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夜間保育とは?全国の設置状況や料金、保育士の仕事内容

夜間保育とは?全国の設置状況や料金、保育士の仕事内容 理絵 ジュト/stock.adobe.com
夜に働く保護者にとって重要な施設「夜間保育所」。厚生労働省の資料によると、2021年度の認可の夜間保育所は全国に75カ所ほどあります。通常の保育とは異なり、基本的に夜10時まで保育の対応できる夜間保育について詳しく解説します。利用料金や保育士として働く場合の仕事内容、メリット・デメリットについてもまとめました。

目次

    夜間保育とは~保育時間・全国の設置状況~

    夜間保育とは、保護者の就労等の事情で夜間に家庭での保育が難しい場合に保護者に代わって子どもを預かるサービスです。

    厚生労働省によれば、認可の夜間保育は原則として「開所時間を11時間、原則夜10時」までとしています。

    また、認可の夜間保育施設がある一方、ベビーホテルなどの認可外保育施設もあります。認可外保育施設には「24時間体制」「宿泊可能」などがあり、保護者の方の多様なニーズに応えています。

    認可の夜間保育所の設置状況の推移は以下の通りです。2021年度には、全国で75施設の夜間保育所があります。近年の設置状況は80ヶ所前後で推移しています。

    【夜間保育の設置状況の推移】

    夜間保育

    出典:夜間保育所の設置状況/厚生労働省からの抜粋

    全国の指定都市・中核市別の設置状況を見ると京都が8ヶ所と最も多く、続いて大阪市に5カ所ほどある状況です。

    都市部の需要が高く、今後も夜に働く保護者にとって必要な保育施設であることがわかります。

    出典:夜間保育所の設置状況/厚生労働省

    夜間保育所の利用料金?

    認可の夜間保育の利用料金は各市町村で利用料を決定しているため、自治体に確認する必要があります。

    0歳〜2歳児の子どもを預ける際は3万円〜4万円前後の負担がかかることが予想されるでしょう。

    また、幼保無償化により「3歳児以上の子ども」または「0歳児〜2歳児以内住民税非課税世帯の子ども」は無料で通園できます。

    ただ、ベビーホテルなどの認可外保育施設の場合は

    • 3歳児以上の子どもは月額3.7万円までの利用料が無料
    • 0歳児〜2歳児以内住民税非課税世帯の子ども月額4.2万円までの利用料を無料

    といった条件があるため、その点に注意するとよいでしょう。

    出典:これまでの議論の項目と保育サービス全体について/厚生労働省

    夜間保育所の設置基準

    厚生労働省の資料をもとに対象や条件などを詳しく解説していきます。

    対象となる子ども

    夜間保育の対象となる子どもは夜間の時間帯に保護者の就労等の都合で家庭での保育が欠けるため、市町村が保育の実施を行う子どもとなります。

    子どもの定員数

    夜間保育の場合、入所が可能な子どもの定員人数は、20人以上としています。

    開園時間

    夜間保育の開所時間は、おおむね11時間としています。設置認可基準を受けた場合は夜10時までと定められています。

    必要となる職員の資格

    夜間保育所の職員として働く場合は保育士資格が必要になります。

    職員の配置基準

    児童福祉施設最低基準にあわせて職員を以下の通りに配置しなければなりません。

    • 0歳児:3人につき保育士1人
    • 1歳児:2歳児の場合は6人につき1人
    • 3歳児:20人につき1人
    • 4歳児以上:30人につき1人

    ただし、職員の人数は最低2人配置しなければならないので注意しましょう。

    設備基準

    夜間保育を実施するための設備基準は以下となります。

    ①仮眠のための設備及びその他夜間保育のために必要な設備、備品を備えていること。②既存の施設に夜間の保育所を併設する場合にあっては、直接児童の保育の用に供する設備については専用でなければならないが、管理部門等については運営に支障を生じない範囲で既存の施設の設備と共用することも差し支えないこと。③地域の実情に応じて、分園(平成一〇年四月九日児発第三〇二号「保育所分園の設置運営について」に定める分園をいう。)を設置することができる。

