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待機児童が過去最少の2944人まで減少!ただ隠れ待機児童問題の解決に至らず
目次
待機児童とは保育所の利用資格があるにもかかわらず、入所の申し込みを行ったものの、利用できていない未就学児のことをいいます。
2022年4月時点の待機児童は2944人と過去最少を記録しています。
国の施策として認定こども園の設立や地域型保育事業の拡大、保育士の処遇改善などさまざまな取り組みを行っていることから待機児童数の減少に至ったと考えられます。
始めに近年の待機児童数の推移について詳しく見ていきましょう。
全国、都道府県別、年齢別の待機児童の推移を解説します。
引用:2022年4月1日時点の待機児童数について/厚生労働省
近年で最も待機児童が多かった2017年の2万6081人から見ると約9分の1まで、待機児童数が激減していることがわかります。
ただ、地域によっては子どもたちが入所できていない状況にあることから、問題の解消に向けて引き続き取り組むことが重要です。
次に都道府県別の待機児童数について見ていきましょう。
厚生労働省の「保育所等関連状況取りまとめ」での都道府県別の待機児童数は、以下の通りです。
多くの地域で待機児童が減少傾向にありますが、中には400人以上の待機児童がいる都道府県があります。
上記の資料を参考に待機児童の多い地域をランキング形式で紹介します。
主に都市部を中心に待機児童が集中していることがわかります。
沖縄県は年々待機児童が減少しているものの、保育園整備の遅れや保育士不足等の問題を抱えています。待機児童を減らすため保育環境の改善に向けて取り組む必要があるでしょう。
2022年4月1時点の待機児童数2944人に対して、年齢別の児童数について紹介します。
全体の待機児童数のうち、1歳児~2歳児の割合が77.2%と保育所の受け入れ体制が不十分であることがわかります。
育休期間を経て1歳児を預けて仕事を始めたいと考えるご家庭も多いことから、引き続き保育の受け皿の確保が求められます。
また、待機児童が年々減少しているものの、隠れ待機児童の存在や保育士不足問題についても取り沙汰されています。実際にどのような課題があるのか詳しく見ていきましょう。
隠れ待機児童とは、利用したい認可保育所などに入所できていない状況にもかかわらず、国や自治体での待機児童数を数える際にカウントされていない児童のことをいいます。
例えば「保護者が何らかの理由で求職活動を中止している」「特定の保育園のみ希望している」などの理由から入所していない状況にある子どもは、自治体の判断によっては待機児童として数えられないケースもあるようです。
このような隠れ待機児童の存在が取り沙汰されており、全国的な待機児童数は減っているものの、実際は多くの児童がいまだ保育所に入所できていない状況にあると言われています。
隠れ待機児童を減らすためにもまずは、保護者のニーズに合った保育園の増加を目指す必要があるでしょう。
保護者の希望に見合った保育園があれば多くの方が子どもを預け、隠れ待機児童数の減少につながる可能性があります。
これから少子化がますます進み、定員数を満たせずに閉園する保育園も増えることも予想されます。ひとつひとつの保育施設の質を高め、保護者の方が子どもたちを安心して預けられる環境の整備を進めることが大切です。
待機児童の減少が進む一方、保育施設の人手不足は深刻な状況です。
保育士さんの多くは「子どもが好き」「子どもたちと触れ合うことが楽しい」などさまざまな理由から保育施設で働いています。
しかし、仕事量の多さや給与の安さなどの理由に離職し、異業種に転職してしまう方がいるのも事実。
保育施設を増設しても子どもを預かる「保育士」が不足していれば、待機児童問題の解決には至りません。
保育士が安心して働ける環境を作り出し、未来の担い手を育てることも大切でしょう。
保育士は行事の企画、運営や園内の衛生管理、保護者対応など多種多様な業務を担います。
その際に過重労働を理由に、気力や体力が続かずに辞めてしまうケースもあるようです。
人材の確保競争が激化していることから、新規の園を立ち上げても人材の補充に不安を感じる園もあるでしょう。
保育の質を高めるうえで保育士の労働負担の軽減への取り組みが求められます。
待機児童が減少する中で保育士が働きやすい環境を作り上げることが重要です。どのような取り組みが必要なのか、詳しく見ていきましょう。
厚生労働省では、「新子育て安心プラン」として、保育士の人材の確保や就業継続支援、再就職支援、職場環境の改善などに取り組んでいます。
現在働いている職員の離職防止や若年層の保育士の育成を支えるためにも、業務負担の軽減を行うことは重要でしょう。
保育士がやりがいをもって仕事に集中するできるよう、業務量の見直しや行事の縮小などに目を向けることも必要かもしれません。
また、運営者は保育士一人ひとりの勤務状況を把握することも重要です。最近は、労務管理に特化したタブレットやパソコンを活用したICTシステムを導入する園も増えています。
園児の情報や職員の勤務状況、保護者のお知らせ機能なども一括管理でき、職員同士の共有もしやすいため、業務の効率化が期待できます。
システム上で労働時間、残業時間、配置人数やワークバランスを確認できるため、残業時間の短縮にもつながるでしょう。
まずは現場の状況を確認し、園それぞれの実情に合わせて改善策を打ち出すことが大切になりそうですね。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
近年、「子どもの人数に対して必要な保育士の数が少なすぎる」と配置基準問題の見直しを求める声が高まっています。
現在の配置基準はこちら。
特に0歳~2歳の子どもたちは食事や排泄、身の回りの世話に時間がかかることもあるでしょう。その際、少人数で子どもたちを見守らなければならないという状況が続けば、保育士さんの負担は大きくなります。
また、保育士さん自身が子どもに細やかな対応をしたくてもさまざまな業務に追われ、満足に関わることができないケースもあるようです。
保育士の配置基準の見直しはこれからの保育環境を整備するうえで課題の一つとなりそうです。
待機児童数は減少しているものの、隠れ待機児童の存在や保育士の人材確保、配置基準問題解消に向けて取り組む課題は山積しています。
保育施設の拡大は重要ですが、保育の質の向上や保育士の業務負担の軽減など、それぞれの施設が環境の整備に取り組む必要があるでしょう。
また、業務の効率化や仕事量を見直す中で、ICTシステムの導入を検討している施設もあるかもしれません。
その際は、保育士バンク!コネクトがお手伝いさせていただきますので、気軽にお問い合わせください。ICTシステム導入後のフォロー体制も万全!補助金制度のご活用などのご相談もお待ちしています。
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お送りいたします。
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