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児童福祉施設最低基準とは?保育所の運営・方針に関してわかりやすく解説!
目次
児童福祉施設最低基準とは児童福祉施設の運営や方針に関して「最低基準」を示したものです。
2011年10月に「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」正式名称が変更されました。
児童福祉施設とは以下の13施設のことを指します。
子どもを健全に育成するうえで重要な施設であり、開業・運営にする場合は「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」についての内容の確認が必要となります。
今回は働いている保護者の代わりに保育、教育を行う「保育所」に焦点をあて、最低基準について詳しく見ていきましょう。
出典:地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(地方分権一括法)について
児童福祉施設基準には、必要な職員の配置基準や設備基準などを詳しく示しています。
基準内容は以下の通りです。
子どもの人数に対して必要な保育士の配置基準が設定されています。
上記の他、1人以上子どもを預かっている場合は常時2人以上の保育士を配置することを義務づけています。保育士の他に嘱託医または調理員の設置が必要です。(調理を全て委託する場合は調理員の設置は不要)
また、2016年4月から保育士配置基準については以下のような規制緩和措置が行われました。
このような緩和基準を把握したうえで職員を配置する必要があります。
<設備の基準>
医務室、便所、調理室(委託しない場合)、屋外遊戯場(近所の公園、神社の境内などの代替えも可能)を設置する必要があります。
<保育時間>
保育時間は原則、1日8時間です。また、各地方や保護者の労働時間、家庭の状況などを考慮して保育所の長が定めることが可能となっています。
<保育の内容>
保育所による保育内容については厚生労働省が定める「保育所保育指針」に従って行われます。
この他にも保護者との密な連絡や職員への業務の質の評価・改善などが明記されています。
出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第(三十三条)/厚生労働省
児童福祉施設最低基準における保育所の内容について紹介しましたが、近年、保育所を取り巻く問題としてどのようなものが挙げられるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
厚生労働省の「保育を取り巻く状況についてp12」によると女性の就業率(25歳~44歳)とともに1、2歳児保育利用率は年々増加傾向にあります。
働く女性が増える中、保育施設の受け皿の拡大が求められています。認可子ども園や地域型保育事業など多様な施設が誕生していますが、都市部では保育所を利用したくても利用できない待機児童の存在が問題視されています。
保育の受け皿の拡大を行うために国の施策としては幼稚園の空きスペースを活用する預かり保育の実施や小規模保育園の推進、ベビーシッターなどの地域の子育て資源の活用を検討しています。
保護者が子どもを安心して預けられるよう、細やかなサービスの提供が求められるでしょう。
保育施設の受け皿の拡充が求められる一方、保育士の人材不足の問題が深刻化しています。
2022年度4月保育士の有効求人倍率2.92倍と高い水準で推移しています。
保育士という仕事の魅力の発信や潜在保育士(保育士資格を保有しながらも保育施設で働いていない)の復職の後押しなどさまざまな対策を講じる必要があるでしょう。
人材不足を防ぐためにも保育士の職場環境の改善に取り組むことも大切です。「労働時間が長い」「仕事が多い」などさまざまな理由から離職してしまう方もいるでしょう。
そういった保育士の不満を解消するためには働きやすい環境を作り上げる必要があります。
保育士は普段の保育活動や行事の企画・運営、衛生管理など職員同士で協力して行う仕事が多いものです。チームワークも大切になる職種のため、そういったチームの信頼関係の構築を強化に取り組む必要もあるでしょう。
出典:新子育て安心プランの概要
保育士の職場環境を改善するうえで注目されているのがICTシステムです。
ICTシステムを導入すれば、園児の情報管理や出席管理、職員の勤怠、シフト作成などを1つのシステムで行うことが可能です。職員一人ひとりの残業時間や有給の把握なども行えるため、労務管理の健全化にも役立つでしょう。
これからも保育士の需要が高まるため、働きやすい職場を作り上げることが重要です。保育士が保育に集中できる環境を整えていきましょう。
保育福祉施設最低基準は児童福祉施設にとって大切な基準となります。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」と名称が改正されましたが、これからも社会の変化にあわせて内容が変更になることもあるでしょう。
保育所については保育の受け皿の拡大や保育士の人材不足など、さまざまな問題が取り沙汰されています。子どもたちを安心して育てられる社会にするために保育士の職場環境の改善に目を向け、ICTシステムの導入なども検討していきましょう。
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