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【2024年版】保育士の離職防止対策を徹底解説!原因や人材定着へのポイント
目次
保育士は子どもたちの成長と、保護者の社会進出や円滑な子育てを支える大切な職業です。
しかし人材の確保状況は厳しく、2022年10月の有効求人倍率は2.49倍と人材の獲得競争が続いており、多くの園で人手不足であることがわかります。
その一方で、国は待機児童問題の解消や女性の社会進出を支えることを目的に、2024年度末までに約14万人分の保育の受け皿を確保することを掲げていることから、これからも保育士需要が高まるでしょう。
ただ、いくら保育士さんを必要とする施設があったとしても、現場の職員の離職が続くと運営は成り立ちません。
そもそも保育士の離職率はどのような状況なのでしょうか。近年の保育士の離職事情について詳しく見ていきましょう。
厚生労働省の資料によれば、保育士全体の離職率は9.3%。(2017年時点)
公立・私立保育所別の離職率は以下の通りです。
上記の数値を見ると私立保育所の方が公立保育所よりも離職率が約1.8倍高いことがわかります。
その要因として考えられるのは
といった理由が挙げられます。
また、私立保育所は各園の給与や福利厚生、昇給制度なども違いがあるため、格差が生じやすく、離職する保育士さんが多いのかもしれません。中には「サービス残業が続く」「福利厚生が手薄で生活が厳しい」などの不満が募り、働きづらさを考えて離職する方もいるようです。
続いて、厚生労働省の資料から保育士さんの経験年数から離職を選ぶ方の傾向を見ていきましょう。
以下のグラフを見ると、経験年数6年未満の保育士さんが全体の約6割を占めています。
10年以上の経験がある方は約20%と少ないことから、経験を重ねる前に辞めてしまう方が多いことがわかります。
若手の保育士さんが辞めてしまうとなかなか人材が育たず、園の運営に支障をきたすことも考えられます。
新人保育士さんの人材の定着化が離職を防ぐ鍵となりそうですね。
出典:保育士の求人有効倍率の推移/厚生労働省
出典:保育士の現状と主な取り組み/厚生労働省
次に保育士が離職する5つの原因について見ていきましょう。
厚生労働省のデータによれば人間関係を理由に33.5%の方が退職していることがわかります。また、給与の安さや仕事量の多さも現場を離れる大きな要因となっているようです。
出典:保育士として就業した者が退職した理由(複数回答)/厚生労働省から抜粋
上記の資料を基に保育士さんが辞めてしまう5つの原因を詳しく解説します。
保育園の規模にもよりますが、クラス単位や学年単位など、少人数の職員同士で協力しながら仕事をすることが多い保育士さん。
その中で園長からの指導に納得できなかったり、ペアの先生と保育観が合わなかったりと、人間関係に不満を抱くケースは多々あるようです。
特に若手職員の場合、気軽に相談できる職員がおらず、孤独感に悩む職員の存在も忘れてはいけません。
保育現場特有の人間関係の難しさから、現場を離れて違う職種に就く方が一定数いると言われています。
保育士は責任の重さに比べて給与が安く、昇給することが難しい職種のひとつかもしれません。
厚生労働省の「2022年度賃金構造基本統計調査」によると、
継続年数が8.2年の正社員保育士の平均年収は約359万円、給与月額を換算すると約30万円となります。
8年間働いていたとしても給与と仕事量が見合わず、現状に不満を抱える方も多いかもしれません。
国はこの状況を重くみて、2022年2月~9月までの期間に月額平均9,000円(収入の3%程度)の引き上げを実施しています。これからも保育士さんの処遇改善に向けて賃金の底上げを行う予定です。
しかし、中にはこういった手当は基本的に認可保育所に支給されるため、手当が行き届かない保育士さんもいるでしょう。
そのため「給与が安い」という理由で辞めてしまう方も多いようです。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
子どものお世話や保護者への対応、清掃や衛生管理、指導案といった書類作成など保育士さんの仕事量は多く、対応しきれずに退職する方もいるでしょう。
