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小規模保育園とは?一般的な園との違いやA型・B型・C型の特徴を解説!

小規模保育園とは?一般的な園との違いやA型・B型・C型の特徴を解説! buritora/stock.adobe.com
待機児童問題の解消に向けて誕生した「小規模保育園」。0歳児~2歳児対象、定員19名以下とした保育施設ですが、類型や保育料、一般的な園との違いがわかりにくいですよね。今回は、小規模保育園について徹底解説。実際に預ける、働くときのメリット・注意点についても詳しくまとめました。

目次

    小規模保育とは?一般的な保育園との違い

    小規模保育園とは「0歳児~2歳児を対象、定員は6名~19名以下」と少人数制の保育園になります。家庭的な環境の中できめ細やかなサービスが受けられることから、需要が高まっています。

    一般的な認定保育園は定員数が最低20名以上で0歳児〜6歳児対象と定められているため、対象児の年齢と定員人数に大きな違いがあります。

    小規模保育園は2015年の「子ども・子育て支援新制度」により、国や自治体から補助が受けられる「認可保育園」として認定された施設となります。

    待機児童問題が深刻化する中で0歳児から2歳児といった低年齢の子どもたちの保育施設が足りず、問題になっていました。

    対象年齢を限定した小規模保育園の誕生によって、待機児童問題も少しずつ改善されています。

    小規模保育園はこれからも保育の受け皿として大きな役割を担うでしょう。

    小規模保育園の3種類の特徴

    小規模保育園には、A型・B型・C型の3つに分類されいます。

    認可前はもともと認可外の保育園が多くありましたが、多様な事業から認可保育園への移行を考え、3種類に分けられました。

    それぞれの特徴について見ていきましょう。

    A型

    A型の園児定員6名~19名以下です。一般的な保育所を小さくした分園型の保育所やミニ保育所に近い形です。

    職員は保育士資格を保有(保健師、看護師なども対象)していることが必須となっています。

    B型

    B型の園児定員6名~19名以下です。A型とC型の中間に位置しており、さまざまな事業から円滑に認可がおりるよう、雇用する保育士の有資格者全体の半分でよいという基準になっています。

    保育士以外は、研修を実施して保育の質の確保を図る取り組みが行われています。

    C型

    C型の園児定員6名~10名以下です。家庭的保育所に近い形で、職員は必ずしも保育士の有資格者でなければならないというわけではありません。

    自治体が行う一定の研修を修了している「家庭的保育者」、または保育士同等以上の知識や技術があると認められた方が従事します。

    それぞれの特徴を以下にまとめました。

    配置基準①

    また一般的な保育所の職員の配置基準は以下の通りです。

    国の基準

    それぞれの大きな違いは園児定員数と働く職員の保育士資格の有無でしょう。

    B、C型については必ずしも職員全員が保育士の資格を保有するという条件はありませんが、園独自の研修などを行い、保育の質の一定の維持や向上について取り組む必要があるでしょう。

    出典:「関係事業等の概要について」/厚生労働省

    小規模保育園の保育料

    小規模保育園の保育料はお住まいの自治体が決定しますが、世帯所得に応じた住民税の所得割課税額によって、世帯ごとに違いがあります。「住民税決定通知書」などに記載されている「所得割課税額」の欄を確認するとよいでしょう。

    保育料計算に使用

    出典:地方税法施行規則第2条で示された納税義務者用の税額通知書様式/総務省からの抜粋

    各自治体によって具体的な保育料は異なるので、お住まいの地域の役所に尋ねるとよさそうです。一般的な保育料の金額を考慮すると、3万円~4万円前後かかる可能性があります。

