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保育士の退職理由は?仕事量や労働時間がランクイン
目次
保育士の人材不足が深刻化する中で、人材の定着を目指すためにも退職理由を把握することが大切でしょう。
厚生労働省の2019年の調査によると、以下の通りに職場の人間関係で辞める方が3割を占めることがわかりました。
抜粋:保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて/厚生労働省
退職理由として、人間関係の他にも「給与が安い29.2%」、「労働時間が長い24・9%」など勤務条件に不満を感じて辞めてしまう方が多いことがわかります。
職場環境がなかなか改善されずに、職員の一斉退職や大量退職といった運営が困難となるケースもあるようです。
退職者を減らし、人材の定着化を実現するためにも、保育士が辞めてしまう理由について詳しく把握することは重要かもしれません。
保育士が退職する理由について詳しく見ていきましょう。
保育士を離職する場合に「人間関係の悪さ」、「上司や同僚と上手く連携がとれない」などの理由から退職してしまう方が多いようです。
保育士の仕事は現場の職員と協力しながら行い、保育活動や行事の開催、清掃作業などさまざまな場面で関わることがあります。
その際に保育観が合わなかったり、お互いの行動や言動に不満をもった場合に人間関係が悪くなったりすると、ストレスを抱えて辞めてしまう方も少なくありません。
また、同僚との関係だけでなく、上司である園長や副園長、主任保育士さんと信頼関係が築けずに退職してしまう方もいるでしょう。
上司から一方的な指示や保護者対応などでトラブルが起きた場合に、頼れる上司がいないことで不満が募るケースも考えられます。
このような状況が継続すると、働いている保育士さん同士で動揺が広がり、一斉退職や大量退職などを引き起こす場合もあるかもしれません。
保育士は、子どもたちの命を預かる責任感の強い職種ですが、「給与が安い」というイメージをもつ方もいるかもしれません。
実際に常勤で働く女性の一般的な平均年収が386万円(2018年国税省調べ)に対して、内閣府の2019年度の保育士の平均年収は平均勤続年数が11.1年で362万9616円となっていることから、24万円も少ないことがわかります。
そのため、保育に携わることへのやりがいを感じながら、「仕事量が多いにも関わらず、給与が安くて割に合わない」、「長期間働いても年収がアップしない」など不満を抱え、離職を考える方もいるでしょう。
出典:幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果<速報値>p7/内閣府
出典:「民間給与実態統計調査」/国税庁
保育士は仕事量が多い職種といわれており、多種多様な業務を一人で担うことから離職してしまうケースもあるようです。
保育士の主な仕事は以下の通りです。
他にも職員のシフト作成や調整役を担当している場合もあり、手作業で行う場合も多いようです。
書きものや保育活動に使用する作品を製作するために、自宅に持ち帰って業務をすることもあり、プライベートの時間が削られて退職を考える方も少なくありません。
保育士は給与が安いだけでなく、労働時間が長いというイメージをもつ方もいるでしょう。
残業が多いことから、「継続して仕事ができない」と考え、辞めてしまう方も少なくありません。
厚生労働省の調査によると、2019年度の保育士の平均時間外労働は4時間であることがわかりました。
また、実際には休憩時間が取れなかったり、書き物でサービス残業や持ち帰り残業が発生している可能性も考えられるため、労働時間に不満を感じている方は多いかもしれません。
このような勤務実態をみると、残業を減らす対策を立てなければ、人材が定着せずに離職してしまうケースが続くことが懸念されます。
保育士さんの退職理由のひとつが妊娠・出産が挙げられます。
なぜ、育児休暇などを取得せずに辞めてしまうの方が多いのでしょうか。
その理由の一つとして、保育士の仕事と育児の両立が難しいことが挙げられるかもしれません。
仕事量の多さや残業時間の長さを考えると、「家事や育児をこなしながら業務を続けるのは考えられない」というケースもあるようです。
このような現状をふまえ、保育士さんの退職を防止するためにも、職場環境の改善は重要でしょう。
保育士さんは子どもたちのお世話をしたり、見守りを行ったりと体力のいる職種のひとつでしょう。
食事の援助や衣服の着脱、抱っこやおんぶ、子ども同士のケンカの仲裁、指導などさまざまな保育活動を行うことが考えられます。
また、保護者対応や連絡帳の記入など保護者とのコミュニケーションも大切になることから、笑顔や気配りが大切になる仕事かもしれません。
そのため、体調を崩して辞めてしまう方も少なくないようです。
また、職場の雰囲気が悪い場合は精神的に辛い状況が続き、誰にも相談できずに離職してしまうケースもあるでしょう。
保育士の退職理由が分かったところで、保育士の退職を防ぐ方法について紹介します。
保育士の退職を防ぐ方法のひとつが「ICTシステムの導入」です。
ICTシステムはタブレットや携帯電話などを活用して、園児の出席確認や情報管理、職員の労働時間の管理などを一括して行うことができるシステムです。
保育士の仕事は保育活動や指導案の作成など手作業で行うものが多いため、これらの業務を効率的に行うことで残業時間の削減や仕事量の軽減に役立つでしょう。
経済産業省の資料によるとICTシステムの活用により、保育士の業務負担が減ったことが報告されています。
そのため、ICTシステムを導入することで、職場環境が改善され、人材の定着化につながることが考えられるでしょう。
保育士が辞めてしまう理由の3割が「人間関係」といわれています。
退職を防ぐためにも職員間で円滑な関係を構築することが大切でしょう。
園の雰囲気をよくするためには、以下の対策を立てるとよいかもしれません。
特に主任・リーダーの方は、自分の担当業務以外に新人保育士さんの教育などを任される場合もあるでしょう。
業務量の多さから精神的に疲れて新人の保育士さんに威圧的な態度をとってしまったり、感情的になってしまったりする場合もあるかもしれません。
そのため、精神的に落ち着いて仕事ができるように経営者側がケアすることも重要でしょう。
新卒や中途採用の新人保育士さんは、業務に慣れておらず不安を抱えながら仕事をしていることが考えられます。
教育担当や指導計画が曖昧な受け入れてしまうと、「質問があっても聞くことができない」、「この園で働いても成長できない」などの理由から、早期退職してしまう場合もあるかもしれません。
そのため、新人保育士が安心して仕事ができるような体制を整えることが必要となるでしょう。
厚生労働省では「保育士が働きやすい職場づくりの手引き」を作成し、新人育成に対する研修の重要性を言及しています。
このような資料などを参考にして、職員がモチベーションを保ちながら経験を重ねることができるように、教育環境を整えることも大切かもしれません。
出典:保育士が働きやすい職場づくりの手引きp29/厚生労働省
保育士が退職理由としては「人間関係」や「仕事量の多さ」、「労働時間の長さ」などが挙げられるため、人材の定着化を目指すためにも職場環境の整備が重要かもしれません。
特に労働環境の改善のためにはICTシステムの導入による業務の効率化が必要となるでしょう。
補助金制度も確立されているため、園で活用するとどのようなメリットがあるのか、具体的に考えてみてはいかがでしょうか。
キズナコネクトで、ICTシステムに関するご相談やお手伝いを承りますので、お気軽にお問い合わせください。
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