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失敗しない保育園売却の準備。運営体制の見直しで「園の魅力」を高める3つのポイント

失敗しない保育園売却の準備。運営体制の見直しで「園の魅力」を高める3つのポイント あんみつ姫/stock.adobe.com
将来の選択肢として保育園の売却・譲渡を視野に入れるなら、何から手をつけるべきか、悩みますよね。成功の鍵は、早めの準備。売却・譲渡は後ろ向きな決断ではなく、後継者問題などを解決し、大切な園と職員の未来を守るための前向きな方法です。今回は、いざという時に最善の選択ができるよう、保育園の売却準備や価値を高めるためのポイント、運営体制の見直し、売却の準備で揃えるべき書類までを徹底解説します。

目次

    保育園売却・譲渡を将来の選択肢にするための準備とは?

    保育園の経営をするなかで、園の将来を見据えて売却・譲渡を検討している方はいませんか。

    後継者がいない」「信頼できる誰かに譲りたい」といった理由から、いずれ第三者に園を引き継ぐことを考え始める方もいるでしょう。

    大切なのは、いざという時に慌てないよう、日頃から「引き継げる状態」に整えておくこと。

    準備といっても特別なことをするのではなく、これからの園の運営について、以下のように考え方を整理してみるとよさそうです。

    • 何を守りたいのかを明確にする
       例:地域の保育の場を残したい・職員の雇用を守りたい
    • 園を続けていくために必要な条件を考える
       例:職員体制・園児数・運営資金の見通し
    • 第三者に託す選択肢を受け入れておく
       例:他法人への売却・譲渡(M&A)・行政支援による後継者選び

     

    なかには「売却・譲渡」という言葉に抵抗を感じる方もいるかもしれません。

    しかし、「園を守るための手段のひとつ」として前向きに捉え、事前に必要な準備を知っておきましょう。

    保育園はいくらで売却・譲渡が可能?価格が決まる仕組み

    保育園の売却や譲渡について検討し始めたときに、気になるのが「園の価値」。

    どのくらいの価格で引き継いでもらえるのか、不安を抱くこともありますよね。

    保育園には、一律の基準価格があるわけではありません。

    価格は「園の状態や将来性をもとに個別に評価」されるため、園ごとに大きく異なります。

    規模や運営形態にもよりますが、ゼロ円から数千万円程度に収まるケースが多いようです。

    評価の際に重視される主なポイントは、次の通りです。

    • 財務状況
       近年の収支や決算書、借入金の有無など、経営の安定性があるか
    • 園児数・定員充足率
       安定して定員を満たしている園は、今後の収益性も期待できるか
    • 職員体制・定着率
       保育士が充足しており、安定した運営を期待できるか
    • 地域からの信頼・ブランド力
       保護者や地域との信頼関係が構築されているか
    • 園舎や設備の状態
       老朽化の度合いや修繕・更新状況など、今後のコスト面は問題ないか

     

    このような要素を総合的に見て「どのくらいの価値があるか」が判断されるでしょう。

    つまり、保育園の価格は単なる数字ではなく、日々の運営や信頼の積み重ねが反映されるものといえます。

    保育園売却・譲渡に向けた準備は運営・保育体制の見直しが重要

    保育園を売却・譲渡する際には、買い手に「この園を引き継ぎたい」と思ってもらえるような魅力があることが大切です。

    そのためには、経営まわり(運営体制)と日常保育(保育体制)にわけて、見直す点がないかをチェックしてみましょう。

    そのうえで、改善に向けて動き出してみるとよいですね。

    具体的な取り組み例は以下の通りです。

    【運営体制の見直し】

    • 園長・主任・事務など役職ごとに「どの仕事を誰が判断・承認するか」を決めておく
    • 職員配置計画を見直し、欠員時のフォロー・シフト調整ルールを明確にする
    • 職員の育成・評価・面談の仕組みを整える
    • 月1回の運営会議や職員会議を開き、情報や方針を共有する

     

    【保育体制の見直し】

    • 職員が確実に休憩を取れるように、時間帯と担当を把握して配置を見直す
    • 指導計画や児童票、会議記録などを整理する
    • 登降園管理や連絡帳記録など、日常業務をICT化できそうな業務を洗い出す
    • 避難訓練・緊急対応マニュアルを定期的に見直し、全職員に周知する

     

    こうした取り組みは、売却・譲渡の準備になるだけでなく、日々の運営を安定させ、職員が安心して働ける環境づくりにもつながります。

    一度にすべてを整えることは難しいため、できるところから少しずつ取り組みましょう。

    なお、ネクストビートでは、園の安定的な運営を目指すために経営のサポートを行っています。

    売却や譲渡などM&Aの対応、採用や人事に関するお悩みまで、幅広くご相談ください。

     

    ネクストビートに売却・譲渡の相談

    ネクストビートに経営相談

     

