保育士バンク!コネクトを導入いただいた保育園・幼稚園の声をご紹介します。
手書き勤怠管理から脱却、3日の集計作業が1日に短縮。保育現場の業務効率化と質の向上を実現
社会福祉法人 風の森
統括 野上 美希様
(取材当時)
保育業界は今、まさに転換期にあります。他の業界では労務管理のシステム化が当たり前になっている一方で、保育業界はデジタル化が遅れています。私たちが運営する複数の保育園でも、職員が手書きで勤怠を記録し、事務担当者が手作業で集計する従来の方法が続いていました。
労務管理を手書きで行っているという現状を他業界の人が知ったら、「この業界は大丈夫か?」と不安に思われても仕方ありません。実際、現在の国の事務職員配置加算では、週に数日勤務するパート職員一人を雇える程度の金額しか支給されないため、手書きで勤怠管理を行うと、その作業だけで1ヶ月が終わってしまい、他の事務作業に手が回らないのが実情でした。
このような状況の中で、労務管理をシステムで徹底することは、深刻な人手不足の軽減や、保育の質の向上に直接つながります。業界全体が前に進むうえで、非常に重要な意義を持つと感じています。
システム導入にあたって、一般企業向けの労務管理システムなど何社か比較検討しました。最終的に保育士バンク!コネクトを選んだ決め手は、やはり「保育業界に特化している」という点です。その専門性が、私たちにとって運用のしやすさにつながると感じました。
業務効率化の必要性を感じた私たち経営層が主導して、導入を決定しました。保育業界全体のデジタル化が進む中で、職員の負担軽減と保育の質向上を両立させるため、積極的にICTツールの活用を進めることにしたのです。
導入にあたっては、職員に対して具体的なメリットを丁寧に説明し、サポート体制を整えながら進めました。実際に運用を開始してからは、「導入して本当に良かった」という声が多く聞かれるようになり、職員の満足度も高まっています。
システム導入によって、業務効率に大きな改善が見られました。当法人で事務を担当する担当者は、導入前の状況をこう振り返っています。
「これまで勤怠管理はすべて紙で行っていました。職員一人ひとりが紙の勤怠簿に手書きで時刻を記入し、締め日である15日の翌日に、私が全6園からその勤怠簿を回収するところから作業がスタートします。勤務日数や有給休暇の取得状況、給食を食べた回数などを、一人ひとり手作業で数えて、Excelに転記していくんです。」
特に負担が大きかったのは、パート職員の勤務時間計算でした。日によって勤務時間が異なるため、休憩時間を差し引いた実働時間を個別に手計算する必要があり、ミスを防ぐために一日置いてから自分自身で再確認するという工夫をしても、丸2〜3日はかかっていました。
しかし、保育士バンク!コネクト導入後は状況が一変しました。職員は出勤時と退勤時にタブレットをタッチするだけで、勤怠時間はすべて自動で集計され、休憩時間もあらかじめ設定しておけば自動で反映されます。
これまで丸2〜3日かかっていた6園分の集計作業が、たった1日で完了するようになりました。今は打刻漏れがないかを確認するだけで済み、本当に助かっています。
業務効率化の効果は、単なる時間短縮にとどまりません。生まれた時間で職員とコミュニケーションを取る時間が増え、園の運営がより円滑に進むよう働きかけたり、スキルアップのために研修に参加したりと、時間を有効活用できるようになりました。
特に大きな変化が見られたのは、主任クラスの職員です。これまでは職員が退勤時に手書きで勤怠を記録し、月末には主任の先生が一人ひとり間違いがないかチェックしていました。本来、保育の指導を行うべき主任が、勤怠管理のチェック作業に追われてしまっていたのです。
システム導入によってこの状況が改善され、主任が本来の業務である現場での指導に時間を割けるようになりました。結果として、保育の質の向上という非常に良い影響をもたらしています。
勤怠管理以外でも、業務効率化や働きやすさの面で大きな改善がありました。以前は紙のカレンダーで有給休暇を管理していたため、急な休みに対応するのが難しく、申請状況の把握に時間がかかる場面もありました。
保育士バンク!コネクトの導入により、職員が自身のスマートフォンからいつでも簡単に有給申請ができるようになり、申請漏れがなくなりました。申請から承認までの流れもシステム上で可視化されるため、状況をリアルタイムで正確に把握できるようになったことは大きな変化です。職員全員がスムーズに休暇を取得できる環境が整い、安心して働ける職場づくりにもつながっています。
システム導入の意義は、個々の園の業務効率化だけでなく、業界全体の信頼向上にもつながります。現代は、企業の透明性が社会全体から、そして働く個人からも求められる時代です。労務管理体制をシステムで整備することは、コンプライアンスの観点だけでなく、「しっかりした業界だ」と社会から評価されることにも繋がっていくと考えています。
手作業による管理は手間がかかるだけでなく、悪く言えば不正を見逃すリスクにもつながりかねません。システムで厳密に管理することが、今の時代には不可欠です。
手書きやタイムカードでの管理に慣れていると、新しいシステムの導入を面倒に感じてしまうかもしれません。しかし、より厳格な管理が求められる現代において、従来のアナログな方法には限界があります。特に人手不足が深刻な業界だからこそ、人が介在するアナログな業務は極力減らしていくべきです。人手不足に悩んでいる法人様であればなおさら、業務効率化のためのシステム導入を強くお勧めします。
保育業界は、全体としてITリテラシーが高いとは言えないため、職員にとってシステムの導入には心理的なハードルがあります。しかし、そこを乗り越えるためには、導入によって「今よりも業務が楽になる」といった具体的なメリットを、経営層が現場に丁寧に伝えることが重要です。特に、保育業界に特化したシステムを選択したからこそ、業界に精通したサポート体制や現場の実態とフィットした機能により、できるだけ現場への負担を抑えながらシステムの活用をすることが可能になります。
実際に導入した事務担当者からも「職員数や園の数が多い法人ほど、導入による時間短縮の効果は絶大だと思います。『今は何とか業務が回っている』という現場でも、実は誰かの無理によって支えられているのかもしれません。ICTツールは、そうした属人的な負担を解消し、生まれた時間をもっと本質的な業務に使えるようにしてくれます。私たちの職場のように、保育の質を向上させるための時間として活用できるはずです」という声が寄せられています。
勤怠管理をシステム化することで、これまで多くの時間を費やしていた作業がすぐに完了し、空いた時間で別の重要な業務に取り組むことが可能になります。これは、現場にとって非常に大きな革命だと感じています。