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幼稚園や保育園での「加配」とは。補助金はいくら支給される?
目次
幼稚園や保育園での「加配」とは、集団生活への参加が難しい障がい児や発達の遅れが気になる子などをサポートするために、通常の職員数に加えて担当者を配置することを意味します。
一般的に担当する職員のことを加配保育士と呼び、公立幼稚園では特別支援教育支援員と呼ぶこともあるようです。
全国の「障がい児保育の受け入れ実施状況」の資料を見ると障がい児の受け入れ施設は年々増加傾向にあることから、これからも加配の職員の需要が高まることが予想されます。
出典:各自治体の多様な保育(延長保育、病児保育、一時預かり、夜間保育)及び障害児保育の実施状況について/厚生労働省からの抜粋
障がい児が増加している背景には、多くの人に発達障がいへの認識が広がったことや乳幼児健診での早期発見、早期診断が進んだことが挙げられるようです。
出典:各自治体の多様な保育(延長保育、病児保育、一時預かり、夜間保育)及び障害児保育の実施状況について/厚生労働省
幼稚園や保育園で障がい児へのサポートを行うためにはその分、人員を増やす必要があります。園側は人件費がかかるため、自治体に補助金を申請することができます。
ここではそれぞれの補助金制度の概要について詳しく見ていきましょう。
幼稚園で加配に関する補助金を申請する場合、自治体に「私立幼稚園等特別支援教育費補助金」の交付を希望するようです。申請する場合は、該当の子どもの診断書や調査票を求められるケースが多いでしょう。
障がいの度合によって1人当たり月額7万3570円と決められているところもあれば、補助単価として39万2000円を予定額として示している場合があるようです。
各自治体ごとに交付に関する内容や補助金額に違いがあるため、HPの閲覧、窓口への確認が必要になるでしょう。
保育園は国による加配制度が確立されており、主に2つの補助金制度があります。(※2017年度時点の補助金額、改定あり)
一つ目は療育支援加算です。療育支援に取り組む際、主任保育士が主任の業務に専念できるように補助の職員を配置するための経費の補助申請が可能です。補助金額は以下の通りです。
特別児童扶養手当支給対象児童受入施設の場合:月額5万7000円
その他の障がい児受入施設の場合:月額3万8000円
(※保育所かつ、処遇改善等加算率15%の場合に適用)
障がい児保育加算とは、障がい児を受け入れる特定地域型保育事業所(居宅訪問型保育を行う事業所は除外)障がい児2人に対して保育士1人を配置するための経費を補助するものです。
障がい児(1、2歳児)1人当たり月額:約14万9000円
(※小規模保育A型事業所⦅定員13~19名⦆かつ処遇改善等加算率15%の場合に適用)
上記の他にも「保育士等のキャリアアップ研修」において障がい児保育の研修を実施した場合は、経費の補助が受けられます。
出典:保育所等における障害のある子どもに対する支援施策について/厚生労働省
出典:保育の担い手確保に向けた緊急的な取りまとめ(案)関係資料p33/厚生労働省
幼稚園や保育園での加配に関して保護者とトラブルが生じるケースがあるようです。
特に多いのが「保護者に加配に関する十分な説明を行わないまま、補助金申請を行われた」という場合です。
「子どもの発達が遅い」「障がいがある可能性がある」と伝えられた保護者の方は戸惑いや不安を抱くことが考えられます。そのさなか、十分な説明が行われないまま、加配に関する申請が行われていたと知った場合は、園側に不信感を抱いてしまうこともあるでしょう。
自治体によっては補助金の申請に伴い、「保護者の方に向けて十分な説明を行う」旨を記載しているケースもあるようです。
保護者の方と良好な関係を築くために制度を活用する旨を伝え、しっかりと説明することが重要でしょう。
幼稚園や保育園で加配の職員を配置される場合、どのようなサポートが期待できるのでしょうか。
ここで詳しく紹介します。
子どもは成長する中で衣服の着脱や排泄など、身の回りのことを自分でできるようになっていきます。
しかし、中には成長のペースが他の子よりもゆっくりで、少しずつ物事を覚えていく子もいるでしょう。ただ、集団生活の場では時系列にスケジュールが決められていることが多いため、ゆっくり行動していると他の子との活動に参加できない場合もあります。
その際に加配の職員がいると、その子のペースに合わせたサポートが期待できます。成長にあわせた声かけなども行ってくれることから、子ども自身も認めてくれる存在が身近にいることで、自信を持って物事に取り組めそうですね。
障がいがある場合になかなか周りとのコミュニケーションが上手くいかない子もいるでしょう。
言語の発達が遅かったり、攻撃的な行動をしてしまったりとその子によって抱えている課題はさまざまです。ときには集団生活の中で「友だちとの接し方が分からない」「自分の気持ちを表現するのが難しい」などと困ることもあるかもしれません。
円滑なコミュニケーションを取ることができるよう、加配の職員が橋渡し役として対応することが考えられます。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
障がいといっても身体的な障がいや自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群などさまざまな種類があります。加配の職員はその子の成長段階や特性を把握したうえで個別に対応してくれるため、子どもも安心して園生活を送ることができそうです。
園側は障がい児を受け入れるうえで子どもの情報管理や記録の共有、補助金の申請対応などさまざまな業務が必要となるでしょう。
特に情報管理についてはプライバシーを保護するためにセキュリティを強化する必要があります。近年ではパソコンやタブレットを活用したICTシステムを導入し、情報漏洩防止に役立てている園もあるようです。
また、ICTシステムを活用すると業務の効率化につながるといわれています。実際に職員の労務管理においてもシフト作成や勤怠修正が容易になったという報告が挙げられています。
事務作業の効率化が実現すれば、子どもと関わる時間が増え、保育の質の向上にも役立つでしょう。
その点も含め、加配に関する情報共有・記録管理などに対してICTシステムの活用を検討するとよいかもしれません。
幼稚園や保育園の加配は、障がい児保育を支えるうえで重要な役割を担います。
担当する職員は子どもたちのサポートはもちろん、保護者への精神的なケアも求められるでしょう。手厚い保育を行うためにも、園側はICTシステムの導入や勤務体制の整備などに取り組むことも大切ですね。
加配における概要や補助金制度などを知って、障がい児保育に関する理解を深めていきましょう。
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お送りいたします。
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