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一時保育とは?一時保育の利用が必要なとき8選!
目次
一時保育とは、「一時預かり」や「一時預かり事業」と呼ばれ、家庭において保育を受けることが困難となった乳児又は幼児を対象に、保育所やその他の施設で一時的に必要な保育を行うことをいいます。
一時保育を利用できる施設については、
などが挙げられます。
地域型保育園については、家庭への訪問における保育事業も含まれ、ベビーシッターなどが保護者の代わりに一時保育をすることが可能となっています。
また、上記の施設の他にも、自治体が運営している「ファミリー・サポート・センター」という地域における「相互援助組織」があり、一時的に預けることができます。
この組織は、乳幼児や小学生などの子育て中の依頼会員(預ける側)と子どもの保育活動の援助を希望する提供会員(預かる側)によって形成され、自治体のアドバイザーが連絡や調整を行うシステムです。
一時的に子どもを預けたい保護者が、提供会員に預けることができ、地域で子育てを支援しようという取り組みのため、お住まいの自治体に確認するとよいでしょう。
利用料金については、各施設の利用時間や保育内容によって異なります。
条件によっては幼保無償化の対象のなる場合もあるため、利用する前に料金形態の確認を行いましょう。
保護者が子どもの一時的な預かりを希望する際は、さまざまな施設を利用することができます。
主に保護者が一時保育の利用が必要なときは、
などが挙げられます。
具体的に、どのような事情で一時保育を利用するのか見ていきましょう。
保護者の就業により、「急に仕事が入った」、「仕事の残業がある」という理由から一時保育を利用する保護者は多いことでしょう。
預けている幼稚園や保育園が土日に休園している場合などに、仕事が入り、一時的に子どもを預ける施設を探す保護者の方もいるかもしれません。
また、待機児童が多い都市部などでは、週に数回のパートを始めたときに預け先が見つからずに、定期的に利用する方もいるようです。
家計の事情やそろそろ復職したいという理由から、就職活動を行う保護者が一時保育を利用する場合もあるでしょう。
一時保育は、就職活動に合わせて子どもを預ける場合に、一日制や時間制などさまざまなパターンがあるため、活用しやすいかもしれません。
またハローワークの中には、子ども連れでも安心して仕事の相談に応じ、「安全サポートスタッフ」(保育士)を配置している施設もあります。
ただ、一時保育という枠組みではなく、仕事の相談中に、保護者が子どもに目を配ることを前提としている場合もあるようです。
そのため、「子どもを見ながらだとゆっくり仕事の紹介を受けられない」、「子どもが気になって就職活動がままならない」ということもあるでしょう。
その際は、完全に預けることができる一時保育の利用を考えてみるとよいかもしれません。
兄弟の習い事や買い物など家庭内のさまざまな用事があるときに、一時保育を利用することで保護者の負担の軽減につながることでしょう。
「2人目が人見知りのため、人がたくさんいるところに行くと泣いてしまうから預けたい」、「上の子の行事の準備に忙しいから預けたい」など、各家庭によってさまざまな事情があるかもしれません。
保護者がスムーズに用事を済ませられるように、一時保育を利用するとよいでしょう。
保護者や兄弟が急に病気や怪我で通院しなければならない場合に、一時保育が必要となる方もいるでしょう。
混雑している病院も多く、どのくらい時間がかかるかわからずに、不安になることもあるでかもしれません。
あらかじめ一時保育の延長の対応を行っている施設などをピックアップするなどして、急な傷病時も安心して子どもを預けられるように、いくつかの施設を探しておくとよいでしょう。
子どもが熱が出てしまったり、体調が悪くなってしまったりと普段利用している保育園に通園できない場合もあるでしょう。
一時保育を行う施設の中には、条件があるものの、病児を受け入れている園もあるようです。
保護者の方の中には経済的な理由などで、「子どものそばにいたくてもどうしても仕事に行かなければならない」と、一時的な病児保育を必要とするケースも考えられます。
親の介護と同時に子育てを行っている保護者もいるでしょう。
親の病状によって必要となる介護は異なりますが、「子どもと親をどちらの世話が必要で、気力や体力がもたない」という方もいるかもしれません。
介護の内容によって、病院の付き添いや食事やトイレの援助など時間がかかる場合もあるようです。
