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ファミリーサポートセンターとは?ファミリーサポートセンターを利用した保育について解説!
目次
ファミリーサポートセンターとは、子育て支援事業を行うために設立されたもので、保育園や幼稚園など保育施設としての機能ではなく、地域における「相互援助組織」です。
乳幼児や小学生などの子育て中の依頼会員(預ける側)と子どもの保育活動の援助を希望する提供会員(預かる側)との連絡、調整などを行い、橋渡しの役割を担っています。
厚生労働省の子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)についての資料を引用すると、以下のような組織図となっています。
子どもの保育活動を援助する提供会員(預かる側)においては、保育資格の保有などの規定はなく、援助活動に必要な講習を受けた方が活動を行うことのできる仕組みとなっています。
相互援助活動の実施については原則として、提供会員1人に対して一度に預かることができる子どもの人数は1人です。
また、ファミリーサポートセンターは、子育て支援施設で市町村が運営しており、スムーズに相互援助ができるようにアドバイザーがサポートを行っています。
出典:子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業))厚生労働省から抜粋
ファミリーサポートセンターで利用できる保育内容を紹介します。
保護者の事情によって保育施設、学校などの送迎ができない場合に、提供会員が子どもの送迎役となり、保育活動を行います。
また、児童の習い事の時間などに合わせて送迎なども行っているため、送迎の時間などを依頼、提供会員、アドバイザーの3者でしっかりと確認を行い、連絡漏れがないように気をつけることが大切でしょう。
保育施設や学校の時間外において、提供会員が子どもの預かりを行います。
預かる場所は、子どもの安全を確保できる場所として、依頼、提供会員の自宅、児童館や地域子育て支援センターなど、会員同士の合意のもとで決定します。
各市町村によっては、基本的に提供会員の自宅で預かりを行うなど規定がある場合もあるため、どのような取り決めがあるのかを住まいの市町村に確認するとよいでしょう。
保護者の仕事や他のお子さんの学校行事、冠婚葬祭など、援助を希望する時間帯に合わせて、提供会員が子どもの預かりを行います。
早朝、夜間など急な用事で子どもを預けたい場合にも利用が可能です。
提供会員による病児・病後児の預かりも保育内容のひとつとなっています。
「病児」、「病後児」の対象児の位置づけについては、厚生労働省では、以下のように定めています。
このような対象者の場合は、子どもの様子をしっかりと確認したうえで提供会員に預けることができます。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
ファミリーサポートセンターでは、アドバイザーによる子育て相談を実施しています。
対面の相談だけでなく、電話相談などを行っている市町村もあり、育児について悩んでいる保護者が孤立しないような取り組みを行っています。
ときには依頼会員が提供会員に相談する場合もあり、地域で子育て支援できるような援助を大切にしているのです。
ファミリーサポートの利用については早朝や夜間など、さまざまな時間帯で対応しています。
また、時間帯同様に利用料金についても自治体によって異なりますが、厚生労働省の「2016年全国ファミリー・サポート・センター活動実態調査結果」の資料によると、
平日1時間当たりの基本料金については、300ヶ所のセンターが700円台と最も多く、次に226ヶ所のセンターが600円台、80ヶ所のセンターが500円台という結果でした。
このようなことから、多くのセンターが利用料金について、500円台~700円台に設定していることが分かります。
利用料金の詳細について知りたい場合は、各市町村のファミリーサポートセンターの確認しましょう。
出典:2016年全国ファミリー・サポート・センター活動実態調査結果/厚生労働省
出典:「子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)の実施 について」の一部改正について /厚生労働省
ファミリーサポートセンターを利用する際の基本的な流れについて、「依頼会員側」と「提供会員側」に分けて解説します。
アドバイザーは、希望する保育内容に合わせて提供会員のマッチングを行います。依頼会員側は、どのような保育を必要としているのかを、紹介を受ける前に明確にしましょう。
提供会員側は、講習を受ける必要がありますが、講習時間数において市町村によって違いがあります。
事前に講習日程や時間数を確認し、スケジュールについて把握しておくとよいでしょう。
依頼・提供会員登録の際は、「事前登録説明会」を随時開催している市町村もあるようです。
会員登録は年度ごとに行い、必要に応じて更新、整理を行います。
また、相互援助活動は、提供会員と依頼会員との請負、準委任契約に基づき、子どもの事故に備えて保険の加入が必須となっています。
自治体によって、利用の際の流れが異なる場合もあるため、各市町村に確認するとよいでしょう。
ファミリーサポートセンターは、地域における子育て支援活動を幅広く行っていますが、実際にはどのような現状となっているのでしょうか。
厚生労働省の「2017年地域児童福祉事業等調査結果の資料」の資料によると、全国で984 市町村がファミリーサポートセンターを設置し、会員同士の相互援助活動を実施しています。
センターの設置数は年々増加しており、保育内容について、最も希望者が多いものが、「1~6歳児の一時的な預かり」、次いで「小学生の一時的な預かり」となっています。
このことから、一時的な預かりを必要としている保護者が多く、さまざまな時間帯で会員が依頼できるような取り組みが求められていることがわかります。
全国で幅広く展開しているファミリーサポートセンターですが、どのような課題があるのでしょうか。
会員同士の信頼関係の中で援助活動が行われていますが、子どもが安全に過ごせるような取り組みは大切です。
国としては、緊急救命講習及び事故防止に関する講習を行い、援助を行う会員全員に対して、少なくとも5年に1回必ず実施し、フォローを実施するとしています。
しかし、子どもの安全対策を強化するうえでは、1年に1度の講習を義務づけるなど、各自治体独自で安全対策に力を入れる必要があるでしょう。
ファミリーサポートセンターの会員数は厚生労働省の2019年の調査によると、依頼会員数が55万人、提供会員が13万人と、援助を希望している会員に対して預かり側が少ないことが分かります。
提供会員は子どもを預かるという責任を考えると、なかなか手を挙げにくい現状があるのではないでしょうか。
提供会員が子どもを預かる際に不安や戸惑いがある場合は、ファミリーサポートセンターのアドバイザーが手厚くバックアップできるような仕組みを作ることも必要でしょう。
また、ファミリーサポートセンターについてまだ認知していない方々もいるかもしれません。
子育てを終えた世代がファミリーサポートセンターについて知ることができるように、各自治体が積極的に地域住民に活動の存在を伝えることも重要でしょう。
出典:2017年地域児童福祉事業等調査結果の資料/厚生労働省
出典:子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)について/厚生労働省
ファミリーサポートセンター事業のように地域の住民同士で信頼関係を育み、相互援助活動を行うシステムは、子育て世代を支える為に必要な取り組みとなっています。
センターの設置は年々増加傾向にありますが、手厚い子育て支援を目指すためにも、センター内の環境整備が求められています。
援助活動を支えるアドバイザーの人材育成や業務の効率化を図るためにICTシステムを導入などさまざまな取り組みを行うことが大切です。
少子化の今、子育て支援の輪がさらに広がるように、ファミリ-サポートセンターの取り組みをサポートしていきましょう。
ご入力のメールアドレスに資料を
お送りいたします。
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