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保育業務の自動化は可能?AIが活躍〜午睡の見守り・園児の出欠・検温管理〜
目次
「保育業務の自動化」という言葉を耳にすると、「ロボットが保育士の代わりに子どもの世話をするの?」「子どもの食事のサポートを機械がするということ?」など、不安や疑問を抱く方もいるかもしれません。
そもそも保育業務の自動化が注目されている背景には、保育士不足問題が挙げられます。過度な業務負担や給料の安さなどから離職する方もおり、子どもを見守る人手が足りていない状況です。そのため、保育業務の中で自動化できる内容をAIに任せ、子どもたちの園生活を支えられないか、多様なシステムの導入が検討されているのです。
自治体による保育園の入園受付や園児の利用調整などにもAIを活用した取り組みが進められています。
まずは、実際にAIによる自動化がどのような効果をもたらしたのか、自治体の保育業務の事例をもとに詳しく見ていきましょう。
共働き世帯が増加する中、保育園の利用者が増え、入園受付や園児の利用調整などで、以前から自治体の職員に過度な負担がかかっていることが問題視されていました。
そこで埼玉県のさいたま市や大阪府の四條畷(しじょうなわて)市などで、AIによる業務の自動化が行われました。その結果、どちらの市も業務の効率化が実現し、職員の負担軽減に有効であることが証明されたのです。
さいたま市では、保育園の利用者約8000人に対して300施設への入所選考業務を行う際、1500時間かかっていたものが、AIによって数秒で完了したとのことです。入園希望者への決定通知も早期に発信でき、公共サービスの充実化にもつながったようです。
このような成果もふまえ、AIによる自動化は保育施設への活用も注目されています。
次に、保育施設を運営する中でどのような場面でAiが利用できるのか、詳しく解説します。
保育施設でAIを活用できる場面に「午睡の見守り」が挙げられるでしょう。
午睡時に園児や布団に小型のセンサーを取りつけ、システムが危険な寝姿を察知した場合、保育士にアラートで通知する機能が備わっているものがあるようです。
AIが自動で危険を予知してくれるため、うつぶせ寝による窒息などを未然に防ぐことができるでしょう。
また、保育士は子どもの呼吸状態や寝姿を数分ごとに確認し、記録する必要があります。見守りシステムを活用すれば、このようなデータも自動で残すことができ、業務量の軽減に役立つでしょう。
園児の出欠確認や検温は子どもの体調を管理するために重要な仕事になります。
ただ、登降園児は子どもの受け渡しや保護者との連絡事項の共有などで、保育士にとって多忙な時間帯でしょう。そこでAIによる出欠確認や検温を行うことができれば、正確な記録を残し、業務の効率化にも役立ちそうです。
導入するシステムについては、登降園時に機械へICカードをかざして記録するものもあれば、顔認証で検温が可能なものもあるようです。専門業者などに相談して、自園の運営にあったものを選定するとよいかもしれません。AIを利用すれば業務量の削減につながるだけでなく、その分、保育士が保護者や子どもの対応に集中することができそうです。
保育士の中には、延長保育料やおむつ代、おやつ代の集計を任される場合もあるでしょう。子どもたち一人ひとり費用が違うことも多く、集計作業に時間がかかることが想定されます。
AIを活用して必要なデータをシステムに入力すれば、このような集計作業も自動化することが可能です。計算ミスの防止にも役立ち、業務をスムーズに進めることができるでしょう。
保育士の勤怠管理やシフト調整においてもAIの活用が進められています。
保育士一人ひとりの有休取得状況や残業時間などをシステムで一括管理し、集計を自動化することで業務の効率化に役立ちます。中には正社員が少なく、多くのパート保育士を雇用している園もあるでしょう。その場合は、シフトが複雑で調整に時間がかかるケースもあるようです。
その際も基本的な条件を入力しておけば、子どもの人数にあわせた職員の配置人数を自動計算されるため、簡単にシフトを作成することができます。
その他にも保育に関する必要書類の自動作成、子どもの写真の選別の自動化など、さまざまな業務にAIの活躍が期待されています。
AIの導入を検討している際は、保育業務を見直し、事務作業や労務管理などAIに任せることが可能な内容を考えてみましょう。
保育士は子どもの命を預かる責任重大な仕事です。子どもたちの心や体調の変化をこまめに読み取り、サポートする必要があります。そのため、心に寄り添った対応をAIに任せることは難しいでしょう。
しかし、保育士のサポート役としてAIを活用すれば、業務削減・効率化につながります。
保育士の働きやすい環境を作り上げるためにも、AIによって自動化できる業務を精査して、保育の質の向上に役立てていきましょう。
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