また、運動会や発表会などの行事前には準備に追われ、残業が続くことも…。
学年リーダーや主任を任されるとさらに人材の育成、園長と職員とのパイプ役なども担うため、仕事量も多くなりそうです。
こういった状況に不満を感じれば経験年数を重ねる前に離職を考える保育士さんは多いかもしれません。
保育士さんの仕事量や労働時間の長さを考えると妊娠・出産を機会に辞める方もいるでしょう。職場復帰を希望したくても育児と仕事の両立に難しさを感じてしまいそうですね。
保育士さんは子どもをおんぶしたり抱っこしたり、生活全般をサポートする仕事のため、体力のいる仕事ですよね。
「腰を痛めた」「抱っこしすぎて手が腱鞘炎になった」など健康上の理由で退職する方もいるでしょう。特に人手が少ない園では仕事が終わらずに、精神的にも追い詰められることもありそうです。
出典:保育士として就業した者が退職した理由(複数回答)/厚生労働省から抜粋
出典:保育人材の確保に向けた総合的な対策/厚生労働省
出典:賃金構造基本統計調査/厚生労働省
保育士さんは人間関係や待遇への不満を理由に辞めてしまう方が多いようですが、中には働きやすさを感じて離職率が低い園もあるでしょう。
実際に離職率が低い園はどのような取り組みが行われているのでしょうか。
国が定めた職員の配置人数は以下の通りです。
上記は最低基準となりますが、人手が足りずギリギリの人数で保育を行う園も少なくありません。一方で職員が充分子どもと関わることができるよう、配置人数を増やして運営する園もあります。
職員の配置人数が多ければしっかり役割分担ができ、子どもと接する時間も確保できるでしょう。仕事へのモチベーションが高まり、離職率も低くなることが考えられます。
公立の保育所の離職率の低さをみてもわかるように、給与が安定していれば辛いことがあっても生活のために退職を考える方は少ないかもしれません。
また、役職ごとの昇給制度が確立していれば見通しを立ててキャリアアップできそうです。職員も「この園で経験を積みたい!」と考え、離職せずに継続して働く方が多いでしょう。
保育園の離職防止に役立つ対策を立て人材の定着化に取り組みましょう。
ここからは具体的な解決策について詳しく紹介します。
園長や副園長といった管理を担う職員が威圧的な態度で接したり自身の考えを一方的に押しつけたりすれば、職員が萎縮してしまいます。
良好な人間関係を築き上げるためには管理職の方は「縁の下の力持ち」的な存在となり、職員が働きやすいように行動しなければなりません。
【職員への対応】
保育士さんは日々の保育活動や行事、清掃作業などさまざまな場面でチームワークが求められる仕事です。そのため、職員同士の相性も大切になります。
特に担任・副担任の配置の際は、それぞれの人柄やスキルを考えたうえで決定することが重要ですね。
保育士さんの仕事は営業職のように売り上げや達成率を数字で表して評価する仕組みではないため、運営側もなかなか昇給制度を確立することが難しいかもしれません。
しかし、定期的な昇給UPなどが実施されなければ、活躍が期待できる保育士さんも好待遇の異業種への転職してしまうかもしれません。
頼りになるベテラン保育士さんを育てるためにも園独自の昇給制度を確立して保育士さんの待遇の底上げを考えていきましょう。
保育士さんは連絡帳や保育計画、おたより作成など書類仕事が多い仕事です。
実際、次の日の指導案が間に合わず、自宅に持ち帰って対応する保育士さんも…。
ICTシステムを活用してパソコンやタブレットで書類作業を行うことで業務の削減につながります。
中にはパソコンやタブレットの操作が苦手な方もいることから、スキルアップに向けて研修を設定するなどフォロー体制を作り上げていきましょう。
出典:保育士が働きやすい職場づくりのための手引き/厚生労働省
出典:児童福祉施設最低基準
保育士さんの需要が高まる中、今後も人材不足の問題は加速していくと考えられます。
園それぞれの実情に合わせて人材の定着化を目指すことが大切です。
保育士バンク!コネクトでは保育園の業務削減に向けてサポートさせていただきます。
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