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保育ICTシステムの導入率が増加傾向!自治体による活用実態や効果
目次
保育園へのICTシステムの導入が注目される中、国の2023年度のICTシステム推進事業への補助金額予算概要は469億円。昨年よりも67億円増加しており、積極的に導入に向けて取り組んでいることがわかります。
保育士人材の不足に伴い、ICTシステムの活用による業務量軽減・効率化が求められています。しかし、その一方で「システムの利用方法がわからない」「導入後の効果に対して不安がある」など、活用に関して前向きになれない保育施設もあるでしょう。
経済産業省が示した『保育現場のICT化・自治体手続等標準化検討会報告書』をもとにICTシステムの活用実態や効果を紹介します。
保育ICTシステムといっても職員の労務管理に特化したものもあれば、子どもの保育活動に役立つものなど、さまざまな種類があります。
ここでは経済産業省の資料で紹介された活用例を詳しく見ていきましょう。
子どもの登降園を管理する際に、「①保育士が子どもの出席確認を行う②記録する③集計する」といった工程をこなさなければならず、時間がかかる作業のひとつでした。
ICTシステムを活用すれば、ICカードやタッチパネルによる打刻が可能となるため、記録やデータ集計の自動化を行うことができます。保育士の作業が削減され、集計ミスの防止にも役立ったことが報告されています。
子どもの健康管理を行うための検温は欠かせません。しかし、計測後に子どもたちそれぞれの記録を手書き、手入力を行うことから保育士の負担となっていました。
ICTシステムの導入によって「計測→データの記録」が自動で反映されるため、業務が削減され、保育士が保育に集中できる時間が増えたことが伝えられています。
午睡の時間は保育士が子どもたちを15分〜20分おきにチェックし、呼吸や寝姿の確認・記録を交代で行っていました。安全性の確保や事故防止に必要な業務となる一方で、記録に時間がかかることもありました。
ICTシステムの導入により午睡センサーが身体の傾きや腹式呼吸の有無なども検知・自動で記録してくれることから、手作業での入力業務の軽減に役立ったようです。
資料では、1カ月で3.7時間の業務量の削減効果が見込まれるという内容が報告されています。
この他にもICTシステムは職員の出退勤管理やシフト作成、子どもの写真管理など多様な業務のサポートの利用が期待されます。
また、子どもの成長過程や食育計画などのデータをICTシステムに蓄積すれば、職員間の共有もスムーズに進み、保育の質の向上に役立つことが考えられるでしょう。
出典:保育現場のICT化・自治体手続等標準化検討会報告書/経済産業省
次に内閣府の「保育の現場・職業の魅力向上に関する報告書」をもとに、保育ICTシステム導入に関する活用効果について見ていきましょう。
兵庫県富岡市ではモデル園にてICT化に取り組み、業務の効率化を目指した結果、3つの効果が得られたそうです。
<①配布物のPDF化>
紙面で発行していたおたよりをPDF化して配布した結果、印刷時間が1カ月60時間から24分に短縮され、印刷費用も1カ月16000円から100円に軽減、経費の節減につながった。
<②保護者へのコミュニケーションを紙や電話→ICTに移行>
保護者への情報共有をICT化することで情報の把握が早くなり、丁寧な共有が可能になった。
<③保育記録のICT化>
ひとつのシステムでデータ管理がしやすくなったことで、記録の検証が容易になった。
このようにICTシステムの活用は保育士の業務負担の軽減だけでなく、経費節減の他、保護者へのコミュニケーションを図るうえでも役立つことが報告されています。こういった効果を実感するためにもまずは導入を考え、どのようなシステムを自園に活用すべきかを検討する必要でしょう。
保育ICTシステムの導入率が高まる中、自治体からはその効果を実感したという声が届いています。システムの活用は、保育士の働きやすい環境を作り上げるために必要なことでしょう。
また、保育園の方針や業務内容に合ったシステムを活用することが大切になります。中には労務監査に向けて、労務管理に特化したICTシステムを導入したいという保育施設もあるでしょう。
「保育士バンク!コネクト」では補助金制度の活用や導入後のフォローまで幅広くお手伝いさせていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。
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