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保育園のDX化で変わる保育業務!保育ICTの導入で保育はもっと楽になる
目次
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、「デジタル技術が人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」という考え方を起源とした概念です。
スウェーデンの大学教授、エリック・ストルターマン氏が2004年に提唱しました。
DXはあらゆるビジネスシーンで用いられ、「デジタル化」を行う中で、「効率化」「共通化」「組織化」「最適化」といったさまざまなステップを通して、経費削減や業務の手間を省くという意味で使われることが多いようです。
また、IT化という言葉もよく耳にしますが、DXとは目的が異なります。
ITとは「コンピュータとインターネットを利用した技術の総称」を指し、IT技術・デジタル技術を導入し、コスト削減や業務効率化を目的としています。
一方でDXはIT技術・デジタル技術を活用して、事業の組織や構造に変革を起こすことを目的としていることから、「企業全体でデジタル技術をどのように活用するのか」という点が重要になるでしょう。
一般的な企業で取り組まれているDXが、保育現場には関係ないのでは?と考えられる方もいるかもしれません。
しかし、保育現場は「子どもたちを預かる、保育する」という仕事だけでなく、意外と事務作業が多いものです。園児の登園記録や保育日誌や連絡帳、お便り作成や出席簿など、保育士さんが手書きで行う作業がたくさんあります。
また、事務員を雇用していない園では、職員の勤怠管理や勤務表の作成などを保育士さんが担っている園もあることから、業務負担が重く、離職してしまうケースもあるようです。
デジタル技術を活用するDXの考え方を取り入れ、事務作業の削減や効率化を実現できれば、職員の残業や時間外労働を抑えることにつながるでしょう。
結果的に保育士さんの業務負担の軽減や人件費のコストカットに役立ち、園全体の運営に効果をもたらすことが考えられます。
次に、保育現場をDX化を目指すためにはどのようなシステムの導入が必要なのか見ていきましょう。
近年、保育現場の業務の効率化や仕事量の削減を目指すために注目されているのが「保育ICTシステム」です。
タブレットやパソコンの中にシステムを導入し、職員の勤怠管理や園児情報の管理、保護者へのお知らせ配信などを行い、職員の業務をサポートを行います。
保育士の業務の多さは以前から取り沙汰されており、厚生労働省においてもICTシステムの活用を推進し、導入の際の補助金制度を策定しています。
しかし、保育施設の中には「保護者への連絡帳は温かみを感じられる手書きの文章で作成したい」、「おたより作成は今まで通りのやり方で配布していきたい」など業務によっては、デジタル化を好まないケースもあるかもしれません。
その場合は、自園の方針を大切にしながら、デジタル化できる部分をICTシステムで補い、業務の効率化に役立てていきましょう。
出典:令和3年度 保育関係予算概算要求の概要p5/厚生労働省
保育現場でDX化に伴い、ICTシステムを活用する方法について紹介します。
保育ICTシステムには、園児の出欠管理ができ、ICカードをかざすだけで時間を正確に記録することが可能です。
登降園時は、保護者への受け渡しや連絡事項の確認など職員が多忙な時間帯のため、それぞれの園児の登降時間を正確に把握することは難しいケースもあるようです。
ICTシステムを活用すると、登園管理が簡略化され、それぞれの子どもの早退・遅刻にも役立つでしょう。
保育現場では園児の登園管理の他、個人情報管理、職員の勤務表作成などさまざまな事務作業が発生します。
特に「子どもの登園人数による職員の人員調整」や「正社員、パートなど異なる雇用形態に合わせたシフト作成」など勤務表の作成に時間がかかる園が多いようです。
ICTシステムを活用すると、初めに国の配置基準のルールを設定しておけば、子どもの人数に対してどのくらい人員が必要なのか一覧で確認することができます。
その情報をもとに職員の配置の調整を行うことが可能となり、事務作業の時間を大幅に短縮することが期待できます。
事務作業を行ううえで、デジタル化できるものはICTシステムを活用するとよいかもしれません。
園児情報の管理は保育士さんの大切な仕事です。
子どもの基本情報や発育、個性やアレルギー情報などさまざまな記録を残し、子どもの保育環境を整えていきます。
しかし、紙ベースで記録を残していくとデータが膨大になり、情報の整理が難しくなることもあるでしょう。ICTシステムを活用すれば、入力や修正がしやすく、情報の更新もスムーズに行うことが可能となります。
システムで一括管理すると、「この子の情報を知りたい」という場合も一覧で確認でき、職員同士で共有しやすいというメリットもあるでしょう。
2019年の4月から幼保無償化が始まり、無料で保育園を利用できる子どもが増えたことから、保育料の集計作業が前よりも楽になったという園もあるかもしれません。
しかし、延長保育料やおむつ代、給食費などは別途請求しなければならず、依然として料金の集計に時間がかかるという場合もあるようです。
ICTシステムでは、項目ごとに費用を入力することができ、ボタンを押せば合計金額を簡単に出すことが可能です。
園児一人ひとりの情報に合わせてシステム上で費用を整理できるため、保護者にも共有しやすくなるでしょう。
保育士の人手不足が問題視される一方で、運営が上手くいかずに閉園を考える施設もあるかもしれません。
厚生労働省の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると、保育園の経営費の中で人件費が75.1%と多くの割合を占めており、人件費がかさむことで経営が困難になる保育園もあるようです。
職員の適切な給与の支給は重要なことですが、一人ひとりの業務負担が多いことから、残業代がかさむケースもあるでしょう。
そこで、人件費の抑制に役立つのが「保育ICTによるDX化」です。
ICTシステムを取り入れることで、いままで手書きだった作業をデジタル化でき、業務が簡略化されることで、残業代の抑制でき、経費の削減につながるのではないでしょうか。
また、現場の保育士さんの業務負担を減らすことで人材の定着化に結びつくと、採用コストも縮小できるかもしれません。
効率的な運営を目指すためにも、保育ICTによるDX化を考えてみましょう。
出典:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】P3/厚生労働省
保育活動は子どもと保育士の信頼関係やコミュニケーションのうえで成り立つものであり、「デジタル化」できない部分でしょう。
しかし、職員の勤怠管理や園児の個人情報管理、保育料の集計作業はDX化することで、業務の効率化や仕事量の削減に役立ちます。
その分、子どもたちの保育活動に集中でき、保育士さんの仕事に対する意欲も高まることが期待できるでしょう。
職員がよりよい環境で働く為にも保育現場のDX化検討し、ICTシステムの導入について考えてみてはいかがでしょうか。
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