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保育現場でのOODAループとは?PDCAサイクルとの違いや実践例

保育現場でのOODAループとは?PDCAサイクルとの違いや実践例 maroke/stock.adobe.com
さまざまな問題や事柄の変化に対応し、解決策を見出すうえで活用される「OODAループ」。保育施設においても“子どもたちの主体性を大切にする”うえで、OODAループを取り入れることが有効な手段といわれています。OODAループの概要や実践例を把握し、保育の質の向上に向けてどのように取り入れるべきか、考えてみましょう。

目次

    OODAループって何?

    「OODAループ」とは、業務で変化が起きたときも柔軟に解決策を見出すことができる技法のひとつです。

    航空業界や学校、医療現場など幅広い業界で取り入れられています。

    アメリカ空軍のジョン・ボイド氏が提唱したもので、以下の4つの内容の頭文字を取ったものです。

    • Observe<観察>自分の周りの状況をよく観察する
    • Orient<状況判断>集めたデータを基に状況を判断する
    • Decide<意思決定>状況判断に基づき、やることや計画を決める
    • Act<行動>決定したことを計画に沿って取り組む

    Observe<観察>→Orient<状況判断>→Decide<意思決定>→Act<行動>」のサイクルに沿って、問題解決に向けて繰り返し取り組んでいきます。

    保育施設の中でOODAループの技法を活用すると、問題や対応が必要な事柄を観察・検証し、次につなげることで保育の質の向上に役立つでしょう。

    OODAループとPDCAサイクルの違いとは

    OODAループの他にPDCAサイクルという技法があります。

    生産性アップや管理体制の徹底に役立つといわれており、4つの頭文字をとったものです。

    • Plan<計画>
    • Do<実行>
    • Check<評価>
    • Action<改善>

    Plan<計画>→Do<実行>→Check<評価>→Action<改善>」この一連のプロセスを繰り返し行えば、業務の改善や効率化を図ることができるといわれています。

    保育現場では計画に沿って活動を実行し、その保育が子どもたちにとって適切なものだったのか、評価を行い、改善案を見出していきます。

    例えば、保育士さんが定期的に行う「自己評価」を作成する際は、年間を通して保育を振り返っていきます。その際、PDCAサイクルを用いることは有効な手段のひとつといえそうです。

    ただ、日々の保育を細やかに振り返り、子どもの主体性を大切にするうえでは「PDCAサイクル」よりも「OODAループ」を取り入れるべきなのではないか、という考えもあるようです。

    実際に保育の場面に合わせてOODAループを取り入れた実践例を見ていきましょう。

    保育現場におけるOODAループの実践例

    保育現場におけるOODAループの実践例を紹介します。

    OODAループを用いて子どもをどのようにサポートするべきか、考えてみましょう。

    事例①慣らし保育 

    場面:初登園日、〇〇ちゃんが玄関で保護者の方と離れられずに泣いていた。

    1.Observe<観察>:保育士が周りの状況をよく観察する

    「保護者の方がバイバイしようとしても抱きついてなかなか離れることができない」
    「保護者の方が『仕事があるの』と〇〇ちゃんに伝えているがなかなか泣き止まない。保護者の方もどうしてよいかわからず困惑している」
    「よく保護者の表情を見ながら15分ほど泣いていた」

    2.Orient<状況判断>:集めたデータを基に状況を判断する

    「泣くことで不安があることを周囲に伝えている」
    「保護者の方の表情を見ながら自分の気持ちを伝えようとしている」

    3.Decide<意思決定>:状況判断に基づき、やることや計画を決める

    「保護者の方にはできるだけ笑顔で対応し、〇〇ちゃんに『保育園楽しいよ』など前向きな言葉をかけてもらうようにお願いする」
    「〇〇ちゃんが安心して過ごせるよう、保育士は好きな遊びやおもちゃの話題にふれる」
    「『保育士がいるから大丈夫』という気持ちを抱いてもらえるように抱っこしたり手をつないだりする。愛着関係を育めるように努める」

