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保育園の後継者不足が招く経営リスクとは?承継・M&Aで未来をつなぐ解決法
目次
保育園の経営において、後継者不足は単なる「次の担い手がいない」という問題にとどまるものではありません。
準備をしないまま時間が過ぎてしまうと、思いがけない形で園の存続そのものが揺らいでしまうこともあります。
「子どもたちや職員を守りたい」という気持ちがあっても、対応が遅れてしまえば大きなリスクにつながりかねません。
ここからは、後継者不足がどのような形で園に影響を及ぼすのかを見ていきましょう。
後継者が不在のまま経営を続ければ、最終的に廃業や閉園という選択を迫られる恐れがあります。
経営を担う人がいなければ、日々の判断や行政手続き、財務の管理などを進めることができず、園の運営そのものに支障が出てしまう場合があるからです。
園を支える仕組みが回らなくなることで、資金繰りの悪化や認可の継続が難しくなり、結果として園を維持できなくなるケースも…。
その影響は園の経営だけでなく、子どもたちにも及ぶ可能性があるでしょう。
通い慣れた園が突然なくなることは、生活リズムや友だちとの関わりに影響し、発達の大切な時期に大きな負担を与えてしまうこともあるかもしれません。
後継者が決まらない状況は、職員にとって大きな不安要素です。
「この園は続けられるのか」「自分の仕事はなくなるのではないか」という不安から、優秀な人材が早めに転職を選ぶケースもあります。
結果として人材不足が加速し、園の運営がさらに不安定になるという悪循環に陥る恐れがあります。
園の先行きが見えにくくなると、保護者の間には「このまま通わせていて大丈夫か」という不安が広がることもあるでしょう。
安心して子どもを預けられないと感じれば、転園を考える家庭もあるかもしれません。
また、「卒園までこの園で過ごさせたい」という保護者の想いが叶わず、継続して保育を受けられない状況は、日々の生活にも影響を与える恐れもあります。
長年通っている家庭に対しても迷惑をかけてしまうことになれば、経営者としても心苦しい状況となるでしょう。
頭では後継者が見つからないことを理解していても、「もう少し自分が頑張れる」「今すぐ動かなくても大丈夫だろう」と先延ばしにしてしまう方も少なくありません。
しかし、この「まだ大丈夫」という気持ちこそが大きな落とし穴になる恐れも…。
実際にどのような危険性があるのかを詳しく見ていきましょう。
後継者問題を「まだ大丈夫」と先送りしてしまうと、気づかないうちに準備できる時間がどんどん短くなっていきます。
承継先を探すには、財務の整理や園の理念の言語化、候補先との調整など、多くの準備が必要です。
こうしたプロセスには1年以上かかることもあるため、余裕をもって進めることが大切です。
「園児の生活を守りたい」「職員に迷惑をかけたくない」といった思いがあっても、限られた時間では交渉が難しくなることも考えられます。
「もっと早く始めていればよかった」と後悔しないためにも、事業承継について、できるだけ早い段階から準備することが大切です。
経営者自身の体調不良や事故など、突然の出来事は誰にでも起こり得ます。もしそのときに承継の準備が整っていなければ、混乱を招いてしまうでしょう。
日々の意思決定が滞ると、職員は「これからどうなるのだろう」と不安を抱き、保護者からも園の将来に対する心配の声が高まることも考えられます。
信頼関係が揺らぐと、入園希望者の減少や転園の増加につながり、経営面にも大きな影響が及ぶかもしれません。
だからこそ、不測の事態にも対応できるよう、事業承継も視野に入れて準備することは、園を守り続けるための大切な備えとなります。
なお、ネクストビートでは、保育業界に精通したアドバイザーが園の状況や経営者の方の不安な点に寄り添いながら、経営のアドバイスを行っています。
経営改善について相談を承っておりますので、お問い合わせください。
なお、ネクストビートでは、保育園の売却・譲渡に関してサポートさせていただいておりますので、検討を含めてご相談ください。「売却相場を確認してから考えたい」というお問い合わせもお待ちしています。
後継者不足の問題は、ただ待っているだけでは解決が難しいものです。
大切なのは「何を一番守りたいか」を基準に承継方法を考えることです。
ここからは、3つの解決策について詳しく見ていきましょう。
園の文化や理念を残したいと考えるなら、まずは身近な人に園を託せないかを考えてみましょう。
