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インクルーシブ保育とは?メリット・デメリット、実践例や働き方

インクルーシブ保育とは?メリット・デメリット、実践例や働き方 maroke/stock.adobe.com
子どもたちの多様性を大切にする「インクルーシブ保育」。幼少期の頃から人それぞれの「違い」を知り、コミュニケーションを図ることは差別や偏見をなくすうえで重要な取り組みのひとつといえそうです。インクルーシブ保育とはどのようなものか、実践例や取り入れるメリット・デメリット、保育士さんの働き方のポイントを詳しく解説します。

目次

    インクルーシブ保育とは

    インクルーシブ保育とは子どもの国籍、障がいの有無にかかわらず、同じ空間で生活・教育を行うことです。

    インクルーシブ(inclusive)とは「包括、全てを含んだ」という意味があります。

    インクルーシブ保育を通して子どもたちは個々に必要な支援を受けながら、同じ場で遊び、コミュニケーションを取る中でさまざまな経験を積むことができるでしょう。

    従来は障がいの有無によって入所施設が異なることもありましたが、特別扱いなどはせずに障がいをひとつの個性と捉え共に歩むことで、差別や偏見をなくす取り組みが進められています。

    インクルーシブ保育の実践例

    まずはインクルーシブ保育の実践例を見ていきましょう。

    医療ケアを必要とする子どもと共に

    たん吸引や経管栄養など医療ケアを必要とする子どもが保育室で過ごし、さまざまな形で子ども同士の交流を深めていく取り組みが行われています。看護師さんや研修を受けた保育士さんなどが必要な援助を行いながら、インクルーシブ保育を実践しています。

    国も保育所などでの医療ケア児の受け入れ施設の整備を推進しており、支援体制の構築を目指しています。

     

    障がいのある子へのサポートを実践

    保育園や幼稚園に通う子どもの中には発達の遅れなどで集団生活への適応が難しいケースもあるでしょう。

    保育士さんはその子一人ひとりの特性をふまえて集団生活へのサポートを行う必要があり、子ども同士が互いの違いを理解しながら認め合えるような援助を行うようです。

    保育士の配置人数を増やしたり個別の計画を立て成長を援助したりと、個々の健やかな成長を支援する取り組みが行われています。

    出典:医療的ケア児保育支援事業【拡充】/厚生労働省

    出典:保育を取り巻く状況

     

    インクルーシブ保育のメリット・デメリット

    インクルーシブ保育のメリット・デメリットを紹介します。

    メリット

    子ども

    • さまざまな子の背景や多様性を知ることができる
    • 子どもそれぞれの違いを認識したうえで関わり方を学べる

    自分と他の子の違いを知ることでコミュニケーションを工夫したり思いやりの気持ちを持って接することができたりと豊かな感受性を育むことができそうです。

    保育士

    • 医療などの専門知識や技術を身につけることができる
    • 対応力の向上に役立つ

    外国籍や障がいを持つ子などさまざまな子と接する中で必要な専門知識や技術を磨くことができるでしょう。子ども一人ひとりの発達に応じて対応力が求められる場面も多いため、臨機応援に対処する力が身につきそうです。

    デメリット

    子ども

    • お互いの理解を深めるための時間が必要なケースがある
    • 子どもが劣等感を感じる場合がある

    子どもの中にはお互いの違いを理解するうえで時間がかかる場合もありそうです。

    保育士さんは仲介役として、スキンシップやコミュニケーションを取りながら接することが大切ですね。積極的に関わるときもあれば、主体性を育むために見守る場面もありそうです。

    また、子どもたちの表情や行動をよく観察して落ち込んでいたときは言葉をかけたり遊びに誘ったりと、ケアすることも必要ですね。

    保育士

    • 高いスキルが求められる可能性がある
    • 方針や理念、保育の進め方に戸惑うことがある

    障がいの知識などが必要となる場面ではスキルが追いつかず、不安を抱える場面もあるかもしれません。また、自身の保育観と園のやり方に違いを感じると、どのように行動すればよいのかわからなくなることもありそうです。

    定期的に研修会を開く園もあるため、職員同士でコミュニケーションを取りながら知識・技術の習得に向けて取り組むことが大切ですね。

    インクルーシブ保育施設での働き方のポイント

    保育士さんがインクルーシブ保育施設で働く場合のポイントを見ていきましょう。

    施設方針・理念を理解する

    インクルーシブ保育といっても各施設の方針や理念に違いがあります。保育士さんの役割も異なるため、きちんと方針や理念を理解したうえで不明な点が合った場合は、他の職員に相談するとよいでしょう。

    また、障がいのある子への接し方は他の職員はもちろん、保護者の方と綿密にコミュニケーションを図ることが大切ですね。

    要望などを聞いたうえで連絡帳などに子どもの様子を記入したり家庭での様子を確認したりと、やり取りを積み重ねることで信頼関係の構築に努めるとよいでしょう。

    自分の考えにあわせて勤務先を選択する

    インクルーシブ保育に興味がある方はまず、園見学などに出向き、その園の特色や方針を知ったうえで勤務先を選択するとよさそうです。

    専門知識が必要な場合も多いことから、園の研修体制が整備されているのかを確認するとよいですね。ホームページや求人広告を見て自分が働きたい勤務先かチェックしましょう。

     

    インクルーシブ保育への理解を深めよう

    インクルーシブ保育を通して子どもたちは多くのことを学び、他者を尊重する大切さや思いやりの気持ちを育むことができるでしょう。

    見守る保育士さんはそれぞれが伸び伸びと過ごせる環境を整え、専門知識の習得やスキルの向上を目指せるとよいですね。

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