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【保育施設の労務管理】その持ち帰り仕事は勤務時間?適切なマネジメントはできていますか?
目次
労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間という定義で考えます。いわゆる「拘束されている時間」と捉えるとわかりやすいでしょう。さらに詳しく整理すると、以下のような判断基準で考えることができます。
①時間の拘束(いつ)
②場所の拘束(どこで)
③態度・姿勢に関する拘束(どのような態度、姿勢で行うか)
④仕事の方法・手順に関する拘束(どんなことをどのような方法、手順でどのようにして行うか)
⑤遂行義務(やらなければならない、やらないと評価が下がる)
ケースに当てはめて考えてみましょう。
<ケース1>
事務仕事の時間は取れなくはないけれども、保育室で子どもを見ながらPC作業をするのは仕事が中断されて非効率。だから自宅で集中して作業したい
自宅にいる時間はもちろん就業時間後ですので、①と②の時間と場所の拘束はありません。③の仕事をする姿勢ですが、テレビを見ながら作業をしても誰も咎める人はいません。④の方法や手順も自分の裁量で行っているといえるでしょう。⑤についても、上司からの指示のもとに行う義務はありません。
こうした点から、作業時間があるにもかかわらず、上司の指示や許可がないまま自分の判断で持ち帰った仕事は勤務時間と認められないと考えられます。上司も職場では職員を監督できますが、就業時間後に職場を離れた職員の勤務状況まで確認することはできないからです。
こうした自分の判断で行った持ち帰り仕事は労働時間として認める必要はないといえますが、一方で以下のようなケースは考え方が異なります。
<ケース2>
上司の指示はなかったが持ち帰らざるを得なかった
保育士の就業場所は保育園内ですので、先述した労働時間の定義①②に当てはまらないように思われますが、多くの労働条件通知書を見てみると実は就業場所が限定されていないケースが多いのではないでしょうか。それは園外研修や応援勤務等、園外での勤務も想定されているからです。
このような前提で、たとえ上司からの持ち帰り仕事の指示がなかったとしても、
といった状況の場合は「黙示の指示」があったとみなされ、労働時間として賃金を支払う必要がある可能性があります。
では、持ち帰り仕事にはどのようなリスクがあるか考えてみましょう。
✓新人保育士で保育中は仕事を覚えるのに精いっぱい。事務仕事をする余裕がなく毎日持ち帰らざるを得ない。書き方にも慣れていないのでさらに時間がかかる。
✓子育て中のため、残業ができない。毎日仕事を持ち帰り、子どもを寝かしつけた深夜に事務仕事をしている。
✓管理者として抱えきれないほどの業務があり、帰宅後や休日に対応しないと間に合わない。
こうしたケースでは、持ち帰り仕事がサービス労働になってしまっているリスクだけでなく、パソコンさえ持ち帰れば際限なく仕事ができてしまうという状況でもあるため、長時間労働による心身の健康にも影響を及ぼします。
また、未払い賃金という点で考えると、勤務を行っていた時間分の賃金はもちろん、夜の22時~翌朝5時までは深夜割増賃金となりますし、最低賃金を下回ってしまう可能性もあります(最低賃金法違反)。
こうした時間について、すべてを上司が監督しているわけではないので労働時間の把握は難しいと考えられがちですが、メールの履歴やパソコンを起動していた記録を取ることで時間の算出ができてしまうこともあります。
上司の許可を取らず、自宅のパソコンで作業を行ってしまう場合などは個人情報の漏洩リスクもあります。保育システムを使っていればどの端末からでもアクセスできて便利ですが、セキュリティが脆弱な端末で作業をしてしまうとウィルス感染や情報管理の点で非常に危険です。
いきなり在宅勤務を禁止することが難しいというケースもあるでしょう。このような場合は在宅勤務として正式に承認するためのルールを決めておきましょう。
7次締切分:2024年10月8日 (火) → 交付決定日:2024年11月22日(金) 予定
追加公募対象枠:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠
※確定している募集回のスケジュールになります。以降のスケジュールは随時更新いたします。
※一般的に公募が遅くなるにつれて、通過(採択)率が下がるとされているため、お早めの申請をおすすめしております。
※手続きに時間がかかるため、締切は弊社ヘルプデスクの受付締切日を記載しております。
そして何といっても、「持ち帰り仕事がないこと」は求職者が園選びの基準にするほど重要なポイントとなっています。持ち帰り仕事を当たり前にせず、なくしていくことは採用・定着観点でも絶対に必要です。できるだけ園内で事務仕事ができるよう、ノンコンタクトタイムを生み出すこと、個々の職員について持ち帰らなければならない仕事を日々確認しながら、負荷を分散させたり切り出していくような細やかなマネジメントも意識しましょう。
働き方を見直すうえで、「システム化」と「その過程における時間管理」は密接に結びついています。職員が働きやすい職場づくりのためにも改めて持ち帰り仕事について見直してみませんか?
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