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保育士から見たブラック保育園とは?保育士が働きにくい環境の特徴

保育士から見たブラック保育園とは?保育士が働きにくい環境の特徴
「適切な給与が支払われない」、「残業時間が長い」など保育士が働きにくいと感じる「ブラック保育園」の存在。人手不足の保育業界において、そのような評価を受けてしまえば、運営に悪影響を及ぼす可能性もあります。ブラック保育園の特徴を把握し、保育士さんが働きやすい環境の整備に取り組んでいきましょう。

目次

    ブラック保育園とは

    長時間の過重労働残業代の不払いなど保育士さんが適切な環境の中で働いていない保育施設を、「ブラック保育園」と呼ぶことがあります。

    ブラック保育園というレッテルを貼られてしまうと、「働きづらい園なのではないか」となかなか求職者からの応募が集まらず、運営に支障をきたすことも考えられます。

    人手不足が続く保育士業界において、人材の定着化や確保は大切なことです。

    ブラック保育園とならないための対策に取り組み、保育士さんが働きやすい職場を作りあげていきましょう。

    まずは、ブラック保育園の特徴について紹介します。

     

    ブラック保育園の特徴

    給与が低い

    保育士は子どもの命を預かる責任の重い仕事ですが、業務に見合わない待遇の中で働いている方も少なくありません。

    正社員の給与の手取りが12万~13万円など少ない賃金の中で働いているにも関わらず、残業も仕事量も多いというケースがあるようです。

    また、2017年度から保育士さんに向けて技能・経験に応じた処遇改善手当の支給が始まっています。しかし、国の施策が反映されず、条件を満たした方に処遇改善手当が適切に支払われていない場合もあるかもしれません。

    都道府県別の最低賃金が下回っている場合も、「ブラック保育園」と呼ばれてしまう可能性もあるでしょう。

    仕事量が多い

    保育士は保育業務以外にも、行事の企画や運営、保護者との連携、連絡帳作成や指導案作成など多種多様な業務をこなすことが考えられます。

    規模が小さな園では、本来は事務員が行うシフト作成や保育料の集計作業なども保育士が行っている場合もあるかもしれません。このように、過重な仕事量が負担になると、体力や気力が続かずに辞めてしまう保育士さんもいるようです。

    「いままでの職員は業務をこなしていた」と保育士の負担を省みずに運営を続けてしまうと、人材の定着化に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

    適切に有給休暇を取得できない

    2019年4月より、有給休暇を取得することが義務化されたことから、ルールに基づいて年5日以上の有給休暇の取得が可能となっています。

    しかし、「有給を取得したくても代わりの職員がみつからない」、「有給を取らせてもらえる雰囲気じゃない」などの理由から、保育士さんの有給消化が進んでいないケースもあるようです。

    職員の労働環境を守るためにも、適切に有給休暇を取得できる環境を作り上げることは大切でしょう。

    慢性的な人材不足

    慢性的な人材不足が続いている状態は、ブラック保育園の大きな特徴のひとつです。

    昔から人手が足りない状況が続いており、その中で業務をこなせていることから、人材の補充に消極的な園もあるかもしれません。

    また、国では子どもの人数に対して保育士の必要人数は以下のような基準を設けています。

    • 0歳児:子ども3人に対して保育士1人
    • 1~2歳児:子ども6人に対し保育士1人
    • 3歳児:子ども20人に対し保育士1人
    • 4歳児以上:子ども30人に対し保育士1人

    上記はあくまでも配置基準の最低ラインとなりますが、基準を満たしていても「食事や排せつの援助が行き届かない」、「保育活動がスムーズに進まない場合の補助の保育士が足りない」などさまざまな不満を抱きながら、仕事と向き合っている職員もいるかもしれません。

    職場の雰囲気が悪い

    厚生労働省の「保育士さんの現状と主な取組」についての資料では、「過去に保育士として就業した者が退職した理由」として、「人間関係」を理由に離職した方が最も多いことがわかっています。

