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【PR】【特別対談】こどもの才能を伸ばす!『今日からお家でできること』
目次
「我が子の可能性をもっと伸ばしてあげたい!」そんな願いを持っている保護者たち。今は、InstagramにもYouTubeにも、教育情報がたくさん!ありがたい反面、どれが本当に我が子のためになるの?とわからなくなることも。本当に我が子のためになる教育とは。この疑問に幼児教育の専門家である東京大学名誉教授の汐見稔幸先生と、現場で実践する保育者の森大悟先生が一つの結論を導き出します。
汐見先生:ユニセフが世界の先進国を対象に、さまざまな項目からなる「子どもたちの幸福度調査」を実施しています。2020年のデータですが、たとえば「身体的健康」の項目では、日本は38カ国中1位でした。
一方で「精神的幸福度」では、日本は38カ国中37位。安全で清潔な場所で暮らしていても、生きる楽しさを感じていなかったり、心がいきいきとしていないことがハッキリと出た結果でした。
「精神的幸福度」が高いオランダやデンマークと日本の子育てで大きく違う点があります。それは、オランダなどの親は常に子どもの意見を聞いて、子どもの意見を尊重していること。自分の意見を言えないと、人間として一人前にはなれないと考えられているからです。
たとえば出かけないといけないのに、子どもが遊ぶのをやめてくれないとき。日本では多くの親は「どうしてママの言うことが聞けないの!」などと言ってしまいます。しかしオランダなどの国では、「あなたはどう思う?ママはもう出かけないといけないけれど、どうしたらいいかな?」と必ず問いかけます。これを、まだ喋れない赤ちゃんの頃からやっているのです。
意見を尊重されて育った子どもは、「自分は人間として大事にされている」と感じているため、幸福度が高くなる。親に愛されている実感というのは、「〇〇ちゃん、大好きだよ」という言葉だけで感じるわけではありません。実際の生活のなかで、どれだけ尊重してもらっているか、それを子どもが実感しているかどうかが大切なのです。
子どもがなにかをやろうとしたときに、親が「面白そうなことやってるね」と、あたたかいまなざしで見守ってくれていたら、自分は認められていると感じます。一方で「危ない!なんでそんなことやるの!」と否定されてしまったら、自分は認められてないと感じます。その結果、自分は親からダメな人間だと思われていると感じ、自己評価を下げてしまうのです。
できるだけ子どものやることを見て、聞いて、共感して、自分と違う意見だったら丁寧に聞いてあげて、合意を作っていく。それを丁寧にやっていくことで、子どもは自分を好きになれるのです。「愛してるよ、大好きだよ」と言葉で伝えることも大切ですが、行動が伴っていなかったら意味がありません。
森さん:日本は母性の文化だと言われていて、とにかく大人が守ってあげないといけない、手取り足取りお世話してあげることがよいとされていますよね。着替えや食事の介助も全部やってあげるのが愛情のかけ方だと認識している人もいるかもしれませんが、方向性がちょっと違うのかもしれませんね。
それはお子さんの教育や進路を選ぶときにも言えるかもしれません。親が思い描く道を子どもに行かせるのか。それとも、我が子をじっくり観察して、理解する努力をした上で、子どもの進む道を一緒に考えるのか。これは大きな違いですね。
お子さんは、パパやママとは全く違う好み、理解できない興味、価値観を持っているかもしれません。「え、そんな変わったことに興味あるの?」というときに、本当にお子さんの興味を尊重できるか?が分かれ道だと思うのです。
そこで大事なのは、子どもが「自分でチャレンジしたい」「やってみたい!」と思ったことを、そのままやらせてあげる、ということが幼児期から必要です。結果はどうあれ、自分の意欲を肯定された子は、「この世界は生きる価値がある」とポジティブなマインドが形成され、チャレンジできる子に育つのです。これを大人が理解しているのとしていないのとでは、子どもへの影響はとてつもなく大きいと感じます。
森さん:子どもを認めてあげることが大切と汐見先生のお話にありましたが、認めることを「褒める」ことだと思っている保護者が多いかもしれません。もちろん褒めることは大事ですが、実はけっこうむずかしく、奥が深いものです。
たとえば、いつの間にか褒められることが目的になってしまっているケースもあります。本来は、子どもは自分がやりたいからやっていたことなのに、無闇に褒めることで大人が子どもの意欲を変な方向に曲げてしまいかねません。
ではどうすればいいかというと、たとえば子どもが絵を描いたときに「自分で描きたいと思った」そのこと自体を褒めてみたり、あるいは、「パパはこの色が好きだな」「この色とこの色を組み合わせたんだね」などと、親の主観で感想や事実を伝えることも、よい声掛けの仕方です。
