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保育施設における属人化の解消方法を徹底解説!休憩時間の確保が課題
目次
属人化(ぞくじんか)とは、ある特定の業務のやり方や進行状況が担当者しかわからない状態のことを指します。
担当者がその業界のスペシャリストとして成長するメリットがある一方、業務量が偏りトラブルに発展するケースもあるようです。
保育施設の中でも「属人化」が起きることでさまざまな弊害が生じる場合があるでしょう。そういった状況を招かないよう、健全な職場づくりを目指すことが大切です。
まずは、なぜ保育施設で属人化が起こってしまうのか、その原因を詳しく見ていきましょう。
人手不足の園では保育士さんが日々の業務に追われ、仕事のノウハウを他の職員に伝える余裕がない場合もあるようです。
2021年10月の保育士の有効求人倍率は2.66倍と、依然として保育士を求めている園が多いことがわかります。
特に人材の補充が進まない園では、保育士一人ひとりに過度な負担がかかり、属人化を招きやすいでしょう。
保育士は主に0歳〜6歳までの生活全般のサポートを行います。担任制を取り入れている園の多くは担当クラスを振り分け、子どもの年齢にあわせた活動に取り組みます。個々の発達段階などを考慮しながら対応するため、専門性の高いスキルが必要です
また、保育士は保護者の代わりとなって抱っこしたり、声をかけたりと子どもにたくさんの愛情を注ぐことが大切になります。子どもも特定の先生といつも同じ空間ですごせば、安心して園生活を送ることができますね。
そういった愛着関係を考えると属人化の状況はデメリットばかりではないでしょう。ただ、専門性の高さゆえ、一人の保育士に大きな負担がかかる場面もありそうですね。
保育士は仕事量が多い職種といわれ、保育活動以外にも事務作業や書類作成、衛生管理などさまざまな業務を担います。保護者対応なども行うため、勤務時間内に業務が終わらず、家に持ち帰る方もいるようです。
そういった多忙な状況が続くと、仕事量の多さに疑問を抱かないまま業務をこなしている可能性もあるでしょう。その結果、属人化が起こるケースも少なくありません。
保育士という仕事はスキルアップを目指し、ある一定の業務に責任をもって取り組む必要があるでしょう。特定の子どもたちと密に関わることも大切ですが、あまりにも属人化の状況が続ければ、さまざまなトラブルを招く要因となるかもしれません。
次は属人化が引き起こすトラブルについて見てみましょう。
保育士は真面目で誠実に仕事と向き合う方も多く、過度な業務を任された場合も一生懸命対応することでしょう。
しかし、そういった状況が続くと体調を崩したり、不眠になってしまったりと心身に不調が生じる場合があります。体調の変化に気づいても自身の代わりがいないことに不安を抱き、無理をして働く方もいるでしょう。
その結果、体調が回復できないまま退職してしまうケースもあるかもしれません。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
属人化している業務については他の職員が意見を言えないことから、風通しの悪い状況に陥る可能性があります。保育士さん同士の交流も少なくなり、人間関係も悪化してしまうかもしれません。
保育士同士は行事や保護者対応など多様な場面で協力して行う業務も多いものです。そういった場合も担当者がいなければ進まない内容があると、仕事がしづらい状況になりそうですね。
近年は小規模保育園や認定こども園などさまざまな保育施設が誕生しています。そのため、保育士人材の獲得競争が増し、採用活動が思うように進まない園も多いかもしれません。
そのうえ属人化が起こってしまえば、新人の保育士さんを雇用したとしても働きにくさを感じて早期離職に至るケースもあるようです。
安定した運営を維持するためにも属人化の解消に向けて取り組んでいきましょう。
保育施設における属人化の解消法について紹介します。
担任制を取り入れている園では、保育士さんが担当の子ども以外と関わりが少ないというケースもあるかもしれません。
園全体で子どもたちを見守ることを意識して、担任が休んでも代わりに違う方が担当できるように人材配置を考えていきましょう。
隔週で担任を入れ替えたり、担任・副担任の役割を変えたりとアイデアを出し合うことも大切です。
他クラスで交流する場面を設け、協力して保育を行う機会を設けてもよいでしょう。
職員同士で話し合い、園全体で子どもたちを見守ることの大切さを共有できるとよいですね。
保育士一人ひとりの業務量を書き出し、仕事の責任を分散すれば属人化の解消に役立ちそうです。
壁面製作やおたより作成、衛生管理などさまざまな業務の役割分担を行うと、効率的に作業が進む可能性があります。
特に主任やリーダーが責任の重い仕事を任されることもありますが、その内容も見直して仕事をバランスよく振り分けていきましょう。
一般的な企業ではお昼の時間帯に休憩をとるものですが、保育士さんの場合は子どもたちの給食の準備や食事の援助などでその時間に休憩をとることは難しいでしょう。
中には、休憩時間をとれないことが当たり前になっている方もいるかもしれません。
そうした状況が続けば、他の職に転職したほうがよいのでは?と感じてしまうこともありそうです。
特に属人化が起こっている場合は自分の代わりがいないことを理由に休憩時間をとれないケースもあるでしょう。保育士さんが安心して休息をとれるよう、職員配置の見直しや勤務時間の調整を行うことも重要ですね。
最後に属人化の解消に向けて保育士の労働環境の整備に目を向けてみましょう。
職員それぞれの勤務時間・残業時間・休憩時間の取得状況などを確認し、業務量に偏りがないかをチェックすることも大切です。
ただ、その作業を繰り返し行うと労務管理に時間がかかり、効率的に仕事が進まない可能性があるでしょう。
そういった職員の勤務体制を正確に把握するために活用できる機械に「ICTシステム」と呼ばれるものがあります。
専用機器にICカードをかざすだけで職員の出退勤の打刻・記録を行うことができます。また、園の独自の人材配置ルールを入力しておけば複雑なシフトも簡単に作れるため、業務負担の軽減に役立ちそうです。
ICTシステムの導入も検討したうえで、属人化の解消に取り組んでいきましょう。
保育士一人ひとりの成長を支えるためにはある一定の業務を任せつつ、業務量の分担や責任の分散を意識して、働きやすい環境を整備することが大切です。
自身の代わりがいないことにやりがいを感じる保育士さんもいるかもしれません。しかし、その一方で体調を崩したり、職員同士のトラブルに発展したりした場合は業務に支障が出る可能性もあるでしょう。
その点もふまえて現在の状況を把握し、属人化を防ぐために必要な方法を考えていきましょう。
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