    確かに職場の雰囲気が悪いと疑念を抱き、辞めてしまう方もいるでしょう。子どもには笑顔で、「友だちと仲良くしようね」と呼びかけながら、職員同士の仲が上手くいっていないと、そのギャップに苦しむこともあるかもしれません。

    職場全体でコミュニケーションがとれていないことで、「ブラック保育園」と捉えられてしまう場合もあるでしょう。

    園長や副園長などの独裁色が強い

    園長先生や副園長先生は職員と共に保育活動に携わったり、保護者に向けてさまざまな対応を行ったりと、園の中心となる存在でしょう。

    しかし、自分の経営方針を伝えるために主張が強くなってしまうと職員の負担になることも考えられます。

    園長の思い通りに動かないと激しく叱責される」、「人格を否定する言葉をいわれて耐えられない」など辛いを思いを抱えながら、仕事に取り組む保育士さんもいるようです。

    このように、独裁色が強い園長や副園長のもとで業務に携わっていると、目の前の保育に集中できず「怒られないように頑張るしかない」と精神的に安定しない方もいるかもしれません。

    出典:技能・経験に応じた保育士等の処遇改善について/内閣府子ども・子育て本部

    出典:保育士養成p24/厚生労働省

    出典:労働者の方へp1/厚生労働省

    出典:保育士さんの現状と主な取組p24/厚生労働省

    ブラック保育園にならないための3つのポイント

    未来を担う子どもたちの保育活動を行う保育士は、重要な存在です。職員が適切な環境で働くことができるように、取り組むことが大切になるでしょう。

    ブラック保育園にならないための3つのポイントを紹介します。

    業務改善を行う

    まずは職場の業務を改善するためにも、職員の勤務状況を把握していきましょう。

    労働時間や残業時間、休憩時間や持ち帰り残業の有無など、保育士一人ひとりの労働環境についての調査を行ってみるとよいかもしれません。

    そのうえで、なぜ「残業が多いのか」、「適切な役割分担がされていないのか」といった原因を究明し、業務改善を行っていきましょう。

    雰囲気のよい職場を作り上げる

    職員同士の連携を図るためには、雰囲気のよい職場を作り上げることが大切でしょう。職員同士で相談し合えたり、意見を言い合えたりと風通しのよい環境を目指すことが重要です。

    その際にポイントとなるのが「主任保育士」の存在かもしれません。

    主任保育士は、新人職員の指導するなどリーダーシップを求められる人材でしょう。まとめ役としての役割を果たしていなければ、職員同士の連携が上手くいかない場合もあるようです。

    運営側は主任保育士の心に寄り添い、定期的な面談を設けるなどして、適切なマネージメント管理を行うことができるように配慮することが大切です。

    保育ICTシステムを活用する

    上記で説明したように、保育士は保育活動の他、事務作業や衛生管理など多種多様な業務をこなす必要があるでしょう。

    特に事務作業は子どもの出欠確認、個人情報の作成、おたより作成、職員の労務管理などさまざまな仕事を手作業で行うケースも多いようです。

    国としてもこのような保育士さんの業務量の削減や効率化を目指し、「保育ICTシステム」の導入を推進しています。

    保育ICTシステムは、パソコンやタブレットを活用して、保育園で行われる事務作業を効率的に行うことができる電子システムです。

    保育料計算や職員の勤怠なども一括管理できることから、職員の業務の軽減に役立ちます。

    保育ICTシステムを活用することで、ブラックな保育園ではなく、保育士さんの業務削減に積極的に取り組んでいる園として評価されることが期待できるでしょう。

    ブラック保育園とならないために、ホワイトな運営を目指そう

    保育士さんが働きにくいと感じる「ブラック保育園」。

    そのような保育園にならないためにも、普段から職員の労働環境を整える必要があるでしょう。

    働きやすい職場を作り上げることは、人材の定着化に役立ち、保育の質の向上にもつながります。

    ブラック保育園とならないよう、保育ICTシステムなどを検討し、業務改善に取り組んでいきましょう。

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