看護師や保健師などが配置職員として代替え可能となります。

    事業内保育事業の配置基準

    子どもの定員が20人以上の場合は、園の配置基準と同等になります。

    国の基準

    定員によって人数が異なるため、その点を確認することが大切になります。

    家庭的保育事業

    家庭的保育事業とは、家庭的な雰囲気のもとで、少人数(定員5人以下)を対象にきめ細かな保育を行うことをいいます。

    小規模保育園C型と同等の基準になるため、家庭的保育者を配置する必要があります。

    保育士必要人数
    必ずしも保育士の有資格者の配置が義務づけられていないものの、保育士または保育士同等の地域や経験がある方を配置する必要があるでしょう。

    居宅訪問型保育事業

    居宅訪問型保育事業とは、障害・疾患などで個別のケアが必要な場合や、施設がなくなった地域で保育を維持する必要がある場合など、保護者の自宅で1対1で保育を行うことをいいます。

    子ども1人に対して、保育士または家庭的保育者1人の配置が義務づけられています。

    出典:子ども・子育て新制度ハンドブック/厚生労働省

    保育施設の配置基準:認可外保育施設

    認可外保育施設とは、託児所やベビーホテルなど国の認可基準を満たしていない施設のことをいいます。

    配置基準については、乳児の人数や保育時間によって以下のように異なります。

    【1日に保育する乳幼児の数が5人以下の場合(ベビーシッターなど】

    原則、子ども1人に対して保育者1人の配置が必要です。

    保育者は保育士、看護師または一定の研修を受講した者としています。

    【1日に保育する乳幼児の数が6人以上の場合】

    保育時間11時間以内の場合は国の配置基準と同じ内容となります。

    国の基準

    保育時間11時間以上の場合は、保育されている子どもが1人であるケースを除き、常時2人以上の保育士の配置が義務づけられています。

    出典:認可外保育施設の質の確保・向上について

    出典:認可外保育施設に対する指導監督の実施について」の一部改正について

    保育士の配置基準の計算方法

    次に保育士の配置基準の計算方法を紹介します。

    計算を行う前に以下の内容を確認するとよいでしょう。

    ①地域独自の配置基準があるか
    ②施設の年齢別子どもの定員数

    今回は横浜市の配置基準を0〜5歳児の一般的な認可保育園を想定し、計算方法の例を紹介します。

    ①【横浜市の配置基準】

    • 0歳児:子ども3人に対して保育士1人
    • 1歳児:子ども4人に対し保育士1人
    • 2歳児:子ども5人に対し保育士1人
    • 3歳児:子ども15人に対し保育士1人
    • 4歳児以上:子ども24人に対し保育士1人

    ②【年齢別の子どもの定員数】

    • 0歳児:5人
    • 1歳児:15人
    • 2歳児:15人
    • 3歳児:25人
    • 4歳児:25人  計85人

    次に各年齢ごとに定員数を配置基準で割ります。割って出た数が必要な保育士の数となりますが、割り切れなかった場合は小数点以下を切り上げて計算しましょう。

    【計算内容】

    • 0歳児:5人÷3=1あまり2
      保育士必要人数2人
    • 1歳児:15人÷4=3あまり3
      保育士必要人数4人
    • 2歳児:15人÷5=3
      保育士必要人数3人
    • 3歳児:25人÷15=1あまり5
      保育士必要人数2人
    • 4歳児以上:25人÷24=1あまり1
      保育士必要人数2人

    上記の保育士必要人数を全て足すと13人となったので、子ども85人が在籍するこの施設の保育士の必要配置人数は「13人」ということになります。

    ただ、これはあくまでも「日中の保育の時間」に必要な最低人数です。

    保育園に子どもがいる間は常に保育士が2人必要となります。朝と夕方など延長保育をする場合には、追加で保育士を2人ずつ配置するなど、必要な人数を確保しなければなりません。※保育士の代替え措置として、子育て支援員や幼稚園教諭などが配置職員としてカウント可能な場合あり

    出典:横浜市

    保育士の配置基準に違反したらどうなる?

    保育士の配置基準が守ることは重要ですが、国からの監査によって違反が発覚する場合もあります。

    例えば、認可外保育園で改善が必要であるとみなされた場合、「おおむね一ヶ月以内に文書による改善指導が行われる」としています。

    一ヶ月以内に改善が行われなかった場合は、閉鎖命令の対象となるので注意しましょう。

    出典:認可外保育施設に対する指導監督の実施について/厚生労働省

    保育士の配置基準を考慮して保育の質の向上へ

    保育士の配置基準は、保育の質を担保しながら、子どもを安全に保育するために必要な基準となります。

    配置基準が守られていなければ、保護者は安心して保育施設へ子どもを預けることはできず、働いている保育士も不安を抱くことでしょう。

    しかし、保育士不足が懸念される現代、必要な職員の配置人数を確保することが大変な園もあるようです。ICTの活用や役割分担の見直しなど、仕事の効率化・削減に目を向けることも重要でしょう。

    保育士にとっても保護者にとっても、不安や負担の少ない環境を整えていけるといいですね。

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