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保育園売却のベストタイミングの見極め方。損をしないための逆算アクションプランとやりがちな失敗例

保育園売却のベストタイミングの見極め方。損をしないための逆算アクションプランとやりがちな失敗例 Sergei-Fedulov/stock.adobe.com
保育園を運営していると、将来的に売却や譲渡を選択肢に入れる場面もあるでしょう。しかしM&Aの経験がなければ「いつ動くのが最適か」「損をせずに進められるのか」と不安を抱きやすいもの。売却のタイミングは偶然に訪れるのではなく、日頃の準備によって整えていく必要があります。今回は、財務や人材、将来のシナリオを逆算して進める具体的なアクションプランを紹介し、慎重な経営者が陥りやすい失敗例についても解説します。

目次

    なぜ保育園売却のタイミングは「逆算」で考えるべきなのか

    保育園を運営していると、「将来的には売却や譲渡も選択肢に入るかもしれない」と感じる場面があるでしょう。

    ただ、M&Aの経験がなければ「いつ動くのがよいのか」「損をせずに進められるのか」と迷うことも少なくありません。

    実際に買い手が園を評価するときには、次のような点が確認されることが多いようです。

    • 収益の安定性(黒字が続いているかどうか)
    • 園児の定員充足率や利用率
    • 職員の定着率や労務管理の状況
    • 施設や設備の状態、修繕・安全管理の履歴
    • 行政監査や法規制への対応状況

     

    これらが整っている園ほど安定した運営状態が評価され、条件面で有利になる可能性があります。

    売却のベストタイミングは自然に訪れるものではなく、日頃からの経営改善や準備によって整えていくものと考えられます。

    逆算して準備を進めておけば、「売りたい」と思ったときにスムーズに動けるだけでなく、評価が高まるチャンスも広がるでしょう。

    売却や譲渡の際、損をしないためには、早めに“売却を見据えた経営”を意識することが大切です。

    なお、ネクストビートでは、「ゆくゆくは売却したい」という経営者の方に情報提供や売却・譲渡の流れのご説明などをさせていただいています。検討段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

    ネクストビートに売却相談

    【保育園売却】逆算アクションプラン1.財務と経営データの整理

    売却を意識する際、最初に取り組んでおきたいのが財務状況の整理です。

    収益や支出がきちんと管理されているかどうかで評価が大きく変わってくるでしょう。

    特に注目されやすいポイントを紹介します。

    • 収益と費用のバランス
      黒字を維持できているか、赤字が一時的なものか
    • 経費の管理状況
      人件費・光熱費・備品費などの支出が適正か
    • 決算書や財務諸表の整備
      第三者が見ても理解しやすい状態になっているか
    • 予算や収支計画の有無
      将来の見通しを立てているか
    • 債務の状況
      借入金やリース契約が整理されているか

     

    きちんと園の状況が整理されている状態の場合、「数字に透明性があり、健全に運営されている園だ」と判断されやすくなるでしょう。

    反対に、帳簿が不明確で支出の内訳も曖昧なままだと、買い手は不安を感じてしまい、条件が厳しくなることも考えられます。

    なお、客観的な視点で財務や運営の状況を整理するには、専門家に相談する方法もあります。

    ネクストビートでは、保育業界に精通したアドバイザーが園の状況や経営者の方の不安な点をお伺いしたうえで、経営のアドバイスを行っています。

    経営改善について相談を承っておりますので、お問い合わせください。

    ネクストビートに経営相談

     

    なお、保育園の売却・譲渡についてのお問い合わせもお待ちしていますので、お気軽にご相談ください。

    ネクストビートに売却・譲渡を相談

     

    【保育園売却】逆算アクションプラン2.人材と組織体制の強化

    財務の整理と並んで大切になるのが、人材と組織の安定といわれています。

    どれほど収益がよくても、職員が定着せず人手不足が続いている園は、買い手からリスクが高いと判断されやすいでしょう。

    買い手が確認する主なポイントは以下の通りです。

    • 職員の定着率
      離職が多くないか、継続勤務が見込めるか
    • 雇用契約や就業規則
      法的な不備がなく整備されているか
    • 研修や育成制度
      人材が育つ仕組みがあるか
    • マネジメント体制
      園長や主任が役割を果たせているか

     

    「安心して職員が働ける環境がある園」は、売却や譲渡を有利に進めることができそうです。

    反対に、体制が未整備のままでは不安要素とされ、評価が下がることも考えられます。

    人材や組織の改善は短期間では結果が出にくいものですが、日々の取り組みを積み重ねておくことで安定した運営につながるでしょう。

    まだ売却を考える時期が先の場合でも、早めに手を打っておくことで、高評価が得られる可能性があります。

    【保育園売却】逆算アクションプラン3.将来の引き継ぎシナリオを考える

    売却を検討するときに多くの経営者が悩むのは、「どのような形で園を引き継ぐのがよいのか」という点です。

    将来のシナリオをあらかじめ描いておくことで、迷いを減らし、いざというときに落ち着いて判断しやすくなるでしょう。

    代表的な引き継ぎの形には次のような方法があります。

    • 株式譲渡
      会社ごと引き継ぐ方法。法人格や契約関係をそのまま移せるため、保護者や職員への影響が少ないのが特徴。
    • 事業譲渡
      園の事業のみを切り出して譲渡する方法。不要な資産や負債を除いて引き継げる一方で、契約や許認可を再度取り直す必要が生じる場合もある。

