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子どもが誤飲しやすいもの一覧!おもちゃ・電池・乾燥剤など
目次
誤飲とは、食べ物以外のものを誤って口の中に入れてしまうことをいいます。異物が体内に入ると、呼吸困難などに陥る可能性もあることから注意が必要です。
主に子どもの誤飲事故が多く、厚生労働省が全国8施設のモニター病院(小児科)を対象に行った2018 年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告によると、626例もの誤飲事故が報告されています。
子どもの年齢別に見ると、「6カ月~11か月」が 197 例と全体の3割を占め、「12カ月~17カ月」が 122 例(19.5%)、「3歳~5歳」が 90例(14.4%)となっています。
「6カ月~11カ月」のお子さんはハイハイしたり、つかまり立ちをしたりと行動範囲が広がる時期のため、謝って口の中にモノを運んでしまうことが多くなることが考えられます。
また、食べ物と他の物の区別がつかずに、つい口に入れてしまうこともあるかもしれません。口の中に入れてよいものなのか子どもの区別がはっきりするまでは、特に注意を払い、誤飲を防ぐことが大切です。
出典:2018 年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告/厚生労働省
子どもが自身の気管を刺激されると、咳をするなど「むせる」状態になることは少なくありません。
これは飲食物や唾液が気管に入るために起こることであり、その場合は「誤嚥(ごえん)」と呼びます。
誤飲とよく似た言葉のため、間違えることもあるでしょう。誤飲と誤嚥の意味は、以下のように大きな違いがあります。
子どもがむせる原因は誤嚥(ごえん)の可能性が高く、特に小さな赤ちゃんは飲みものを飲むという行為に慣れていないため、ミルクを飲んでいるときなどはむせることも多いかもしれません。
ミルクの場合は、優しく背中をさすってゲップをさせるなど、落ち着くまで見守ることも大切でしょう。
誤飲が起こってしまう場合に、子どもがどのようなものを口に運んでしまうのでしょうか。
2018年度の厚生労働省の調査によると、家庭内の誤飲事故のうち、たばこが20.8%と最も多いことがわかりました。
出典:2018 年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告p15/厚生労働省から抜粋
続いて、医薬品・医療除外品「17.4%」、食品類「12.3%」と対象年齢には当てはまらないものを誤って口の中に入れてしまう事例が報告されています。
資料をもとに子どもが誤飲しやすいものを一覧にまとめました。
上記の物についてはできるだけ子どもが手の届く場所に置くことを避け、家庭内で誤飲を防ぐために協力しましょう。
出典:2018 年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告p15/厚生労働省
子どもが誤って食べ物以外を口に入れてしまった際に、「水や牛乳を飲ませる」などの対処法を聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、異物の種類によって飲みものを飲ませない方がよいケースもあるため、注意が必要です。
例えば、厚生労働省の資料によると、タバコを口の中に入れてしまった際に水や牛乳を飲ませず、直ちに医療機関に受診することが望ましいとされています。
水を飲むことで害のあるニコチンが子どもの体内への吸収を促進する可能性があるからです。
このように誤飲の対処法は異物によって違いがあるため、医療機関に相談するなど適切な処置を行いましょう。
出典:家庭用品等に係る小児の誤飲事故に関する報告/厚生労働省
たくさんの子どもを預かる保育園ではどのような誤飲対策を行っているのか見ていきましょう。家庭内の事故を防ぐためにも参考にしてみてくださいね。
保育園では床にモノを置いておかず、常に見通しがよい状態を保つことを大切にしているようです。
床がきれいな状態であれば、瓶のフタやボタンなどが落ちたときもすぐに気づき、拾うことができます。
また、壁面を飾る際に画鋲やピンを使うことがありますが、ガムテープなどで落ちないようにガードするなど工夫している園もあるようです。
もしも・・のことを考えて、環境を整えておくことが重要ですね。
保育園ではできるだけ子どもの口の中に入る小さなおもちゃは使用しないように気をつけています。
おままごとに使うものなどは、比較的大きなものを用意して安全に遊べるように心がけています。
また、おもちゃの一部が欠けたり、壊れて外れそうになったりしていないか、定期的におもちゃの点検を行うこともあるようです。
家庭内のおもちゃに関しても危険なものがないか確認することが大切ですね。
保育園では誤飲を防ぐために、職員同士で安全確認を行うことを大切にしています。
子どもに危険が及ばないよう、定期的な清掃を心がけるだけでなく、ヒヤッとした場面があった場合はきちんと報告するなど、未然に事故の防止に努めています。
また、保育施設の中には円滑に職員同士でそのような情報を共有できるように保育ICTシステムを活用している園もあります。
タブレットやパソコンで園児情報を一括管理することができ、職員の報告をまとめる際も役立つようです。
上記で説明したように、保育ICTシステムは園の労務管理や保護者のお知らせ機能などに搭載されていますが、その他に日常的な報告書を作成する機能が備わっているものもあります。
誤飲防止対策を行う際ためには、職員同士で協力することが大切でしょう。
「〇月〇日、〇君のボタンが床に落ちていたので誤飲を招く恐れがありました。定期的に床に危険なものがないか確認が必要です。」
「〇月〇日、おもちゃのプラスチックが一部欠けていました。恐らく、清掃中に欠けた部分を捨ててしまった可能性もありますが、誤飲を防ぐために注意深く園内を見て頂くようにお願いします。」
などさまざまな報告を共有する必要があります。
このような内容を効率的にICTシステムに打ち込んでおけば、確認しやすく、未然に事故を防ぐことにも役立つでしょう。
子どもの誤飲事故は生死かかわる可能性もあります。そのため、普段から徹底して安全管理を行うことが重要でしょう。
子どもの年齢が小さければ、小さいほど誤飲事故が起こる可能性は高まります。事故を未然に防ぎ、子どもに危険が及ばないように気をつけましょう。
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