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保育士のキャリアアップ研修のメリット!専門知識の向上と処遇改善費で給料が増える
目次
保育士のキャリアアップ制度とは、その名の通り、保育士さんのキャリアアップを図ることを目的としており、専門知識の向上、スキルアップ、処遇改善などにつながる制度です。
大きな特徴は、研修を受けて技能を習得することで役職が就き、処遇改善が期待できるというものでしょう。
保育園では園長や副園長、主任の3つの役職のみで運営している園も多いかもしれませんが、今回の制度の導入により、以下の3つの新役職として設置されました。
このような役職を設けることで、月額5000円~最大4万円の役職手当が期待でき、若年層の保育士さんもキャリアアップの構造が明確になり、目的をもって働きやすくなったのではないでしょうか。
また、保育士業界では人材不足が深刻化しており、「給与が安い」、「役職が少ないため、キャリアを積んでも変わらない」などさまざまな問題が取り立たされています。
その中で「保育士」という仕事に対してキャリアアップ制度を導入し、研修する機会や待遇の改善に取り組むことが、人材の育成や定着につながるかもしれません。
その他にも認定こども園や地域型保育園の増加など、子どもたちを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。
研修を受講する中で、改めて日本の保育の在り方を学ぶことはこれからも保育士としてやりがいをもって働くうえで素晴らしい経験となることでしょう。
出典:保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要/厚生労働省
保育士のキャリアアップ研修制度を受講するメリットを紹介します。
キャリアアップ研修制度を受講することにより、新役職に就くと職務分野別リーダには月額5000円、専門リーダーや副主任保育士には月額最大4万円の手当が期待できます。
保育士は「キャリアを積んでもなかなか給料が上がらない」と不満を抱えている方もいるため、この処遇改善は大きなメリットのひとつといえるでしょう。
しかし、必ずしもキャリアアップ制度を利用すれば、すぐに規定の金額で給与がアップするというわけではないようです。
キャリアアップ研修による手当は、国から個人に向けて支給されるものではありません。あくまでも、国から園に支給されるため、園の方針よって配分に違いがあるでしょう。
園に分配される処遇改善費から支給対象となる保育士さんの職員数によって金額の分配が任されているようです。
つまり「キャリアアップ制度を修了すると必ず賃金は上がるが、その額については一定ではない」ということを心に留めておくとよいかもしれません。
保育士さんは、主に0歳~6歳の子どもの援助を行いますが、その年齢によってもお世話の仕方や遊びの指導方法は変わってくるでしょう。
キャリアを積む際に、どのように子どもと接すればよいのか、適切な方法について日々考えている方は多いかもしれません。
また、園の保育方針によって英語に力を入れている園もあれば、リズム遊びや運動に取り組んでいるなどの違いがあることも考えられます。
キャリアアップ研修では「乳児保育、幼児保育、障害児保育、食育・アレルギー対応、保健衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援、マネジメント研修、保育実践研修」の8分野があるため、さまざまな保育観や教育について学んだり、触れ合ったりすることがができ、専門知識を深められるでしょう。
キャリアアップ研修制度を受講後は、各都道府県から修了証書を交付されます。修了書があることで、保育士としての経験を積んだ証となり、転職などに活用できるかもしれません。
また、結婚や妊娠、出産などで一度現場を離れていても修了書があることで、よいアピールポイントとなり、安心して復職に臨めそうですね。
保育士のキャリアアップ研修制度の流れについて簡単に解説します。
①都道府県別に研修実施機関が設けられているため、各自治体の指定された方法で申請を行う
②研修実施機関にて研修を行う。(1分野の研修時間を15時間以上)
③修了の評価を受け、修了書が交付される(修了した研修が実施された会場の都道府県以外でも、修了の効力は有する)
キャリアアップ研修を修了するためには、1分野で15時間以上の受講が必須となるため、仕事やご家庭の事情などで多忙な方はスケジュール調整が必要となるでしょう。
お住まいの都道府県の研修実施期間の場所や受講内容を確認し、勤務先と相談しながら、きちんと計画を立てたうえで研修に臨むとよいかもしれません。
保育士のキャリアアップ研修制度は、分野別に研修を受ける必要があり、仕組みや役職の要件などは以下のような内容となります。(1分野あたり、15時間以上の研修が必要です。)
役職別に求められる研修に違いがあるため、科目や分野の内容をきちんと確認したうえで受講する必要があるでしょう。
出典:保育士のキャリアアップの仕組みの構築と処遇改善について
保育士のキャリアアップ研修の分野別の研修内容を紹介します。
乳児保育の意義や環境、関り方などさまざまな保育を行う能力を養うだけでなく、他の保育士に向けて乳児保育における適切な助言や指導を行うことができるように、実践的な研修を学びます。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
幼児教育の意義や環境、発達に応じた保育計画や記録、現状や課題などを把握し、理解を深める研修を行います。
また、小学校教育に向けての重要な役割を担うことを学び、他の幼稚園教諭に向けての助言や指導方法なども受講します。
障害児保育について子どもとの関わり方や保護者への対応、地域の専門機関などの連携方法についても学び、他の保育士に向けた指導、援助方法なども受講します。
医療的ケアなどに関する内容も含むため、より専門的な知識を学ぶことができるでしょう。
食育に関する理解、アレルギー対応など実践的な能力を学びます。アレルギー疾患、穴フィラキーショックの理解と対応など、子どもたちの安全管理を行ううえで重要な分野を受講することができるでしょう。
保健活動の計画作成や記録の他、事故防止、災害への備え、危機管理などさまざまな対策を学びます。
感染症の予防対策など実践的な能力を身に着けることにも役立つでしょう。
保護者への相談対応や関係機関の連携方法や地域との関りなど幅広い分野を学ぶことができます。
子どもの貧困や虐待予防など現代社会のさまざまな問題に対して深く学ぶことで保育に役立つでしょう。
主任保育士の下のミドルリーダーとしての役割を理解し、組織のマネジメント能力や人材育成などを職員の資質向上に向けての取り組みなどを学びます。
施設内研修の考え方や実践方法などの受講するため、より現場で活用できる知識を深めることに役立つでしょう。
子どもの感性や発達、遊び(言葉や音楽など)など、保育の展開を行うために必要な実践方法を学びます。
さまざまな遊びを通してどのような援助が必要か考えることができ、新しい発見があるかもしれません
出典:出典:保育士等キャリアアップ研修の実施についてp7/厚生労働省
保育士のキャリアアップ研修制度の導入により、保育士が働きやすい社会になることが期待できるでしょう。
「仕事量が多い」、「労働時間が長い」などさまざまな不満を抱え、離職してしまう方もいるかもしれません。
このようなキャリアアップ研修制度を活用するだけでなく、保育士の業務負担を軽減するために行事の見直し・縮小や普段の事務作業の効率化に向けたICTシステムの活用などに目を向けることも重要でしょう。
職員の職場環境を整備して保育の質の向上や離職防止に役立てるとよいかもしれません。
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