     

    こうした方法を知ったうえで「どんな状況になったら売却や譲渡を検討するのか」をあらかじめ決めておくことも大切です。

    基準を持たずにいると、判断のタイミングを逃す恐れがあります。

    たとえば、次のようなタイミングが目安になりやすいでしょう。

    • 園児の定員充足率が下がりはじめたとき
      → 空きが増えると園の収益が落ち込みやすく、買い手の評価が下がる可能性があります。充足率が高いうちに動いた方が有利な条件を得やすいといえます。
    • 経営者自身の年齢やライフイベントの節目
       → 体力や家族の事情を考えると「まだ余裕があるうち」に動いた方が、スムーズに引き継ぎやすくなるでしょう。急な事情で手放すよりも準備期間を確保できます。
    • 制度改正で収益構造が変わる前後
       → 補助金や公定価格の改定は収益に大きく関係します。改定前は安定性が評価されやすく、改定後は新しいルールに適応できるかどうかが注目されます。どちらにしても制度の動きを意識しておくことが大切です。

     

    このように「いつ動くか」を自分なりに設定しておけば、感覚に頼らずに冷静な判断を下せるでしょう。

    ネクストビートに譲渡の相談

    保育園の売却・譲渡のタイミングを逃した!経営者がやりがちな失敗例

    売却の準備を進めているつもりでも、判断を誤ると条件が悪くなってしまうことがあります。

    次のような失敗には注意が必要です。

    赤字化してから売却に動く

    「しばらく経営状況を見てから」と考えるあまり、赤字が続いてから売却を検討するケースがあるかもしれません。

    しかし、収益が落ち込んでいる状態では買い手からの評価は下がりやすく、選べる条件も限られてしまうことがあります。

    安定しているうちに準備を進めた方が、交渉を有利に進められるでしょう。

    専門家に相談せず独断で進める

    「できるだけ内密に売却・譲渡を進めたい」と考えて、専門家を入れずに独自で動いてしまうことがあるでしょう。

    とはいえ、契約や法的な手続きは複雑で、知識がないまま進めると後々トラブルにつながる恐れがあります。

    特に初めてのM&Aでは、早めに仲介会社や専門家に相談することが大切です。

    第三者の視点を取り入れれば、リスクを避けやすくなり、条件を有利に整えることにもつながります。

    知見がないまま判断を重ねてしまうと、結果的に損をしてしまう恐れがあるでしょう。

    ネクストビートでは、保育業界に特化したアドバイザーが在籍しており、園の実情や経営者の事情をふまえて最適な進め方をご提案しています。

    売却・譲渡をふまえてご相談いただけますので、不安を抱える前にお問い合わせください。

    ネクストビートに無料相談

    準備不足のまま急いで売却に動く

    経営に不安を感じたとき「このままでは大変なことになるかもしれない」と焦って売却に踏み切ってしまうことがあります。

    しかし、財務資料が整っていない場合や職員体制や契約関係の確認が不十分であれば、買い手に十分な情報を示せず、評価が低くなってしまう恐れがあります。

    売却は「早く決めること」よりも「整えてから動くこと」が大切です。

    焦らずに事前準備を進めておけば、結果的に損を避けて、納得のいく条件での売却や譲渡を実現できるかもしれません。

    保育園の売却・譲渡のタイミングは「未来から逆算」して準備するもの

    保育園の売却や譲渡について、慌てて準備を始めても、思い描いた条件を引き出すのは難しい場面が多いでしょう。

    だからこそ、「将来どのように園を引き継ぎたいか」というゴールを先に描き、逆算して日々の経営を整えていくことを考えてみましょう。

    逆算の発想を持てば、売却価格を高めるだけでなく、「いつ動くべきか」という判断をしやすくなりそうです。

    なお、園の未来を見据えて運営を見直し、改善点を洗い出す際には、第三者の視点を取り入れることも大切です。

    保育業界に詳しい専門家に相談することで、自分では気づきにくい課題を整理でき、売却や譲渡の選択肢も広げやすくなるでしょう。

    ネクストビートでは、保育業界に精通したアドバイザーが経営者の思いに寄り添いながら、売却・譲渡の最適なタイミングや園の運営についてのご相談を承っています。

    園の将来を見据えてどのような準備が必要なのか」「園の運営や人材採用について相談したい」などといったお問い合わせにも対応させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

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