    4.Act<行動>:決定したことを計画に沿って取り組む

    「〇〇ちゃんに笑顔で対応し、保育室での遊びに期待感をもてるように話しかけ、スキンシップを意識して対応する」
    「『寂しいよね。ママ迎えに来るから大丈夫だよ』などと気持ちを受け止めたうえで安心感を持てるような声かけをする」

    事例②集団遊びへの不参加

    場面:〇〇くんが「大根抜き」の集団遊びに参加せず、保育室の隅で様子を見ていた。

    1.Observe<観察>:保育士が周りの状況をよく観察する

    「保育士が誘っても首を振って参加を拒んだ」
    「参加している子がオニ役の子に『私はひっこぬかないでね!』と言っていると心配そうに見ていた」

    2.Orient<状況判断>:集めたデータを基に状況を判断する

    「大根抜きの『ひっこぬかれるか・ぬかれないか』のドキドキ感が苦手なのかもしれない」
    「〇〇くんに誰か「いっしょにやろう」などと声をかけていれば参加したかもしれない」

    3.Decide<意思決定>:状況判断に基づき、やることや計画を決める

    「じゃんけん列車など〇〇くんが友だちとのコミュニケーションを楽しめる遊びを取り入れる」
    「自由遊び中には〇〇くんがどんな遊びを楽しんでいるのかをよく観察したうえで、集団遊びに取り入れてみる」
    「無理に集団遊びに誘導せず、少しずつ参加できるように声かけしていく」

    4.Act<行動>:決定したことを計画に沿って取り組む

    「〇〇くんの様子を確認して気づいたことは日誌に書き込む」
    「積極的に〇〇くんの好きな遊びを取り入れてみて様子を見る」

    上記はあくまでも一例なので、保育施設によってもOODAループの取り入れ方に違いがあるでしょう。

    現場職員の言葉を聞いてどのような方法が園にとって有効な手段なのか、研修会や会議などで話合う場を設けることも大切ですね。

    保育現場でのOODAループを活用へ~ICTシステムで支える~

    保育現場でOODAループを取り入れることで子どもへの観察力を養い、保育の質の向上を目指すうえで有効な方法といえるでしょう。

    OODAループを活用するためには保育を振り返る時間や職員同士で話し合う時間の確保も必要です。

    ただ、多忙でなかなか子どもと向き合う時間がもてなかったり、事務作業に追われたりすると、OODAループの技法を取り入れたくても難しい場面も多いかもしれません。

    そのため、職員の業務の効率化や残業時間の削減といった働き方の見直しが重要になります。シフト調整や人員配置人数などもチェックすることで、ゆとりをもった保育を実現できるとよいですね。

    そのうえで注目されるのが労務管理に特化した「ICTシステム」です。

    ICTシステムは「保育士の勤怠管理」「園児の情報管理」など多種な機能が備わった電子システムです。園の職員の働き方を把握し、業務改善の向上に役立てることができます。

    保育士さんが保育に集中できる環境を作り上げるためにも、労務管理を徹底して働きやすい職場環境を構築することが大切ですね。

     

    保育現場にOODAループを取り入れて子どもへの理解を深めよう

    OODAループを取り入れると、子どもがなぜそのような行動をしたのか、観察・検証したうえで保育士のサポート内容を考えることができるでしょう。

    業務や事柄によってPDCAサイクルかOODAループどちらを取り入れるべきか、有効な手段を考えてみるとよさそうです。

    また、保育の質の向上に向けてICTシステムの導入などを検討し、保育士がやりがいをもって働ける現場を作り上げることも大切ですね。

    保育士バンク!コネクトはICTシステムの活用に向けて全面的にサポートさせていただきます。導入後のフォロー体制も万全!園の実状に合った活用方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談くださいね。

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