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短時間勤務制度のメリットは?保育士の例でみる育児中の働き方

短時間勤務制度のメリットは?保育士の例でみる育児中の働き方 milatas/Shutterstock.com
労働者の仕事と育児の両立を支援するための「短時間勤務制度」。保育士などの専門職で働く方にとっても労働時間が短くなることは、子育ての時間の確保や仕事のしやすさにつながるでしょう。短時間勤務制度の内容、対象者、保育士が利用した場合の例などをもとに詳しく解説します。

目次

    短時間勤務制度とは

    短時間勤務制度とは、3歳に満たない子どもを養育する労働者に対して、1日の所定労働時間を原則6時間(5時間45分~6時間)に短縮する制度です。

    2009年の育児・介護休業法の改正によって企業に導入が義務づけられ、労働者が仕事と育児を両立できる働き方の実現を目指すために策定されました。

    変形労働時間制やフレックスタイム制などさまざまな勤務制度があるため、制度の内容、利用条件を把握して、労働者としてどのように働くべきか考えていきましょう。

    短時間勤務制度の内容、取得対象者などについて詳しく紹介します。

    内容

    短時間勤務制度の大きな特徴は、1日の所定労働時間を原則として6時間(5時間45分から6時間まで)であることです。

    ときには1日の労働時間が7時間とするなど、特例の措置を行うことができますが、あくまでも1日6時間勤務となります。

    取得対象者

    短時間勤務制度は誰もが取得できるわけではありません。

    取得対象者については、以下の項目に全て当てはまる方が該当します。

    厚生労働省の短時間勤務制度(所定労働時間の短縮等の措置)についての資料を引用すると、以下の5つが条件となります。

    3歳に満たない子を養育する労働者であること。
    ② 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと。
    ③ 日々雇用される者でないこと。
    ④ 短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと。
    ⑤ 労使協定により適用除外とされた労働者でないこと。

    ②について変形労働制度を利用している方に対しての「1日の所定労働時間が6時間以下」とは、すべての労働日の所定労働時間が6時間以下であること指しています。

    対象となる期間を平均した場合の1日の所定労働時間をいうものではないため、変形労働制の導入している施設で働いている方は注意が必要です。

    注意点として、②の「1日の所定労働時間が6時間以下」は、すべての労働日の所定労働時間が6時間以下であること指しています。そのため、変形労働時間制のように、対象期間の平均が6時間以下というわけではないため、変形労働制の導入している施設で働いている方は注意が必要です。

    取得対象外

    取得対象者に当てはまったとしても、以下の条件の方は取得対象外となります。

    1. 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない
    2. 1週間の所定労働日数が2日以下である
    3. 業務の性質又は業務の実施体制に照らし合わせると、短時間制度の利用が困難であると認められる業務に就いている

    3.で所得対象外とされた労働者に対し、事業者は短時間勤務制度の代替措置として、フレックスタイム制度や時差出勤制度などを設けることを義務づけています。

    短時間勤務労働制による残業などの規制はありませんが、仕事と育児の両立を支援する策定として子育ての時間を確保するための制度であり、あくまでも6時間勤務が原則となっています。

    労働者の中には、子育て中に社会復帰をしたいと考えながらも「子どもと向き合う時間が減ってしまうのではないか」、「家事と仕事の両立ができるのか」など不安に感じる方もいるでしょう。

