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待機児童は1.2万人に減少!ただし隠れ待機児童も多くゼロまでは遠い

待機児童は1.2万人に減少!ただし隠れ待機児童も多くゼロまでは遠い milatas/Shutterstock.com
近年、取り沙汰されている待機児童問題。2017年には約2.6万人いた待機児童数が、2020年には1.2万人と減少傾向にあります。しかし、保育園整備の遅れ、子どもを預かる保育士が不足するなど、さまざまな問題が浮き彫りとなっています。待機児童の推移や問題が解決されない原因、対策方法などを詳しく紹介します。

目次

    待機児童とは?

    待機児童とは、保育所の利用資格があるにもかかわらず、入所の申し込みを行ったものの、利用できていない未就学児のことをいいます。

    女性の社会進出により、共働き世帯が増加し、出産後に保育所に子どもを預けて働きたいと考える家庭は多いです。

    しかし、「預けられる保育所が少ない」、「預けたい園の保育士が不足していることから募集を停止している状態」などさまざまな理由から、いまだ待機児童の問題は解決されず、大きな課題となっています。

    国としても、認定こども園の設立や地域型保育事業の拡大、保育士の処遇改善などさまざまな取り組みを行っているものの、いまだ解説には至っていません。

    近年の待機児童の推移などを把握し、問題の解消に向けた解決策について考えてみましょう。

    待機児童の推移(都道府県別・年齢別)

    全国、都道府県別、年齢別の待機児童の推移を解説します。

    全国の待機児童の推移

    待機児童数の推移

    引用:2020年4月1日時点の待機児童数について p12/厚生労働省

    2020年4月1日時点の待機児童は12,439人と、2019年よりも4,333人減少しています。

    近年で最も待機児童が多かった2017年からは13,642人も減少しており、待機児童数は半数以下に減っていることがわかります。

    しかし、地域によっていまだ多くの子どもたちが入所できていない状況にあることから、問題の解消に向けて引き続き取り組むことが重要です。

    都道府県別の待機児童数

    厚生労働省の「保育所等関連状況取りまとめp15」での都道府県別の待機児童数は、以下の通りです。

    全国待機児童数マップ

    抜粋:保育所等関連状況取りまとめp15/厚生労働省

    多くの地域で2019年度よりも待機児童が減少しているものの、いまだに1000人以上も待機児童数がいる都道府県があり、希望通りに入所できていない状況が続いています。

    上記の資料を参考に待機児童の多い地域をランキング形式で紹介します。

    【待機児童ワーストランキング】

    1位 東京都  2,343人 (待機児童率0.73%)

    2位 兵庫県  1,528人  (待機児童率1.31%)

    3位 沖縄県  1,365人 (待機児童率2.19%)

    4位 福岡県  1,189人 (待機児童率0.94%)

    5位 埼玉県  1,083人 (待機児童率0.80%)

    主に都市部を中心に待機児童が集中していることがわかります。

    沖縄県については、保育園整備の遅れや保育士不足などから、多くの子どもたちが入所待ちの状況となっているようです。

    年齢別待機児童数

    2020年4月1時点の待機児童数12,439人に対して、年齢別の児童数について紹介します。

    年齢別待機児童数

    全体の待機児童数のうち、1歳児~2歳児の割合が77.2%と保育所の受け入れ体制が不十分であることがわかります。

    1歳児となると卒乳する子どももいるため、保育所を利用して仕事を始めたいと考えるご家庭も多いようです。

    これからさらに子育てを支援の充実を図るためにも、早急に待機児童問題の解消に向けての取り組みが求められるでしょう。

    出典:保育所等関連状況取りまとめ/厚生労働省

    待機児童ゼロが難しい理由

    待機児童問題が懸念される中で、問題が解消されない理由について詳しく見ていきましょう。

    隠れ待機児童問題

    隠れ待機児童とは、利用したい認可保育所などに入所できていない状況にもかかわらず、国や自治体での待機児童数を数える際にカウントされていない児童のことをいいます。

    例えば、「保護者が何らかの理由で求職活動を中止している」、「特定の保育園のみ希望している」などの理由から入所していない状況にある子どもは、自治体の判断によっては待機児童として数えられないケースもあるようです。

    このような隠れ待機児童の存在が取り沙汰されており、全国的な待機児童数は減っているものの、実際は多くの児童がいまだ保育所に入所できていない状況にあるかもしれません。