「すごい!」「上手!」「天才!」などと言ってしまいがちですが、それは「褒める」を意識しすぎです。肯定的な「感想」で良いのです。大事なのは、「しっかりみているよ」「私という人間は、あなたに真剣に関わっているよ」という姿勢を示すことなのです。
小林さん:きょうだいがいると、どちらかを褒めるともうひとりは拗ねてしまったりするので、困っています。
汐見先生:日本語には、褒める単語が少ないと言われています。「お利口だね」「頑張ったね」などという褒め言葉を使うと、言われなかった子からすると「私はお利口じゃないの?頑張ってないの?」と感じてしまって当然です。
私は、その子にしかないものを見つけてあげて、それを伝えるのが「褒める」ことなのかなと思っています。「お利口だね」などと一様に褒めることは、子どもの多様で個性的な部分を消してしまう。そうではなく、「〇ちゃんはこんなことできるの」「これができるのは珍しいね」と、個性を見つけて伝えていってあげましょう。
自分の顔は鏡を見ないとわからないように、自分がどんな人間なのかは、自分ひとりではわかりません。他者の自分に対する反応を通じてはじめてわかるのです。「〇〇くんらしいね」と言われると、自分が見てもらえている、認められていると嬉しく感じます。
小林さん:5歳の息子は新しいことに挑戦するのが苦手です。パズルや積み木など好きなことはひとりで集中してやりますが、身体を動かすことなどは苦手で、声をかけてもやりたがりません。
汐見先生:もしかすると、普段から褒めすぎなのかもしれません。褒めるということは、「そのレベルを次も必ずやりなさい」と要求していることと同じです。褒めるのではなくて、共感してあげるといいですよ。子どもがなにか上手にできて「やったぜ!」と思っていそうなときは、「やったねー!」と言えばいい。
そこで「上手上手!」と言ってしまうと、「次も上手にやらないと」と、失敗をどんどん恐れるようになってしまいます。5歳くらいの子は、自分が他人からどう見られるかを気にし始めます。上手にできる自分は評価されるけど、できない自分は評価されないだろうなと思ったら、やりたくなくなってしまうのです。
小林さん:たしかに、褒めたほうがいいのかと思っていました……! 苦手を克服できればと思い体操教室に通っていますが、すぐに「できない」と言って挑戦しないので、どう声をかけたらいいのでしょうか?
汐見先生:その場でやらせようといろいろ声をかけても、ますます意固地になってしまうかもしれないので、まずは「そうかそうかー」と共感しましょう。そして家に帰ったら、「ママもやってみようかな。こうやったらできるのかな?教えてよ」などと言って、遊びながらいっしょにやってみたらどうでしょうか。自然とできるようになってくるかもしれません。
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森さん:実は「親がやらせたい」が勝ってしまい、「子どもが本当にやりたい」ではない場合もあるかもしれません。でも、親の「やらせたい」を一旦横に置いて子どもを観察すると、絶対にどの子も自分の意思でやっていることはたくさんあるのです。それが親のやらせたいこととは違っていても、です。
今のお話で言うと、好きなパズルや積み木に集中していることに目を向けて、「一人でできたね!」などと、できていることに対する声がけをもっと発見できるはず。これを続けていくと、新たなチャレンジにも踏み出すマインドが徐々にできていきます。
子どもは、自分の中のストーリー、つまり自分の感情が動いた時、自ら動きます。パズルは自分のなかで「できる」「楽しい」という感情があるからやるけれど、体操は自分のなかでまだ感情が湧き起こらないから、動かない。
保育園の子どもたちを見ていると、初めての物事に、最初から挑戦できる子もいるし、何カ月もかかる子もいます。それは心のコップに水が溜まっていく速度が子どもによって違うからです。
でも、どの子もいつかコップの水が溢れるときが必ず来て、大人が何も言わなくても子どもは挑戦し始めます。子どもが挑戦できないと親はどうしても焦ってしまうけど、ひとりひとりのペースがあるので、それを待てるかどうか、が大人に問われるところです。子どもたちの「意欲」の時期を見極めて、適切な環境を用意してあげることが重要なのです。
森さん:例えば、練習用のお箸があるように、ボタンにも子どものためのステップがあるべきなのですが、今までそれがなかったのです。
こどもの成長にとって、日常の中でチャレンジと成功体験を重ねることができる場面を増やすことはとても重要で、これを取り入れないのは非常にもったいないことなのです。
