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保育園の売却・譲渡価格の決まり方!相場感と付加価値を高める3つのポイント
目次
保育園の売却・譲渡価格は、不動産や株式のように一律の「相場」が存在するわけではなく、園の「価値」をどう評価するかで決まります。
たとえば、M&Aでよく使われる「利益倍率方式」では、売却・譲渡価格=年間の営業利益×2〜5倍という計算式が用いられます。
例:年間の営業利益が800万円の園で、倍率を3倍とした場合
→800万円×3=2,400万円が価格の目安になります。
このように計算式を当てはめれば、売却・譲渡価格のイメージをつかむことはできるでしょう。
保育園の売却・譲渡価格は、園の財務状況、非財務状況、地域の需要などさまざまな要素が影響します。ここでは、それらの点について詳しく見ていきましょう。
保育園の売却・譲渡価格を決めるうえで、もっとも基本的な要素となるのが財務状況です。
営業利益や資産・負債の状態といった「数字で示せる価値」は、譲受側が「園を引き継いだあとも安定した経営ができるか」を判断するための基本材料となります。
評価ポイントの例は、以下の通りです。
安定した利益の確保と財務情報の整理は、高額の売却を目指すための重要な要素です。
しかし、なかには赤字経営であっても立地条件や今後の需要見込みによって一定の評価がつくケースもあります。
ただし、財務の数字だけで価格が決まるわけではありません。
たとえば、赤字の園であっても、「地域の保育需要が高い」「職員の定着率がよい」といった条件がそろえば、譲受側から評価されることもあります。
つまり、財務状況は大切な基盤ではありますが、最終的な価格は「園の強み(非財務情報)」や「地域の保育ニーズ(市場環境)」とあわせて総合的に判断されることを押さえておきましょう。
保育園の売却価格を決める際には、財務の数字だけでなく「園の保育の質」や「運営の安定性」といった非財務的な要素も重要な評価対象 となります。
数字には直接表れにくいものの、園の実際の魅力を示す材料になります。
売却・譲渡価格の評価ポイントの例は、以下の通りです。
非財務情報は「園が地域にどれだけ信頼され、安定して子どもを預かれる体制を持っているか」を示すものです。
たとえ、財務面で大きな黒字が出ていなくても、入園率が高く、保護者から選ばれている園であれば、譲受側にとって価値ある投資先とみなされやすくなるでしょう。
つまり、園の雰囲気や信頼関係といった“目には見えない魅力”も、売却・譲渡価格を左右する大切な要素なのです。
保育園の売却・譲渡価格は、園そのものの状況だけでなく、地域の子育て環境や人口動態といった外部要因も影響を与えるでしょう。
たとえば、少子化の進行や園の立地条件は、将来的な需要を判断するうえで重要な指標です。
首都圏や大都市圏など子育て世帯が多く、交通の便がよい地域では需要が高く、売却価格も上がりやすい傾向にあるでしょう。
一方で、人口減少が進む地方や通園が不便な立地では、同じ規模の園でも評価が下がる恐れがあります。
評価ポイントの例は以下の通りです。
市場環境については、地域に住んでいれば「子どもの数が減ってきている」「待機児童が多い」といった状況を肌で感じることができるでしょう。
ただし、こうした市場環境は固定的なものではなく、自治体の子育て支援策や保育所整備の方針によって変化する可能性があります。
そのため、売却・譲渡を検討する際は、最新の地域の情報を確認したうえで、エリアごとの「相場感」をチェックする必要があるでしょう。
各エリア「相場感」を知りたい場合は、保育事情に詳しいネクストビートにご相談ください。「売却するべきか迷っている」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
続いて、保育園の付加価値を高める方法について詳しく見ていきましょう。
譲受側は、提示された財務データをもとに園の将来性を判断します。
しかし、数字が整理されていなかったり、読み取りにくい状態だったりすると「不透明な園」と見なされ、評価が下がる恐れがあります。
財務状況を見える化することは、単なる書類準備ではなく、園の信頼性を高めるための戦略的な行動です。
財務状況を整理する際は、以下のように工夫するとよいでしょう。
なお、専門家に財務状況のチェックを受けたい場合は、保育業界の売却や譲渡に詳しい方に任せるとよいでしょう。
ネクストビートでは、専門家の紹介も行っておりますので、お問い合わせお待ちしています。
先述の通り、譲渡価格に影響するのは財務の安定性だけではありません。
子どもにとって質の高い保育を提供しているかは、保護者からの信頼や地域での評価につながり、園の価値を高めます。
保育の質を高めるポイントは、以下の通りです。※一例として紹介
こうした取り組みはすぐに数字には表れませんが、園のブランドや信頼感を形づくり、譲受側から「継続して選ばれる園」と評価される要因になるでしょう。
また、保育の質の向上は、子どもの健やかな成長を支えるうえで重要な取り組みです。
定期的に改善点がないかをチェックし、継続的に見直していくことが大切です。
保育園の売却・譲渡は専門性の高い手続きが多く、準備不足や誤った判断によって「本来より低い価格で手放してしまう」「譲渡後にトラブルが生じる」といったリスクがあります。
そのため、こうした事態を防ぐには、損をしないための戦略を立てることを考えてみましょう。
とはいえ、戦略といっても難しいものではなく、次のような点を意識することが重要です。
M&Aを支援する会社や専門家は数多くありますが、保育園の場合は許認可の確認や自治体との調整など、一般企業のM&Aにはない手続きが多くあります。
そのため、保育業界に精通しているかどうかが選定のチェックポイントになります。
業界特有の事情に理解がある会社であれば、情報収集や行政対応もスムーズに進められ、結果的に園の価値を守ることにつながる でしょう。
保育園の売却・譲渡では、価格だけでなく、譲渡後の運営をどう引き継ぐかも大切です。
「職員の雇用をどう守るか」「保護者への説明をどう行うか」「園の方針をどの程度残すか」など、事前に整理しておくことで、譲渡後の混乱やトラブル防止に役立つでしょう。
保育園の売却・譲渡価格は、財務状況や保育の質、地域の需要といった複数の要素によって変動し、一律の相場を示すことは難しいでしょう。
一般的な計算方法や価格算定の考え方を知っておくことは参考になりますが、実際の評価額は園ごとに大きく異なるのが実情です。
「自園はいくらで譲渡できるのか」を正しく把握するには、M&Aに精通した専門家に確認することが欠かせません。
ネクストビートでは、保育園の売却・譲渡に関するご相談を無料で受け付けています。
まだ検討段階の方でも安心してご相談いただけますので、将来の選択肢を考える第一歩として、ぜひご活用ください。
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