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ヒヤリハット報告書の書き方と具体例!保育園では食物アレルギー・遊具・誤嚥など
目次
「ヒヤリハット報告書」とは、重大な事故やケガにつながらなかったものの、危険を感じてヒヤッとしたことや、ハッとした出来事を報告する書類のことです。
子どもを預かる保育現場では、食事中や園外活動など、さまざまな場面でヒヤリハットが起こる可能性があります。
保育士は危険を感じた事柄を報告・共有を行い、今後そのような事態にならぬよう、対策を立てることが重要です。
しかし、中には報告書の記載方法に戸惑う方もいるかもしれません。ケガや事故が起こったことで気が動転し、書類作成に不安を抱く場合あるでしょう。
冷静に対処するためにも、事前に報告書のテンプレートや事例、記載の仕方について把握しておくことが大切になります。
報告書をもとに未然に事故を防ぐ対策を立て、園の危機管理体制の整備に役立てていきましょう。
まずはヒヤリハットの報告書の書き方について紹介します。
基本的な報告書のテンプレート例は以下の通りです。
各保育園で報告書の形式が異なる可能性がありますので、勤務先のテンプレートをもとに作成しましょう。
記入者、事故の種類、発生日時、園児の基本情報を記入します。発生時に事故やケガの目撃者が複数いる場合は、きちんと名前を書いておくことで詳細を確認しやすいでしょう。
事故やヒヤリハットの種類を明確に記載し、当時の状況がよくわかるように記入することが大切です。職員間で状況の共有をしっかり行い、「転倒」したのか「落下」したのかなど、振り返ることも必要でしょう。
発生時の原因や状況、対応の流れなどを記入します。中にはケガや事故が起きたショックで感情的になり、文章のまとめ方に戸惑う保育士さんもいるかもしれません。冷静に記載できるように、客観的な視点で書くことを心がけましょう。
園児の身体状況は職員間での共有はもちろん、保護者への説明を行う際に報告書を確認することが多いものです。きちんと説明できるよう、気づいたことがあればできる限り、詳しく記載するとよいでしょう。
発生時の子どもの身体状況を記入します。「右足の膝部分」「後頭部の左側」などをイラストと共に描くとわかりやすいかもしれません。
記入者だけでなく、「他の職員が報告書を読んだときに把握しやすいか」という点もふまえて記載することが大切です。
園児の身体の状況の経過報告と書くことも大切です。病院に通っている場合などは保護者とやり取りしながら、記入していきましょう。
また、記入者は発生時に対応した保育士、経過報告は担任が記載することもあるかもしれません。その場合は、担任名もきちんと書いておくと、職員間で共有する際も確認がスムーズに進みそうです。
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事故やケガが発生した場合に「なぜ」そのような事故が起こったのか、原因を究明後、予防策を記載しましょう。
報告書をもとに、職員配置や子どもの見守り方などを見直しを行い、管理体制に問題はなかったのか振り返ることも重要です。
次に、5つのヒヤリハット具体例をもとに、事故の報告書の書き方を紹介します。
食物アレルギーによる誤飲の報告書の一例です。
リンゴを食べたことによる舌のしびれ(食物アレルギーの可能性あり)
12:50頃 給食時にリンゴを食べた後に○○くんが「舌が痛い」と担任に伝える。
13:00頃 状況の改善が見られず、保護者に連絡し、お迎えを頼む。
○○君はベッドで横になり、安静にしていた。
13:45頃 保護者がお迎えに来て病院へ。
15:00頃 保護者から診断結果の報告。
医師より「食物アレルギー」かもしれないという診断、保護者から給食時やおやつ時にリンゴを食べることを避けたいという相談を受ける。
7/3栄養士、給食員、職員で情報の共有、食物アレルギー関連のプリントを保護者に渡し、記入・提出を求める。
7/7保護者より記入していただいたプリントを職員間で共有し、経過報告についても共有が行われた。