当社で開発したi do buttonは、その点で大変評価をいただき、世界3大デザイン賞の一つであるドイツの「iFDesignAward2024」や、「KidsDesignAward2023」優秀賞経済産業大臣賞という大変栄誉ある賞をいただくことができました。
子どもたちは大体2歳を過ぎたくらいからボタンに興味を持つ時期がきます。でも、最初は絶対にできないんですよね。ボタンを穴に入れたあと、手を持ち替える必要がありますが、そこがむずかしい。
それって子どもたちの手先が発達していないからだと思っていたのですが、子どもたちを観察しているうちに、ボタンの形に問題があることに気づいたのです。「子どもにとって親切なデザインではない」と。
せっかく子どもが興味をもって自分でやりたい!と思っているのに、ボタンの形のせいでできないのが現状。だとしたら、子どもが自分でできる形のボタンがあればいいのではと、開発したのが「i do button」です。パジャマは毎日家で着るもので、「できた!」という瞬間を親子で共有することができるので、「i do button」でまずはパジャマを作りました。
今ではシリーズとしてカーディガン、そして園生活でも使えるようスモックもラインナップしています。
モンテッソーリ教育の考えでは、子どもに「自分でやりたい!」という衝動が起こるときが、子どもの伸びるときです。この「自分でやってみたい」という衝動は、幼児期の今しか起こりません。大きくなってからでは取り戻せないチャンスなのです。だから、「やりたいけどできない」障壁を、いかに環境で取り除くかが大切なのです。
長年にわたり幼児教育に携わってきた(株)DiscoveryKids代表の森さんが開発した「i do button」。子どもが自分でボタンをつけて、お着替えをひとりでやりきることができるように、例えば、ナイトウェアには5つの工夫が隠れています。
「i do button」のボタンは、雲のような形をしています。真ん中にくぼみがあることで、ボタンホールにひっかけやすい工夫がされています。
子どもがボタンをやってみたい!と思った時に、なかなかできないのは「子どもの手先が発達していないから」とされてきましたが、実はボタンの形自体が「大人向け」だったのです。せっかく子どもが「やってみたい!」と意欲を持っている貴重な時に、「できた!」を経験させてあげる。成功体験を与えることができるのが、このボタンの特別な形なのです。
第1ボタンの位置が低いから、よく見て、つかんで、とめやすいのです。
「i do button」パジャマは、2色のボタンを使用しています。ボタンの色と合わせたボタンホールの組み合わせを上から互い違いにつけることで、ボタンのかけまちがいを防ぐことができます。
「i do button」のパジャマには、手足をいれる場所を表す「ここだよライン」がついています。どこに手足を通せばいいのかが、直感的にわかります。ナイトウェアが無造作に床に置いてあっても、迷わず自信を持って着ることができます。
「i do button」のパジャマズボンは、まえうしろのないデザイン。せっかく自分で履けたのに、「あー惜しい!前後ろが逆だね」と言われたら、子どものできて嬉しい気持ちは台無しになってしまいます。どちらから履いても正解だから間違いを指摘される機会がなくなります。
森さん:そしてこの度、子どもたちの「自分の意欲が肯定される」機会を増やすために、「i do button」シリーズとして保育園や幼稚園でも使う機会が多い『スモック』を新たに開発しました。お受験のシーンなどで自信をまとう『カーディガン』、家庭での自立を後押しする『ナイトウェア』、やる気モードに切り替える『スモック』と、さまざまなシーンで「i do button」をお選びいただけるようになりました。
子どもたちが生活のルーティンの中で真の「自立」に向けてチャレンジする場面を少しでも多くできればと思います。
鈴木さん:2歳の娘がi do buttonを着た1回目で、初めてボタンをかけられました!! ボタンが留めやすいデザインだとわかるようで、他のお洋服ではボタンに興味をもたなかったのにi do buttonを着てみたら自然とボタンかけを行いたいと思ったようで自らチャレンジしていて、とてもびっくりしました!
子どもならではの「やりたい!」という衝動がくるまで、焦らずに待ってあげること。タイミングがきたら無駄にせず、大人がキャッチしてあげること。
「やりたいけどできない」壁を、大人がいかに取り除けるか。そんな小さなことの積み重ねが、子どもの可能性を大きく広げます。子どもの才能は、親が思いもよらないところにあるかもしれません。せっかくの才能を無駄にしないためには「やってみたい」「楽しい」を突き詰めること。親の役割は、子どもの自信を育み、やってみたい意欲を全力でサポートすることではないでしょうか。
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