    短時間労働制を活用することで、そのような不安を和らげることにつながるのではないでしょうか。

    また、さまざまな職種がある中で保育士は業務内容が多いことから妊娠・出産を機に離職するケースが少なくないようです。

    このような専門職の離職を防ぐためにも短時間勤務制度の活用は大切かもしれません。

    保育士さんが短時間勤務制度を利用する場合、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

    出典:短時間勤務制度(所定労働時間の短縮等の措置)について/厚生労働省

    出典:改正育児・介護休業法が全面施行されます!!/厚生労働省

    保育士が短時間勤務制度を利用するメリット

    仕事と育児の両立がしやすい

    短時間勤務制度を利用することにより、労働時間は原則6時間となることから仕事や育児の両立がしやすくなるかもしれません。

    子育てや家事の時間が確保できることから、生活に対しての満足度が高まり、保育士の主な仕事内容である「保育活動」についても集中して取り組むことができるでしょう。

    残業などによるストレスの減少

    短時間勤務制度による残業時間の規制などはありませんが、あくまでも制度の目的は「仕事と育児の両立」のため、所定労働時間後に残業せずに帰宅できることも多いでしょう。

    保育士の仕事は保育活動、指導案作成、行事企画運営など多種多様であり、労働時間が長い、残業が多いことから悩みやストレスを抱える方も少なくありません。

    短時間勤務制度による労働時間の短縮、残業の減少により、心身ともに健康となり、精神的なストレスの抑制にも役立つでしょう。

    慣れ親しんだ環境の中でキャリアを継続

    保育士さんの中には、労働時間が長いことを理由に出産や妊娠を機会に一度離職して、子育てが落ち着いてから復帰しようと考えている方も多いかもしれません。

    しかし、短時間勤務労働制などで勤務形態が整備されている園で働いていると「子育てと仕事の両立をして保育士としての経験を積みたい」、「産休後もキャリアアップするためにこの園で働きたい」という想いを抱き、離職を思いとどまる場合もあるでしょう。

    慣れ親しんだ環境の中で保育士としての経験を積めるということは、キャリアを継続することにもつながるようです。

    経験を積むことで昇進や賃金の昇給などのキャリアアップも考えられるため、短時間勤務制度を利用して長期的に働くということは大きなメリットといえそうですね。

    保育士が短時間勤務制度を利用する例

    実際の保育士さんが短時間勤務制度を利用した場合の勤務例について紹介します。

    手続き

    短時間勤務制度を活用する場合は1カ月前など早めに勤務している園に意思を伝え、手続き方法などを尋ね、関係書類を提出しましょう。

    勤務時間

    短時間勤務制度による労働時間は原則として6時間です。

    保育施設には早朝保育などを行っている園もあるため、職場の勤務体制を考えながら短時間勤務に移行するとよいでしょう。

    例)8:00~17:00(休憩1時間含む)→短時間勤務制度適用 8:00~15:00(休憩1時間、勤務6時間)

    例)9:00~18:00(休憩1時間含む)→短時間勤務制度適用 9:00~15:45(休憩45時分、勤務)

    給料

    給料についての規定は特にないため、保育施設によって給与体制に違いがあるでしょう。

    一般的には基本給から短縮した時間分の賃金が差し引かれることが考えられます。

    休憩や残業

    休憩については、労働基準法により、6時間以上勤務する場合は最低45分以上の休憩時間を設けることが義務づけられています。

    ときには人材不足などで、時短勤務制度後に残業を頼まれることもあるかもしれません。子どものお迎え時間などもあるため、園側と相談しながら自身の負担のないように相談する必要があるでしょう。

    短時間勤務制度を利用して働きやすい環境へ

    短時間勤務制度の導入により、仕事と育児の両立がしやすくなり、仕事上のキャリアを継続できるなど利用者側にとって大きなメリットがあるでしょう。

    保育士さんなどがより働きやすい社会にするためにも、園や施設、企業側が人員、労働時間の調整を行いながら、短時間勤務制度を取り入れることが大切かもしれません。

    また、短時間勤務制度や変形労働制など労働時間の制度にはさまざまな種類があります。

    制度を活用することで労働時間の設定、管理が大変になり、事務作業に負担がかかることも考えられるでしょう。

    保育現場などではICTシステムの導入により、シフト管理や労働者の時間整備などを効率的に行っている施設もあるようです。

    労働者の勤務形態を改善するうえで、ICTシステムなどを活用してより働きやすい環境へと整備していきましょう。

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