リンゴを食べて10分~15分後位に「舌のしびれ」を感じていた。
保護者より経過報告を受けた。病院より処方された薬を飲むと、すぐに舌のしびれはなくなり、その後も症状は見られなくなった。
遊具の使用中に起きた報告書の一例です。
○○くんがブランコに座っていると○○ちゃんがぶつかり、ブランコから落ちて転倒した。
13:30頃 園庭にて○○くんがブランコに座っていると○○ちゃんがぶつかり、ブランコから落ちて転倒し、右頬をすりむく。見守りの○○が気がつき、保健室にいっしょに同行する。
13:40頃 頬の消毒を行い、傷の手当をする。
13:50頃 保健室で休憩し、○○くんは室外活動に戻る。
ぶつかった○○ちゃんが○○くんに謝り、連絡帳や保護者の方が迎えに来た際に、ケガの状況説明を行う。
右頬をすりむいた。
翌日には頬の傷に絆創膏をせずに活動に参加しており、次第に治癒した。
水遊び中に起きた報告書の一例です。
ビニールプールに入る際に○○ちゃんが足を滑らせ転倒しておでこを芝生にぶつけた。
10:50頃 水遊びの際に○○ちゃんがビニールプールに入る際に足を滑らせて転倒。芝生におでこをぶつけて、赤くなる。水遊びの手伝いの担当者○○が保健室に連れていく。
11:00頃 保健室でおでこを冷やす。泣き疲れてベッドでそのまま寝てしまいそうだったので、着替えを援助する。
11:30頃 ベッドから起きて給食を食べれるとのこと。おでこの腫れも発生時よりはひいていた。保護者の状況を連絡帳やお迎え時に状況を説明して、家庭でも体調の変化がないか様子を見ていただくようにお願いした。
おでこが赤く腫れていた。
おでこを冷やすと腫れもひいて次の日も痛みを訴えていたが、次第に回復した。
プライバシー漏洩の恐れがあった報告書の一例です。
園児の児童票を間違って担任が持って帰り、情報漏洩の恐れ
誤嚥に至る可能性があった報告書の一例です。
製作活動で使われた綿を、○○くんが口に運んでしまい、誤嚥に至る可能性があった。
11:20頃 自由保育中に○○くんが口をもごもごと動かしていたので、担任の○○が口の中を確認したところ、綿を噛んでいたので急いで吐き出させた。
11:30頃 ○○くんを保健室のベッドで休ませたが、お腹が空いた様子だったので、離乳食を食べさせる。
15:00頃 普段通りに活動に参加した後に、保護者のお迎え。保護者に状況を説明し、担任の○○が謝罪した。家庭でも様子を見て欲しいことを伝えた。
口の中に白い綿を含んでいたがすぐに吐き出した。
口の中が気持ち悪いとのことで水を飲ませ、保健室で休ませた。その後、食欲もあり、食事をとって保護者に引き渡した。
ヒヤリハットの報告書は手書きの園もあれば、パソコンなどを使う場合もあるでしょう。
手書きだと修正する際に時間がかかることも考えられ、パソコンやタブレットなどを活用すると簡単に作成できるかもしれません。
その際に、保育ICTシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
保育ICTシステムは園児の出欠確認や個人情報の管理、職員の労務管理などさまざまな事務作業の業務効率化を図る電子システムです。
システムを導入すると、園児一人ひとりの情報をまとめることに役立ち、「ヒヤリハット」の報告書も整理でき、職員間の共有がスムーズに進みそうです。
また、事例などを参考に園独自の事故防止マニュアルの策定や研修会を行う際も、報告書を一括管理しておくと、情報も引き出しやすいでしょう。
保育現場における「ヒヤリハット」はどこにでも潜んでいるものです。
「ヒヤリハット」な場面があったときは詳しい内容を記載した報告書を作成し、予防策を考えていきましょう。
報告書の作成は保育ICTシステムの活用などを視野に入れ、保育士が効率的に記録を残せるような環境を整えることも大切です。
ヒヤリハットの報告書を作成し、子どもたちが安心して過ごせるように体制を整備していきましょう。
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