その際は子どもを安心して預けることができる一時保育を利用すると、保護者の負担の軽減となるでしょう。
結婚式やお葬式などの行事がある場合に、子どもを連れていくことに不安を感じる保護者もいるかもしれません。
「子どもが静かにできず、会場の中を走り回ってしまうのではないか」、「子どもが泣き出してしまい、迷惑をかけてしまうのではないか」と大切な行事の参列に悩む方もいるでしょう。
安心して参列するためにも一時保育の利用が必要となるでしょう。
保護者の方の中には、子育てに疲れてしまったり、子どもと接する時間が長く、自分の時間がなかなか取れなかったりと、さまざまな理由からストレスを感じている場合もあるでしょう。
核家族が進む中、子どもを預けてリフレッシュしたくても、頼れる身内がいないなどの理由から悩みを抱えて、孤立してしまう保護者の方もいるかもしれません。
「自分の気分転換のために、お金をかけて子どもを預けてよいのか」となかなか一時保育の利用に積極的になれないこともあるようです。
近年は美容院やネイルサロンなどに併設された一時保育サービス事業が展開され、保護者がリフレッシュできるような保育施設が増加しています。
保護者が笑顔で子育てできるように、リフレッシュ目的の利用を促進する取り組みが必要となるでしょう。
厚生労働省の一時預かり事業の実施状況の推移の資料をみると、一時預かり保育事業は2018年時点で9,967ヶ所と2017年度よりも235ヶ所増加しています。
また、利用者数においては2018年時点で4,785,842名と、2017年度よりも1,579,10名減少傾向となっているものの、利用者数が多いことから依然として一時預かり事業の需要が高いことがわかります。
自治体が運営する「ファミリー・サポート・センター」の利用にあたっては、預ける側に対して預かる側である提供会員が不足しており、組織や施設によっては保護者が希望しても、なかなか預かり手が見つからない実態もあるようです。
全国的に需要が高い一時保育ですが、近年の課題はどのようなことが挙げられるのでしょうか。
一時保育の基本的な利用方法としては、施設に予約してから利用します。
しかし、保護者側が予約したもののやはり必要なくなったという理由から、キャンセルとなるケースも少なくありません。
キャンセル料などを徴収していない施設が多いため、急なキャンセルがあった場合に採算がとれないこともあるようです。
また、予約の受付方法などは早いもの順で行われている施設があり、本当に利用したい保護者が利用できないケースが生じています。
このように一時保育における大きな課題の一つとして、予約方法の見直しが挙げられるでしょう。
一時保育を行う施設では、基本的に保育士資格を保有する職員が配置されている場合が多く、仕事内容は多岐に渡ります。
子どもの保育活動だけでなく、園児管理や電話対応、利用料徴収などの事務負担が考えられるでしょう。
一時保育の場合は、施設に通いなれていないことから泣いてしまう子も多く、スムーズに保育活動を行えない場合も少なくありません。
泣いている子どもをあやしながら、事務作業を行わなければならないケースもあり、保育士一人ひとりに対して仕事量と責任量が給与と見合わない職場も多いのではないでしょうか。
このような状況を踏まえて、職員の待遇改善のための賃金の増加やICTシステム導入による事務負担の軽減などが挙げられるでしょう。
一時保育の利用には、仕事や就職活動、親の介護や冠婚葬祭などさまざまな理由が考えられます。
毎日の子育てと向き合う中で、リフレッシュ目的に一時保育を利用する方もいますが、お金を払って子どもを預けるということに対して、罪悪感を感じる方もいるようです。
しかし、悩みやストレスを抱えたまま子どもと接していると、感情的になってしまったり、体調を崩してしまったりと、辛い状態に陥る保護者の方もいるのではないでしょうか。
保護者の孤立化を防ぐためにも、「一時保育の無料クーポンの配布」や「一時保育における子育て相談事業の拡大」など、気軽に利用できるような取り組みが求められているでしょう。
また、一時保育事業側のICTシステム導入における労働環境の改善や保育士の待遇改善など、よりよい環境の中で子どもを保育できるような取り組みが必要です。
需要が高い一時保育だからこそ、環境整備に重点を置き、保護者が安心して預けられる施設を構築していきましょう。
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