親族に候補がいる場合は、現状の経営状況や今後の見通しを率直に伝え、継ぐ意思があるかを話し合うことから始めます。
保育士資格がなくても、法人の理事長や園長に就くことは可能です。ただし、園の運営を支えるためには資格を持つ人材や経験豊富な職員の協力が欠かせないでしょう。
職員や役員に託す場合は、園内で「将来的に経営を担える人材」を意識的に育てていくことが大切です。
定期的に運営会議に参加してもらったり、経営に関する情報を共有したりすることで、少しずつ経営感覚を身につけてもらえます。
いずれのケースでも、候補者と率直に話し合い、「継ぐ意思があるか」「どんな形なら引き受けられるか」を早めに確認する必要があるでしょう。
園の将来を考えるうえで、地域の法人や事業者に承継する方法があります。
社会福祉法人、学校法人、保育事業を展開している企業などが候補となるでしょう。
まずは、同じ地域で複数の園を運営している法人や、保育関連事業に力を入れている団体に目を向けてみましょう。
また、自治体に相談することで、地域の法人ネットワークや候補となる団体の情報を得られる場合もあるでしょう。
地域によっては事業承継の問い合わせ窓口を設置している場合もあるため、相談してみるとよいかもしれません。
承継先の候補とは、園の理念や地域との関わり方について率直に話し合う必要があります。
相手の経営方針に共感できるかどうかを確かめながら進めましょう。条件のすり合わせに時間がかかることが考えられるため、早めに動き出すことが大切です。
身近に後継者が見つからない場合は、M&Aを活用して承継先を探す方法があります。
仲介会社や専門家を通じて、全国規模で候補を探せるため、選択肢が広がります。
まずは、保育業界に詳しい仲介会社や専門家に相談することを考えましょう。
保育現場について知識がない相談先に任せてしまうと、ビジネス的な側面ばかりが優先されてしまい、園の理念や子ども・職員への配慮が後回しになる恐れがあります。
条件面だけで判断されると、結果的に園の雰囲気や信頼関係を損ねかねません。
そのため、保育業界の実情を理解している専門家を選び、自園の想いを共有しながら候補を探していくことが大切です。
M&Aでは、あらかじめ「譲れない条件」を整理しておくことが大切です。
例としては以下のような要素が挙げられます。
こうした希望条件を明確にすることで、専門家が承継先を探す際に方向性がぶれにくくなり、自身の考えに沿った形で事業承継を進められるでしょう。
ネクストビートでは、大切な園の未来を見据えたうえで、MAに関するサポートもさせていただきます。
「売却・譲渡を視野に経営について相談をしたい」といったお問い合わせにも対応いたします。後継者不足に悩まれている法人様は少なくありません。
園の「これから」を共に考えていきましょう。
保育園の後継者不足は、多くの経営者が直面している課題です。
ここでは、よくある質問を紹介します。
A.可能な場合もあります!
経営が不安定な状況でも、買い手は「現在の赤字」だけではなく、園の立地や保育方針、地域での役割といった将来性を評価します。
定員割れをしていても、改善の余地があると判断されれば承継につながるケースも少なくありません。
A.もちろん可能です。
「今すぐ承継したいわけではないが、将来的にどう動くべきかを知っておきたい」という段階で相談する経営者も多くいらっしゃいます。
早い段階から専門家に相談することで、園の現状を客観的に把握でき、譲渡や承継のタイミングを柔軟に選べるようになります。
準備に時間をかけられる分、自分の希望に沿った条件で進めやすくなるのも大きなメリットです。
A.交渉次第で可能です。
売却や譲渡の際に、「園名を残すこと」「保育方針を引き継ぐこと」を条件として契約に盛り込めば、承継後も理念を大切にしてもらえるでしょう。
候補先を選ぶ段階で、自園の価値観を尊重してくれる相手かどうかをしっかり見極めることが重要です。専門家を通じて条件交渉を進めるとよいでしょう。
保育園の後継者不足は、決して一人で抱えるべき問題ではありません。
子どもたちの安心できる毎日を守り、職員や保護者にとっても信頼できる園であり続けるためには、少しずつでも準備を始めることが大切です。
「どこから始めればいいのだろう…」と迷うときは、ネクストビートにお気軽にご相談ください。
園に込められた想いや歩んできた歴史を尊重しながら、これからの未来に向けた最適な方法を見つけるサポートをさせていただきます。
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