    また、2019年10月より幼児教育の無償化が始まり、0歳児~2歳児までの住民税非課税世帯は無償化の対象となるため、この点も含めてチェックするとよいでしょう。

    また、各政令都市のランキングや保育料の計算方法を紹介していますので以下の記事も確認してみてくださいね。

    出典:地方税法施行規則第2条で示された納税義務者用の税額通知書様式/総務省

    【保護者向け】小規模保育園に預けるメリット・デメリット

    小規模保育園に子どもを預けることを考えた場合に、どのようなメリット・デメリットがあるのかを紹介します。

    メリット

    アットホームな保育環境

    小規模保育園に預けるメリットのひとつに、一般的な保育園よりも配置職員が多いことから、子どもたち一人ひとりに対して手厚い保育を受けられるという点が挙げられます。

    また、定員が19名以下と園児数も少ないため、保育者と子どもの距離が近いことから、家庭的な雰囲気の中ですごせるかもしれません。

    0歳児~2歳児はおむつ交換や衣服の着脱、食事の援助などさまざまな形で保育者と触れ合う機会も多いものです。

    アットホームな保育環境の中で子どもを預けられるということは大きな魅力でしょう。

    利便性が高く、通いやすい

    小規模保育園は駅の近くなど交通の便がよい場所に設置されていることが多いため、預けやすいという特徴があるようです。

    敷地面積も一般の保育園よりも小規模なので、利便性の高い場所で開園できるということが要因となっているかもしれません。

    交通機関を利用する保護者の方にとって通いやすいという点は園選びの大切な要素となるでしょう。

    異年齢児との深く交流できる

    小規模保育園は、0歳児~2歳児の異年齢の子どもたちが一つの保育室で活動を行うことも多いでしょう。

    上の子が下の子を抱っこしたり、下の子が上の子の真似をしたりと、日常的により深く接することでき、異年齢児との交流を楽しめるのではないでしょうか。

    子ども同士の距離が近いと兄弟、姉妹のような親しみをもった関係が築けて充実した園生活となることが期待できます。

    デメリット

    周りの環境を確認する必要がある

    小規模保育園には園庭がないところが多く、外遊びや身体を動かすことが好きなお子さんの中には物足りなさを感じる場合もあるでしょう。

    そういった環境の中でも散歩や公園遊びを積極的に取り入れている園もあるようです。園選びの際は戸外遊びについてどのような活動を取り入れているのかを確認し、周辺の公園や広場についてチェックしておくとよさそうです。

    3歳児以降の転園先を探さなければならない

    小規模保育園に通うことが可能なのは、2歳児までとなります。3歳児となる年度からは、他の保育園に転園する必要があります。

    小規模保育園には卒園後に転園可能な連携施設があるため、スムーズに転園が決まる場合もあります。しかし、状況によっては定員がいっぱいで受け入れできない園もあるようです。

    そのため、入園時に3歳児以降はどのような形で転園となるのか確認することも大切になるでしょう。

    【保育士向け】小規模保育園で働くメリット・デメリット

    小規模保育園で職員として働くメリット・デメリットについて紹介します。

    メリット

    少人数制でゆったりと関わることができる

    一般的な保育園よりも小規模保育園は職員の配置基準が手厚いことから、少人数制の保育活動となっています。

    大規模の保育園の場合は20人、30人を少ない職員数で担当することが多く、密に関わることの難しさを感じることもあるかもしれません。

    一方小規模保育園は子どもたち一人ひとりとゆったり接することができるため、精神的に余裕をもって仕事に臨めるかもしれません。

    行事が少ないことで休暇が取りやすい

    一般的な保育施設の行事は主に保護者の休日に合わせて土日に開催する場合が多く、なかなか休暇が取れないという保育士さんもいるでしょう。

    小規模保育園は0歳児~2歳児を対象とした保育を行うことから、運動会や発表会といった大規模なイベントが少ないケースもありそうです。

    行事が少ないと「休暇が取りやすい」「普段の保育の集中できる」というメリットもあるでしょう。

    イベントがある場合も少人数で開催することから、一般的な保育園よりも準備の時間があまりかからないため、保育士さんの負担も軽減されるかもしれません。

    乳児保育の経験を積むことができる

    小規模保育園は3歳以上の子は預からないので、乳児保育中心に活動を行うことが考えられます。

    0歳児~2歳児はハイハイしたり、離乳食が食べられるようになったりと発達が著しく、子どもたちの成長を感じる場面も多いかもしれません。

    3歳児未満を中心に経験を積むことができれば、乳児保育のスペシャリストを目指してキャリアを重ねられるでしょう。

    デメリット

    3歳児以降の成長を見守ることが難しい

    小規模保育園は2歳児までを預かる施設なので、子どもたちが3歳を迎える4月には違う園に転園します。

    一般的な保育園は0歳児~6歳児までの最長6年間の成長を見守ることができるため、その点に物足りなさを感じる保育士さんもいるかもしれません。

    ただ、成長が著しい0歳児~2歳児の乳児期を支えることができるため、やりがいを感じる機会も多いでしょう。

    遊びの幅が限られる可能性も

    小規模保育園は園庭がない園も多いため、遊びの幅が限られると感じる方もいるかもしれません。ホールや広場にすぐ移動できるわけではないため、身体を動かす遊びを行う際は工夫する必要がありそうです。

    ただ、そういった環境の中でもたくさんのアイデアを出し合い、子どもたちの園生活を支える保育士さんも多いものです。保育士としてのスキルを高めるうえでよい経験となりそうですね。

    【保育士向け】小規模保育園の求人の探し方

    最後に小規模保育園での勤務を希望する際の求人の探し方を見ていきましょう。

    まずは求人情報サイトを活用し、検索画面に「〇〇〇(お住まいの地域名) 小規模保育園 求人」という言葉を入力すれば、求人情報を簡単に見ることができそうです。

    求人情報をしっかり確認した後に、園のホームページも見てみると雰囲気を知ることができるでしょう。

    また、保育士専門の人材紹介会社の中には、その地域の小規模保育園の求人紹介を受けられる場合も多いようです。小規模保育園は転職先として人気があるため、一度問い合わせしてみるとよいかもしれません。

    小規模保育園について把握しよう

    小規模保育園は、アットホームな環境の中で子どもたちの保育を行うことができるという点は、預ける側・働く側にとって大きな魅力の一つではないでしょうか。

    園の中にはICTシステムという電子システムを導入している施設もあるようです。ICカードをかざすだけで登降園の記録ができるなど便利な機能が備わっています。

    保育士さんの業務負担の軽減にも役立つため、そういったシステムの導入の有無についても目を向けてみるとよいかもしれません。

    待機児童問題の解消に向けて、小規模保育園の存在は大きな注目を集めています。

    概要について把握して保活・転職活動に役立てていきましょう。

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