    保育園売却・譲渡に備えて園の価値を高める3つのポイント

    保育園を売却・譲渡するときに必要なのは、書類や体制が整っていることだけではありません。

    買い手側に「ぜひこの園を引き継ぎたい」と感じてもらえる魅力が備わっていることも大切です。

    ここからは、園の価値を高めるためのポイントを詳しく紹介します。

    1.職員の定着率を高める

    安定した職員体制は、買い手にとって安心できる要素のひとつです。

    次のような工夫で、職員が長く働ける環境を整えていきましょう。

    • 毎月の面談やアンケートで、悩みや要望を早めに把握する
    • 有給休暇を取りやすい雰囲気をつくる(取得状況を園内に掲示するなど)
    • 研修や外部講座の参加費を一部補助する
    • 担任間でフォローできる体制を整え、急な休みでも負担が偏らないようにする

     

    職員が安心して働ける環境をつくることで、人材の流出を防ぎ、園の安定運営につながります。

    2.園児数・利用率を安定させる

    定員に近い人数を安定して受け入れている園は、将来の収益性が高いと判断されやすいでしょう。

    保護者に選ばれる園づくりを意識した取り組み例は、以下の通りです。

    • 年に数回、園見学会や未就園児向けの親子イベントを開く
    • 施設や保育の様子を定期的にSNSや園だよりで発信する
    • 保護者アンケートを実施し、要望や改善点を把握する
    • 延長保育・一時預かりなど、地域のニーズに合わせた柔軟な受け入れを検討する

     

    安定した園児数を確保すると、将来の経営の見通しを立てやすく、園の魅力を高められるでしょう。

    3.地域や保護者との信頼関係を築く

    保護者や地域からの信頼は、数値では測れない園の強みとなるでしょう。

    園の存在が地域に根付くよう、次のような関わりを意識するとよさそうです。

    • 地域行事やお祭りに園として参加する
    • 保育参観や懇談会で、保護者と話す機会を積極的に設ける
    • 子どもたちの作品や活動を地域施設に展示する
    • 地域の子育て支援拠点と連携し、情報交換や協力を行う

     

    地域や保護者からの信頼がある園は、引継ぎ後も安定して運営できると評価されやすくなるでしょう。

    保育園売却・譲渡の準備で進める情報整理と必要書類をチェック

    保育園の売却や譲渡を進めるときは、園の現状を正しく伝えるための情報や書類をそろえておくことが欠かせません。

    必要な情報が整理されていると、買い手が園の実態を判断しやすくなり、手続きもスムーズに進むでしょう。

    下記のような項目を、確認しながら必要書類を整理しておくとよさそうです。

    一度にすべての書類をそろえる必要はありません。

    日々の業務の中で少しずつ整理を進めておくことで、いざ売却・譲渡を進めるときにも慌てずに対応できるでしょう。

    早めの準備が、安心して次のステップに進むための土台になります。

     

    相談はネクストビートまで

     

    保育園売却・譲渡に関するよくある質問Q&A

    保育園売却・譲渡に関してのよくある質問をまとめました。将来の選択肢として考え始めた方は、参考にしてみてくださいね。

    Q. 売却・譲渡を考え始めるのは、どのタイミングがよいですか?

    A. 「今すぐ売る」と決めていなくても、早めに情報を集め始めるのがおすすめです。

    売却や譲渡の準備には、体制整備や書類整理などに時間がかかるため、まずは情報収集から始めましょう。

    なお、経営に不安を抱いている方は、赤字が続いてしまうと選択肢が限られてしまう場合もあるため、余裕のあるうちに検討を始めておくと安心です。

    赤字経営についてネクストビートに相談

    Q. 保育園を一部だけ売却することはできますか?

    A. 法人ごとの状況によりますが、「事業譲渡」という形で一部を引き継いでもらえる場合があります。

    法人全体を引き継ぐ「株式譲渡」に対し、特定の園や事業だけを切り出すのが「事業譲渡」です。

    法人の契約関係や補助金制度との兼ね合いもあるため、まずは仲介会社に自園の状況で売却・譲渡が可能かを確認するとよいでしょう。

    Q.赤字経営では、売却・譲渡は難しいですか?

    A. 赤字だからといって必ずしも売却・譲渡ができないわけではありません。

    ただし、経営状況が厳しいと評価額が下がったり、条件が限られたりすることがあるため、早めに売却や譲渡に動き出すことがポイントです。

    Q. 仲介会社や専門家に相談は必要ですか?

    A. 売却や譲渡には法律・税務・契約など専門的な知識が必要になるため、仲介会社や専門家に相談することをおすすめします。

    専門家に依頼することで、適切な相手を見つけやすくなり、手続きの不安も軽減できます。

    ネクストビートに相談

     

    保育園売却・譲渡の準備を進めるために仲介会社・専門家へ早めに相談しよう

    売却や譲渡は、大きな判断になるからこそ慎重に進めたいものです。

    いざというときにスムーズに対応するためにも、「まだ売ると決めていない段階」から専門家に相談して情報を集めておくことがおすすめです。

    ネクストビートでは、保育園を専門に扱うM&A仲介サービスを行っており、経営状況や職員体制、地域ニーズなどをふまえてアドバイスを行っています。

    今すぐ売る予定はないが、将来のために準備を進めたい」と考えている方も、まずは情報収集の一環として、ご相談ください。

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