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公務員保育士と私立保育士の違いはなに?年収や仕事内容、働くメリット・デメリット

公務員保育士と私立保育士の違いはなに?年収や仕事内容、働くメリット・デメリット ucchie79/Shutterstock.com
長期的な働きやすさ、待遇のよさを考えて公務員保育士を目指す方も多いかもしれません。私立保育士とはどのような点に違いがあるのか、知りたい方もいるでしょう。年収や勤務時間、仕事内容など「公務員保育士」という職種を、わかりやすく解説します。公務員保育士になるための方法も紹介しているため、参考にしてみてくださいね。

目次

    公務員保育士とは

    公務員保育士とは、公立の保育園や児童福祉施設などで働く地方公務員のことをいいます。

    民間が運営する私立保育園は、保育士資格の取得後に働くことができますが、公立の保育施設で働く場合は保育資格を取得し、地方自治体の採用試験に合格する必要があります。

    2015年の社会福祉施設等調査によれば、公務員保育士の総数は約11.3万人。私立保育士の総数が約21.5万人(いずれも常勤のみ)であることから、公務員保育士の人数が少ないことがわかります。

    待遇がよいという印象がある一方で、人気が高く、公務員保育士として働くことに難しさを感じる方も多いかもしれません。

    ただ、2016年の「保育所で勤務する保育士の採用者と離職者の調査」では、私立保育園の離職者が10.7%に対して、公務員保育士の離職者は5.9%と離職率が低いことから、長期的な「高待遇」「働きやすさ」が期待できるでしょう。

    出典:保育士の経験年数、採用・離職の状況p23/厚生労働省

    公務員保育士と私立保育士の違い

    公務員保育士と私立保育士の違いについて詳しく見ていきましょう。

    給与

    公務員保育士と私立保育士の大きな違いは給与といえるかもしれません。

    厚生労働省の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」の資料によると、保育士の給与の違いはさほどありませんが、経験年数を重ね、主任保育士に昇格した場合の給与は、月額10万円以上違いがあることがわかります。

    • 公立保育士給与:月額30万3113円(年収約363万円)
    • 私立保育士給与:月額30万1823円(年収約362万円)
    • 公立主任保育士給与:月額56万1725円(年収約674万円)
    • 私立主任保育士給与:月額42万2966円(年収約507万円)

            ※平成30年度分の賞与1/12が含まれる

    長期的な勤務を考えると、公務員保育士はその経験に見合う収入を得られることから、離職率の低さも特徴のひとつになります。

    近年、私立保育園においても経験年数に応じてキャリアアップ制度が設定され、研修に参加して役職に就くと、最大4万円の昇給が期待できます。ただ、その制度が行き届いていない私立保育園もあり、依然として公務員保育士との待遇には、大きな差があるようです。

    仕事内容

    公立保育士と私立保育士は、主に子どもを保育する仕事に携わるという点では、同じ業務となります。保育内容については、公立保育園は各自治体で統一される一方、私立保育園ではそれぞれの園で特色に違いがあります。

    英語や運動、音楽など保育園によって取り入れている活動が異なり、特色を活かして子どもたちの育ちを支えています。その中で、自身が賛同できる方針の園を選び、就職する方も多いようです。

    勤務時間

    公立保育士は公務員として業務することから、私立保育園よりも勤務時間の管理が行き届いている可能性があるでしょう。勤務時間は8時~20時前後と、サービス残業が少ないことも考えられます。

    ただ、園によっては残業が長い場合や私立保育園同様、自宅に持ち帰って仕事をすることもあるようです。しかし、その仕事量と見合う給与を支給されることを考えれば、公務員保育士として働きたいと考える方は多いかもしれません。

    異動の有無

    一般的な私立保育園では系列園などがない限り、異動はありませんが、公立保育園では自治体内で2年~4年ごとに転勤があるようです。

    そのため、長期的に同じ園で経験を積みたいという考えがある方は、私立保育園向きかもしれません。

    就職活動

    公務員保育士に合格した場合、すぐに公立保育園に就職できるわけではありません。合格後、各地方自治体の採用候補者名簿に記載され、施設から採用希望があった場合に就職が決定します。

    私立保育士の場合は、養成校からの紹介や求人サイト、人材紹介会社などを介して応募先で面接を受け、採用が決まった時点で就職となります。

    公務員保育士は「採用が決まるまで待つ」、私立保育士は「自ら応募先を決めて採用をつかみとる」ことから、この点に違いがあるでしょう。

    出典:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】/厚生労働省

    公務員保育士として働くメリット・デメリット

    メリット

    公務員保育士となる大きなメリットは、やはり待遇のよさでしょう。また、異動があることで職員が入れ替わり、風通しのよい職場を保てるということも挙げられます。

    福利厚生が充実しており、妊娠・出産しても子どもが3歳になるまで、育児休業をとることができます。

    私立保育士の場合は、基本的に育児休業期間は1歳までとなり、保育所に入所できないなどやむを得ない事情がある場合は、2歳までの延長が可能です。

    このように長期的に働くことを考えると、育児休業が長い公務員保育士は出産後も働きやすい環境といえるでしょう。

    デメリット

    公務員保育士になるためには、地方自治体の採用試験に合格する必要があります。倍率が高く、合格の難しさを考えると、私立保育士としての就職を考える方もいるでしょう。

    また、採用試験に合格したとしても採用候補者名簿に登録後、1年間保育園から採用の申し出がない場合は、次年度に再び試験に臨む必要があります。その点もふまえたうえで、公務員保育士を目指すべきか、考えるとよいかもしれません。

    出典:共済のしおり/厚生労働省

    出典:「育児休業」の延長を予定されている労働者・事業主の皆さまへ/厚生労働省

    公務員保育士になるためには

    公務員保育士になるまでの流れは以下の通りです。

    1. 養成校卒業または保育士試験を受け、保育士資格を取得する
    2. 各自治体の公務員試験の募集要項を確認、年齢制限をチェックしたうえで該当した場合は申し込む
    3. 1次試験:筆記試験の合格後、2次試験:面接、実技試験に臨み、合否が決定する
    4. 合格後、採用候補者名簿に登録、保育園より採用の連絡を待つ

    公務員保育士は倍率が高く、不合格となる方も多いようです。不合格となった場合は気持ちを切り替えて、私立保育士としての就職活動も考えてみましょう。

    私立保育園だけでなく、託児所や認可子ども園、0歳児~2歳児までの子どもを預かる地方型保育事業など、さまざまな保育施設があります。保育方針もそれぞれ違いがあることから、自身が希望する園を慎重に選び、保育士としての経験を積むことが大切です。

    公務員保育士を目指そう

    公立保育園は年々減少しており、民間への移行の流れが続いている状況のようです。しかし、待遇のよさや離職率の低さを考えると、依然として公務員保育士は人気の高い職種といえるでしょう。

    公務員保育士になるには、難しい地方公務員試験に合格する必要があります。

    学習環境を整え、計画的に勉学に励み、公務員保育士を目指していきましょう。

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