    1歳~2歳児向けの保育の受け皿問題

    全国の待機児童数のうち、全体の約8割が1歳~2歳児ということから、保育の受け皿を整備することが重要となるでしょう。

    2015年にスタートした「子ども・子育て支援新制度」の中で、0歳~2歳児向けの保育を中心とした地域型保育事業が展開されました。

    待機児童問題の解消に向けて施設の増設などが期待されますが、「保育の質の維持」、「3歳以降に受け入れ可能な園の整備」など多くの課題があるようです。

    子どもたちの健全な育成を支えるためにも、1歳~2歳児の受け入れ体制の強化は必要なことでしょう。

    保育士の人手不足

    「子どもが好き」、「子どもたちと触れ合うことが楽しい」などさまざまな理由から保育士を目指す方が多いかもしれません。

    しかし、仕事量の多さや給与の安さなどの理由で離職してしまう方もいるようです。

    保育施設を増設しても子どもを預かる「保育士」が不足していれば、待機児童問題の解決には至りません。

    保育士の確保、処遇改善などに取り組み、子どもたちが安心して活動ができる環境を整えることは重要でしょう。

    保育士の過重労働

    保育士は保育活動だけでなく、行事の企画、運営や園内の衛生管理、保護者対応など多種多様な業務を担います。

    その際に過重労働を理由に、気力や体力が続かずに辞めてしまうケースもあるようです。

    人材の確保競争が激化していることから、新規の園を立ち上げても人材の補充について不安を感じる園もあるでしょう。

    そのため、待機児童問題の解消に向けて保育士が長期的に働くことができる環境を整備することが大切です。

    期待される待機児童解消対策

    待機児童問題を解決するための対策方法を紹介します。

    保育士の業務負担の軽減

    厚生労働省では、待機児童問題解消に向けて「子育て安心プラン」として、保育士の人材の確保や就業継続支援、再就職支援、職場環境の改善などに取り組んでいます。

    特に現在働いている職員が離職防止や若年層の保育士の育成を支えるにも、業務負担の軽減を行うことは重要でしょう。

    保育士が働きやすい環境を作り上げ、やりがいをもって仕事に集中することができるように、業務の見直しや行事の縮小などに目を向けることも必要かもしれません。

    その際にタブレットやパソコンを活用したICTシステムを導入する園も増えています。

    園児の情報や職員の勤務状況、保護者のお知らせ機能なども一括管理でき、職員同士の共有もしやすいため、業務の効率化が期待できます。

    保育士の業務量を抑えるうえでも役に立つ機能が備わっているため、導入を検討するとよいかもしれません。

    認定子ども園を増設や移行

    0歳~5歳までの児童を対象に、保育と教育を一体化した施設である「認定子ども園」。

    2019年4月1日時点で7,208カ所あり、待機児童問題の解消に向けてさらなる増設が期待されています。

    また、以前幼稚園や保育園だった施設が認定こども園に移行するケースも増えており、需要が高まっています。

    増設や移行に伴う手続きがスムーズに進めることができるよう各自治体や国が事業者の意向を十分に踏まえたうえで対応する必要があるでしょう。

    各自治体で解消に取り組む

    「待機児童ワーストランキング」を見ると、都市部に待機児童が集中していることがわかります。

    問題の解消に向けて制度の整備なども大切ですが、各自治体の保育状況に合わせて、独自の解決策を打ち出す必要があるでしょう。

    例えば、待機児童ワーストランキング1位の東京では施設の増設を目指して、都有地や民有地、空き家などの活用促進に取り組んでいます。

    また、2位の兵庫県では、各市町村の保育ニーズを的確に把握し、小規模保育園の活用、人材バンクや就職フェアなどで保育士への就労支援などに力を入れているようです。

    このように、自治体が具体的な施策を確立することも待機児童問題を解消するポイントのひとつといえるでしょう。

    出典:待機児童解消に向けた緊急対策について/東京都

    出典:今後重点的に取り組む施策/兵庫県

    待機児童の解消に向けて取り組もう

    待機児童数は1.2万人に減少しているものの、隠れ待機児童の存在や保育士の人材確保など問題解消に向けて取り組む課題は多いようです。

    保育施設の拡大は重要なものの、保育の質の向上や保育士の業務負担の軽減など、それぞれの施設が環境の整備に取り組むことが大切になるでしょう。

    また、業務の効率化や仕事量を見直す中で、ICTシステムの導入を検討している施設もあるかもしれません。

    その際は、キズナコネクトがお手伝いさせていただきますので気軽にお問い合わせください。

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