    出典:夜間保育所の設置認可等について/厚生労働省からの抜粋

    上記の通り、夜間保育を実施するためには、仮眠のための設備や夜間保育のための設備や備品を備える必要があるでしょう。

    出典:夜間保育所の設置認可等について/厚生労働省

    出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準/厚生労働

    夜間保育所での働き方

    夜間保育所で保育士として働きたいと考えている方もいるでしょう。

    夜間保育は一般的にシフト制を取り入れている施設が多いようです。

    シフトの時間帯の例は以下の通りです。

    • 11:00~19:00(8時間勤務)
    • 14:00~22:00(8時間勤務)
    • 17:00~22:00(5時間勤務⦅パートの場合⦆)

    夜間保育を実施している施設形態でシフトの時間帯は異なるでしょう。

    どのような勤務形態か確認するとよさそうです。

    正社員だけでなく、保育士の資格をもっていればパート職員でも夜間保育士として働くことが可能な園もあるようです。

    夜間保育所での仕事内容

    夜間保育所は日中の保育に比べて、夜に行う入浴や寝かしつけなどを保育士が担当することが多いでしょう。

    主な仕事内容は以下の通りです。

    • 登園対応
    • 保護者との情報共有
    • 食事・入浴の援助
    • おむつ交換
    • 子どもとのスキンシップ&遊び
    • 寝かしつけ・就寝時の見守り
    • 行事の企画・準備・開催
    • 書類作成(保育計画・指導案作成・連絡帳記入・お便りなど)
    • おむつ代などの集計

    子どもたちとスキンシップを図り、愛着関係を育むことも大切になります。生活全般のお世話を行いますが、子どもたちが少しずつ自分で身の回りのことができるようにサポートしていく必要があるでしょう。

    夜間保育所で働くメリット・デメリット

    メリット

    給与が高い場合がある

    通常の保育所よりも夜10時まで運営している施設が多く、夜間手当などが支給され、給与が高い可能性があります。

    例えば、日中時給1000円で働いている場合は夜8時からは1200円に増額される場合もあるでしょう。

    手当が増えることで仕事へのモチベーションも高まりそうですね。

    一般的な保育園とは違った経験を積める

    夜間保育所は異年齢の子どもたちを一つの保育室で預かる施設も多いため、さまざまな年齢の子の成長を見守ることができそうです。

    また、夜は入浴の援助や寝かしつけなどがあり、生活全般のお世話を行うため、より深く子どもたちと関われるでしょう。家庭のように子どもたちと過ごすことから、アットホームな環境の中、保育することができそうですね。

    デメリット

    生活が不規則になる可能性がある

    夜間保育所は22時まで運営している場合がほとんどなのでその分、保育士さんの就寝時間も遅くなる可能性があります。

    ただ、「昼は違う仕事をして夜は保育士として働きたい」など副業も視野に考えている方にとっては働きやすい施設かもしれません。

    人手が足りない場合がある

    近年、慢性的な保育士不足が起きている中で夜間保育所で働きたい方が少ない可能もあるでしょう。人手不足に悩む園もありそうです。

    就業を考えている場合は、あらかじめ勤務形態や職員の配置人数などを確認するとよいかもしれません。

    保護者の多様な働き方を支える「夜間保育所」は重要な施設

    フルタイムで働いている方などは仕事が忙しく、なかなか18時や19時などに子どもを迎えに行くことが難しい場合もあるでしょう。

    夜間保育所は保護者にとって欠かせない施設です。

    保育ニーズが高まる中で充実したサービスを提供できるよう、保育士不足などの問題を解決することが大切になります。

    書類作業を簡略化できるICTシステムの活用や保育士の処遇改善などに積極的に取り組み、保育士が働きやすい環境を作り上げていきましょう。

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